何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

旧小池邸-(1) (藤沢)

2024年10月06日 | 史跡探訪-日本編

【神奈川・藤沢市】旧小池邸の主屋は天保十二年(1841)に建てられたもので、昭和五十八年(1983)に新林公園内に移築・復元された。 小池家は江戸時代に名主役を務めた柄沢村で有力な農家で、第二次大戦後に行われた農地改革(昭和二十一年)では、市域内で三番目に多くの農地を解放したほどの大地主だった。 小池家の祖先「旧家八郎右衛門」(「風土記」に記録)は足利尊氏に仕えていたようだ。

★旧福原家長屋門から南に隣接する芝生広場に入る。 梅の花が咲き始めた広場は、幼子の親子連れや犬と散歩する人達で賑わっていた。 広場の東に深い樹林を背にして旧小池邸の門と主屋の茅葺屋根とが重なって見える。 長い袖塀を備えた門の前に石組護岸の排水溝があり、袖塀の下から排水口が延びている。 排水溝に架かる橋を渡り、薬医門風の門くぐって敷地内に。
広い芝生の前庭に門から主屋に向かって飛石が敷かれている。 堂々たる構えの主屋は、風格があって名主の民家らしい印象を感じさせる。 茅葺屋根の南側の妻は兜造りで、正面軒下は船枻造りだ。 瓦葺の大棟の端に水神の使徒を示す「龍」の字が配されていて、火災から家を護っている。

△梅の花が咲いている芝生広場から眺めた旧小池邸

△旧小池邸は新林公園の東側の山裾に西面で建つ

△切妻造銅板葺の門....左右に長い袖塀を設けている

△向かって左側の袖塀....上部に菱格子を配した銅板葺の透塀、前に袖塀から延びる排水口と石組護岸の排水溝がある

△向かって右側の袖塀....前横に袖塀から延びる排水口と石組護岸の排水溝がある

△門は一軒繁垂木で薬医門形式の造り

△広い敷地内に西面で建つ寄棟造茅葺の旧小池邸主屋

△向かって右の下見板張り腰壁の部分が土間、その左が床上部....床上部は典型的な六ツ間型民家の造りで、各面とも縁付き

△主屋の入口前から眺めた敷地内の飛石と門

△南西側の庭から眺めた主屋....手前の土壁と腰壁が下見板張りの部分は土間

△主屋の南側の屋根は兜造り

△大棟端に「龍」の字が配されている....龍は水神様の使徒といわれ,龍神として家を火災から護っている/四方の軒先はセガイ(船枻)造りで軒を深くしている

△表側(西面)は右から入口がある土間、表ノ間、仏間、奥ノ間が並ぶ

★建物の南端に入口がある土間があり、表側は北に向かって表ノ間、仏間、奥ノ間が並んでいる。 正面軒下には、土間と表ノ間の間と表ノ間と仏間の間に仕切り壁を設けていて格式を感じさせる。 表ノ間には式台があり、縁側がある仏間と縁前に沓脱石が置かれた奥ノ間の縁床下に換気口を設けている。
土壁と下見板張りの腰壁の土間側から建物の後方に回る。 裏側は土間から北に向って居間、中ノ間そして納戸が並ぶ。 土間と居間の軒先だけを長く延ばしているので、中ノ間と納戸の軒先を切り落としたような造り。 中ノ間と納戸の上の中二階が女中部屋になっていて、軒下に小さな窓がある。

△表面(西面)の土間部分の壁は白い土壁と腰壁は下見板張り

△一間半の式台がある表ノ間

△縁側がある仏間と奥ノ間....縁床下に換気口を設けている

△縁前に沓脱台が置かれた奥ノ間/仏間だが仏壇が設置された場所は不明

△主屋の北側面(左)は土壁と下見板張りの腰壁....庇を設けた突出部は大小便所

△主屋の北側側(便所側) (「小池邸解体移築工事報告書」より拝借)

△主屋の南側面....土壁と下見板張りの腰壁

△主屋の裏側(東面)....左の苔生した庇の部分は物入....土間と居間の軒は表側より長く延ばしている

△主屋の裏側(東面)....左の苔生した庇の部分は物入....土間と居間

△腰高明障子が入った所は居間....居間の右端から屋根の軒先を切り落とした造り

△軒先を切り落とし庇を設けた部分は中ノ間と納戸....内縁に格子雨戸、上の窓は中二階で女中部屋

△格子雨戸前に沓脱石が置かれていてここから出入りできたようだ










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