【横浜・鶴見区】敷地は丘陵に挟まれた谷戸で主屋は北東の丘陵を背にして南面で建つ。 現在、主屋は右側が土間で、田の字形の整形四間取りだが、痕跡等から元々は広間型と推定されている。 土間境中央に大黒柱がたち、土間境や部屋境には差し鴨居を多用している。
★外側と内側に大きな石が置かれた出入口からダイドコロと呼ばれる土間に入る。 土間には農具や生活用の道具などが展示されている。 ザシキ(座敷)そして展示室との土間境に差し鴨居が用いられていて重量感を感じさせる。 土間から座敷とその奥のデイ(出居)を見ていて、座敷と出居とを仕切る腰高格子戸が気になった。 腰部が縦スリットを入れて板が張られていてつうつうなのだ。 よく見ると縁側の腰高格子戸も同様で、無双窓式かもしれないが確認を失念した。
△石が敷かれた主屋出入口はガラス入り引き違い格子戸
△出入口から覗いた中はダイドコロ(土間)....奥の部屋は展示室/土間の東壁の隅に展示された農具など
△土間境に差し鴨居が用いられている....土間と床上部の式台に生活用の道具などが展示されている
△土間の化粧垂木天井と梁組/土間から見上げた床上部の整形四間側の化粧垂木天井と梁組
△土間から見たザシキ(座敷)と奥にデイ(出居)....土間境と部屋境に差鴨居を多用
△土間から見た十畳敷の座敷と奥の出居....部屋間の腰高格子戸の腰部に縦スリット状の隙間がある(無双式と思うが)
△座敷の差し鴨居の上に取り付けられた牛蒡注連縄を張った神棚/座敷の隅に置かれた湯釜と火鉢
★”床の間”がある出居は客間として使われた部屋で、鉤形の榑縁に大きなガラス窓がしつらわれていて広い庭を一望できる。 床上部は田の字形の整形四間取りで、出居と座敷の北側にはそれぞれ板の間のナンド(納戸)とチャノマ(茶の間)があり、茶の間には横木が魚の囲炉裏がある。
納戸の西側に主屋から突き出た下屋は厠で、備えられた鮮やかな青色花柄文様の染付の陶器製和式便器に目を奪われた。 調べたら、明治時代後期に某陶器製品メーカーで製造されもので、九州にある該社ミュージアムに同じものが展示されていることを知った。 さらに吃驚したのは、その時のメルカリに出品されていたこと....勿論、未使用品だと思うが....。
△座敷から見た出居北面の床の間と2段の押し入れ....座敷及び榑縁とを仕切り、腰高格子戸の腰部は縦にスリット状の隙間を設けた造り
△八畳敷の出居は客間として使われた部屋で、広い庭を一望できる....榑縁側の腰高格子戸も腰部に縦スリットが入っている
△奥は座敷で、手前が横木が魚の囲炉裏がある茶の間
△自在鉤と横木(魚形)....上部に付いている巨大な「し形」の吊り具/茶の間の隅に展示されている家具など
△出居西側の榑縁の奥の突き出た下屋は厠/男性用便器と手洗器
△腰高格子戸で仕切られた和式便器室/鮮やかな花柄文様の染付を施した陶器製和式便器....明治時代後期のもの
△主屋の前庭から眺めた木立の中に建つ東屋
△主屋の西側に広がる芝生の庭.....芝生の中に飛び石の園路がある
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