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何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

萬福寺-(2) (宇治)

2016年06月21日 | 寺社巡り-京都

【京都・宇治市】伽藍の配置、建築様式そして仏像もすべて中国明代末の形式を取り入れ、創建当初の姿をそのまま今日に伝える代表的な禅宗伽藍建築群。 盛時には塔頭33院を有したが、明治維新以降は19院に。 また、創建以来臨済宗に属していたが、明治七年(1874)に独立して黄檗宗を称した。 13世までの住持は、全て中国僧が務めた。
隠元禅師は独特の威儀を持ち、禅と様々な教えを併せる「禅浄双修」の念仏禅や「禅蜜双修」の陀羅尼禅を特徴とする「明禅」を伝えた。 明朝様式を取り入れた禅寺の伽藍配置で、三門、天王殿、大雄宝殿、法堂が一直線上に並び、左右に鼓鐘楼、祖師堂、禅堂、庫裡などの諸堂が建ち、創建当時の姿そのままを今日に伝える。

天王殿では太鼓腹の布袋尊像が笑顔で迎えてくれた。 布袋尊は弥勒菩薩の化身とされ、中国の禅寺では殆んどこの像容で祀られているが、日本で拝観する弥勒菩薩像とはイメージがまったく異なる。 天王殿には布袋尊像の他に、韋駄天像や四天王像が鎮座していてまさに中国の禅寺を訪問している感覚になる。
天王殿から大雄宝殿までの境内の左側には、基壇上に廻廊で繋がる鼓楼、祖師堂、禅堂が整然と建ち並ぶ。 祖師堂の菩提達磨大師像を参拝した後、禅堂前を通って大雄宝殿に向かうと、禅堂前の廻廊に「座禅中 お静かに」の立札、そして堂入口に「止静」の札が下がっていた。
最大の伽藍である大雄宝殿に入ると、正面の須弥壇に古舟形光の挙身光を背負った金ピカの釈迦如来立像と脇持が鎮座、その左右に十六羅漢像が安置され釈迦如来像を見守っている。 また、殿内には獅子像とみられる動物の背に坐す隠元禅師像が置かれているが、禅師のお姿を拝していると、渡来前に住持を務めていた中国の古刹・黄檗山萬福寺を訪問した当時を懐かしく思い起こされた。

天王殿境内..正面奥に天王殿が建つ

天王殿境内に鎮座する切妻造桟瓦葺の鎮守社..笠木が黒い朱塗りの明神鳥居
 
菩提樹(樹高12mで宇治市名木百選)..「開山大師帯来菩提樹」の石標が立つ/天王殿境内に建つ宝篋印塔..江戸時代享保二十年(1735)造立で、隅飾突起が大きく反りかえり、塔身に四方仏が彫られている

入母屋造本瓦葺の天王殿..カラフルな「都七福神」の幟が立つ

天王殿の中央に鎮座する布袋尊像(弥勒菩薩の化身)
 
天王殿の中央に鎮座する布袋尊像..弥勒菩薩は56億7000万年後に現世に下生し、如来となって衆生を済度する

布袋尊像と仏土を守護する四天王像が周囲を固めている

四天王の増長天像(左)と多聞天像(右)
  
四天王の広目天像       四天王の持国天像      布袋尊像と背中合わせで鎮座する韋駄天像

窟門の中に聯燈堂が建つ..窟門沿いの奥に「茶禅」の額が掛かる宝形造り御堂売茶堂

入母屋造桟瓦葺の聯燈堂

大雄宝殿に向かって左側の基壇上に並び建つ、奥から鼓楼、祖師殿、禅堂

基壇上に建つ入母屋造本瓦葺で裳腰を設けた鼓楼..右奥に祖師堂、禅堂が連なる

鼓楼の右隣に建つ入母屋造本瓦葺の祖師堂
 
祖師堂の中央に鎮座する菩提達磨大師像..達磨大師は釈尊から28代目で、インドから中国に渡って禅を伝えた禅宗の初祖

祖師堂の右隣の禅堂..廻廊に「座禅中 お静かに」の立札が立つ
 
入母屋造本瓦葺の禅堂/禅堂に「選仏場」の額が掲げられている..入り口に「止静」の札が下がる

大雄宝殿境内と本堂の大雄宝殿

入母屋造本瓦葺で正面五間、側面六間の大雄宝殿で裳腰を設けた禅宗様建築

基壇上に建つ大雄宝殿(本堂)は日本で唯一最大のチーク材を使った建物..殿前に少し低くて広い基壇が
 
大雄宝殿の正面脇間の丸窓などは中国風の様式/大雄宝殿前の2基の石燈籠..笠の上に大きな宝珠(宝珠、請花、露盤)が乗る

下層の屋根は身舎に付けられた裳階..正面1間は吹き放しの縁..上層の軒下の組物は四手先か?

大雄宝殿には釈迦牟尼仏、脇侍の迦葉&阿難二尊者、十六羅漢像を安置している

須弥壇に鎮座する本尊の釈迦牟尼仏と脇侍の迦葉&阿難二尊者
 
釈迦牟尼仏像..右手に施無畏印、左手に与願印を結んで蓮華座に結跏趺坐/獅子像(と思う)の背に坐る隠元禅師像

大雄宝殿内の両側に整然と鎮座する十六羅漢像..手前は第一尊者の賓頭盧尊像
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