喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

たき火を囲い、豊かな時を過ごす

2012-10-28 | ブログ


先日、国立大洲青少年交流の家で河原学園看護学科の炭焼き実習があった。
講師として長年、愛媛大学農学部の鶴見先生が関わられている。
先生は、愛媛千年の森をつくる会の中心的な人でもある。

 その人柄と考え方に魅せられ、とても尊敬している。
久しぶりにお話もしたいと思い、仕事が終わり弟と一緒に会いに行った。
8時過ぎに到着すると、会場は若者たちの熱気で盛り上がっていた。
走り回る人。たき火のそばでじっと火を見つめる人。友と語り合う人など、さまざま。

 そのうち学生さんたちは、明日に備え帰っていった。
それから後、鶴見先生と炭焼き助手の学生さん、弟の4人でいろいろな話をした。
炭のすばらしさ、食べるということ、農業、食の安全、外国とのつきあい方など。
話は尽きない。

 社会は便利になり、そして申し分のない物の豊かな時代となった。
でもその代わりに失ったものや逆に生活を脅かしているものも多い。
アレルギー体質、ガンや心臓・脳の病気、糖尿病など。
ストレス、不登校、引きこもり、うつ病。



 人は自然と共に生きてきた。生かされてきた。
そんな自然と離れてしまっている。
また自然の歯車を壊してしまっている。

 我が家の農業で考えると、
消費者にできるだけ安全でおいしいみかんを作り、食べていただきたい。
そのために消毒をできるだけ減らしてはいるが、完全になくすことはできていない。
見た目が悪いと買ってもらえないところがある。
または、値段が安い。
 
 きれいなみかんは気持ちいいが、そこには消毒が使われている。
単純な考え方なのだ。
だから見た目のきれいさと引き替えに多少の毒を体にとりこんでいる。
一事が万事。他のすべてにおいて似たようなこと。

 それでも日本の農業の安全基準は世界トップレベル。
外国では、大量の消毒・防腐剤が使われている場合が多い。
 外国からの安くておいしそうな果物が店頭に並ぶ。
触ってみると、ヌルッとする。
これは腐らないようにする防腐剤のせい。
 日本人の大好きなエビ。
東南アジアの大切なマングローブの林を切り開き、養殖場をつくる。
病気が入らないようにと、大量の消毒がふりかけられる。
 こうして東南アジアの大切な自然は壊され、
それを好んで食べる日本人の体もむしばまれていく。

 食糧自給率40パーセントもない日本。
外国から食料輸入がストップしたら私たちの生活は成り立たない。
その一方で地方では、耕作放棄地がどんどん増えている。

 土と共に生きると心が耕される。
感謝と協力・共働。
 農業の魅力は限りない。

 こんな大切な夢のある話をした。
 この時のためにと買っていた山梨県の一升瓶に入った勝沼ワインを飲みながら。

 まわりを木に囲まれて場所で、
空には、三日月と星がきれいに輝く。
そこに向けてたちこめるたき火の煙。

 

 しだいに燃え尽き小さくなっていく暖かい火を見ながら夜はふけていった。
火のない生活になり、久しぶりに何かを思い出したような、すてきな時間だった。

                       岬人
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 河原学園看護学科と炭焼き | トップ | 平成24年三崎文化祭 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ」カテゴリの最新記事