魚の食べ方で性格が分かるらしい。爺は、若い頃から家内や仲間から魚の食べ方が下手だと言われている。幼い頃から周りの人が骨を取ってくれて、身の部分だけを食べていたためかも。
魚の食べ方の下手な人は、無謀なことも、乱暴なこともしない温厚な性格の反面、相当の面倒くさがり屋ということも考えられると言う。爺も魚の食べ方に限ってはそうかも知れない。
食べ方の上手な人は、アブラがのった縁側の美味しいところを、口の中で舌を使って小骨と身をより分けて味わっている。食べ終わった皿の中央には背骨が置かれ、小骨が寄り添っている。
食べ方は下手だが魚なら何でも好きな爺、特にニシンが大好物だが、取り立ての生にしんには暫くお目にかかっていない。魚のお頭のほうは家内に任せ、爺は食べやすい尻尾のほうをいただく。