
【大分・豊後高田市】奈良時代の養老年間(717~724)(平安時代天安二年(858)創建の説もあり)に宇佐八幡の分霊を勧請して創建された別宮社で、国東半島に現存する4つの別宮社の中でも随一の規模を誇る。 祭神は誉田別命(応神天皇)・息長足姫命(神功皇后)・宗像三女神。 表参道入口の八幡川に架かるアーチ形の潮観橋は江戸末期の天保九年(1838)~安政五年(1858)間に造成されたとされる。 社殿境内の入口に建つ高壮雅麗な楼門は、明治十二年(1879)建立。
見事な造りのアーチ形の石橋「潮観橋」を渡って参道を進むと、二ノ鳥居の傍を這うように伸びて参道を横切る松の木の下に鎮座する獅子の狛犬に迎えられる。 狛犬は亀の霊獣の背に鎮座する珍しい姿で、亀の台座は、中国でよく見られる石碑を支える亀の台座の「亀跌」に似ている。
鳥居をくぐると、奥に豪壮な楼門が見えてくる。 近づくと想像した以上に大きく、屋根を支える組物と唐破風の下層の正面の精緻な彫刻群に圧倒される。
小さな袖塀の通用門から社殿境内に入る。 両側に確か六角の竿の石燈籠が立ち並ぶ参道の奥に横長の拝殿が建ち、正面に然程大きくない千鳥破風の質素な向拝がある。
拝殿の右手に回ると、塀越しに本殿境内が見える。 小さな神門から境内を覗くと、幣殿の奥に流造りで向拝柱4本の本殿、そして本殿両側に立派な摂社が幾つか鎮座し、まさに神々しい雰囲気に包まれている。

一ノ鳥居の明神鳥居..石造りの「八幡宮」の額、柱に「高明潤雨五穀豊穣」「天下泰平国家安全」の刻

潮観橋及び石燈籠..江戸時代の天保九年(1838)~安政五年(1858)間に造成


潮観橋は表参道に架かる石橋..潮観橋序碑と石燈籠とともに県指定有形文化財

表参道に立つニノ鳥居は台輪鳥居..石造りの「八幡宮」の額、参道を横切って這う松の木が見事だ


亀の霊獣(亀跌かな)の背に鎮座する阿形吽形の獅子の狛犬..江戸末期文久二年(1862)造立

4本の筋が入った筋塀に囲まれた境内に建つ社殿

入母屋造堂板葺の楼門..明治十二年(1879)建立..別宮八幡の総代・氏子が造営に尽力


説明板に「近郷にまれに見る高壮雅麗な楼門」とある/初層と上層の組物や木鼻などの彫刻が素晴らしい

楼門から眺めた拝殿前の境内..正面は拝殿

横長で切妻造銅板葺の拝殿..境内参道に竿が六角の多くの石燈籠が立ち並ぶ

千鳥破風向拝の拝殿、手前左は切妻造桟瓦葺の手水舎


石燈籠越しに眺めた拝殿 拝殿内の正面


拝殿後方の本殿境内は塀で囲まれ拝観できない、右横にある小さな門と神饌所(右)

門から眺めた本殿の境内..入母屋造本瓦葺の弊殿と流造銅板葺の本殿が鎮座

三間社流造りで銅板葺の本殿..組高欄と擬宝珠高欄を合わせたような高欄だ、また本殿左右に立派な摂社が建ち並ぶ

御神木と絵馬殿

絵馬殿には明治~昭和の額絵馬が掲げられている

拝殿前の石燈籠越しに眺めた入母屋造桟瓦葺の神楽殿

切妻造桟瓦葺の神輿庫(?)


社務所 北側境内に立つ台輪鳥居と巨大な石燈籠


境内社 境内に鎮座する牛像と馬像
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