喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

「愛媛産には、愛がある」 ~農家の汗~

2011-08-25 | ブログ
 おいしいみかんができるまでにどんな様子があるのか?
それを想像したり、知ることは、
よりおいしく食べるための大きなスパイスのようなものだ。

 平礒では、ここ最近朝早くから夕方遅くまで農薬散布が行われている。
弟の洋海も浜ちゃんと一緒に、汗だくだくになりながら柑橘に
低農薬と愛情を注いでいる。
 農家のみなさんの一生懸命に働く姿がたくさんある。
そんな姿をみるといつも思い出す文章がある。
それは、平礒出身で現在大学生の青年が、高校生のときに書いた文章だ。

『 愛媛産には、愛がある

 照りつける日差しと絶えず耳に入ってくるせみの声。
真昼の昼下がりに両親にたのまれ、倉庫に飲み水を持って行った時のことです。
そこには、夏にもかかわらずカッパを着ている両親の姿が。
汗は服を滝に打たれたように濡らし、長靴を水たまりにかえ…
その光景をよく覚えています。
その時でしょうか、私が農家を志すようになったのは…。

 それから数年が経ち、いつものように冬が来ます。
柑橘農家にとって猫の手も借りたい日々の幕開けです。
朝早く、人間の手を持つ私は梶原家の戦力として段々畑にかりだされます。
冬は、待ちに待った収穫の時季です。
今年も「愛媛産には愛がある!」
の売り文句に恥じないできばえです。
そして夜は、柑橘の出荷の準備を遅くまでやってのけます。

 みなさんが、こたつのお供としてなれ親しんでいる柑橘。
その柑橘の1つ1つには、決して語られることのない農家の方々の想い(ドラマ)が
つまっているのです。

 私の成長のそばには柑橘がありました。
働くことの意義や努力は1日では成り立たないこと、
そして苦労を幸福に昇華する、「おいしい!」のひと言…。
私はこの柑橘を守り、発展させ、後の時代に伝えていきたいと思っています。
私の祖先が今に残してきたように。

 農業は学歴や知識ではできません。
柑橘の1つ1つに思いをこめてこそ、
「愛媛産には愛がある!」
は語られるのです。

    
     平成21年度 毎日新聞農業記録賞 
           高校生部門(優良賞 中央入賞)

           梶 原 崇 裕
          (平礒生まれ 父:梶原孝一 母:美佐代)』

 この文章を読むと、農家のみなさんの汗がさらに輝いて思える。
現在、朝6時過ぎ。
すでに農薬散布の音が聞こえてくる。
コメント (1)
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