よかど!鹿児島

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ものづくりへの執念/どうなる日本経済(124)

2011-04-11 08:20:40 | どうなる日本経済

東日本大震災地での再起への確かな動き

204年の歴史を誇る老舗醤油店のものづくりへの執念

今回の東北の大震災から1か月が経った。

今だその被害の全貌ははっきりしない未曽有の大震災だ。ただ、大きな悲しみの中で、新たな一歩を踏み出す動きが確実に出てきている。この大災害に屈しない日本企業のそれを支える日本人の底力が感じられる。

岩手県陸前高田市にあった味噌や醤油を製造する八木澤商店。同店は1807年創業、204年の歴史を誇る老舗企業である。今回の大災害で3階建ての工場を残して、加工場がきれいさっぱりなくなった。致命的なことには酵母菌や乳酸菌の入ったスギ樽が流された。

被災当時、8代目の社長は、東京出張中で難を逃れたが、一度はすべてをあきらめたが、行方不明の1人の従業員を除き、その他の従業員と家族は、これまでの繰り返し実施していた避難訓練のおかげで、無事だった。 幸いに2台のトラックが無事だったために、これを使い陸前高田市内で支援物資の配送を始めながら、本業の再建に着手している。

まずは、自社内での醤油造りは不可能なために、親しい他の醤油屋のOEMを受け、八木澤ブランドで醤油を売る段取りをつけ、内定の新入社員2人も予定通り採用、1人の従業員も解雇しない。街中に転がっているスギ樽から酵母菌や乳酸菌などの微生物を採取するための大学との連携を始めている。

かつての味を取り戻すためには長い年月がかかるとのことだが、「微生物があれば、八木澤の味を取り戻せる。それまでは、何としても暖簾と雇用を守る。」、というこの八木澤の不屈の姿勢が、不屈の国、日本の象徴的なものではないだろうか。

テレビで見た若きリーダー八木澤新社長は明るかった。そして、前向きに走り出し、その視点はあくまで先を展望しており、それを支える日本全国のユーザーの応援が、その支えになっており、それに応えるために必ず再建しますと語っていた。

この日本のものづくり企業、これを支える不屈の人々がいる限り、日本は必ず立ち上がる。再興するとの思いを持ったのは、私一人だけではないと思う。

             

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