けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

中国の「罠にはまった」ことに気がついているのか?

2012-09-22 23:20:37 | 政治
何とも不可解な状況である。ここ数実、急速に中国の態度が軟化してきている状況のことである。

先日も、中国が急速に日本に対して強硬な態度をとるようになったのは習近平国家副主席が主導したとの記事があった。それと前後し、パネッタ米国防長官と習近平氏が会談し、尖閣国有化を「茶番」と非難したり、尖閣は日米同盟の対象であるとする米国の介入に釘を刺すなど、表立った行動を繰り返し既に習近平氏が権力を半ば掌握したことを誇示しようとしているように見えた。実際、反日デモのデモ隊には金を配ってバスで送迎しながらデモに導いていたし、中国の漁師の月収が4万円に満たないところを、尖閣に船を出せば尖閣までの燃料代片道分として120万円以上を提供すると先導し、700隻近い船を尖閣周辺まで引き連れ、号令とともに一斉に尖閣に攻め入るぞと日本政府にブラフをかけたりもした。

一方で、中国ASEAN博覧会に習近平氏が出席した際には「周辺国との領土や領海、海洋権益をめぐる争いを平和的に解決する」「中国は永遠に覇権を唱えない」(これまでは休みなく覇権を唱え続けていたのによく言えたもんだが・・・)とも述べたとも伝えられ、柔軟路線に舵を切ったとも言われた。勿論、税関の遅れなどの様々な制裁らしきものは色々見えてくるので、全面的な動きではないが、領海内に侵入してくる漁船はいないし、政府筋からの過激なトーンの対日批判も徐々に影を潜めてきている感はある。
単純に考えて、胡錦涛国家主席と習近平副主席は国家主席移譲後の中央軍事委員会主席の座をめぐり、駆け引きを繰り返しているはずである。江沢民前国家主席は2年間も中央軍事委員会主席の地位の移譲はせずに権力を握り続けたのだから、軍を睨みながら実質的なポスト以上に実行的な全権掌握を気にするのだろう。軍からは、相変わらず威勢の良い発言が連発しているから、常識的に見れば、軍からの支持を取り付けるために習近平氏が強硬な路線を進めていたのは予想できる。

しかし、そのような中で中国が急に鉾を収めるとすれば、必ず何か裏があると考えざるを得ない。私が恐れているのは、野田総理、玄葉外相、外務省の官僚などの何れかが大幅な譲歩と引き換えに、中国側の「ひと休み」をお願いしたのではないかということである。

先日のAPECでも、野田総理、玄葉外相はひたすら低姿勢で、石原都知事などの強硬派の動きを封じるために苦し紛れに国有化したのだと説明したという。如何にも、「お許しを請う」的な発言で、「あなたを怒らせないために、私はこんなに努力をしているのです」という雰囲気が漂う。ひょっとすれば野田総理は、「中国側がここまで日本が低姿勢で出てくることでいい気分になり、『しょうがない、許してやろうか!』と言ってくれるのではないか?もしそう言ってくれれば、結果として国有化した日本の方がボロ儲け!」と楽観していたのではないか?裏で糸を引いたのは、岡田副総理あたりである可能性が高い。自民党内でも、おぼっちゃまの石原幹事長が総裁選の討論で、「政府は本気で中国に国有化する理由を説明しようとしたのか?」と言っていたが、これこそまさに民主党の外交政策をコピーしたかのような主張である。当然、当てが外れて泡を食って、慌てて藁をもすがる思いで中国の罠に乗ってしまった可能性がある。

この「罠にはまった」というのは多分間違いないのだろうが、ではその罠が何かという話は、相当、万馬券的な勝手な予想をさせてもらう。それは、玄葉外相が閣議後にインタビューに答えて言っていたが、尖閣に関連して国際司法裁判所への提訴をしないという判断ではないかと思う。何故なら、ここで国際司法裁判所へ提訴されて一番困るのは中国だからである。中国の狙いは南シナ海の様に、国際司法裁判所で争うよりも前に実効的に占領し、占有の実績を作ることなのである。それが裁判などしようものなら、一発で自国の主張の正当性を失うことになる。それは南シナ海にも飛び火し、結果的に太平洋での覇権を失うことに繋がる。トウ小平ではないが、棚上げ論を日本に承認させ、一方で徐々に尖閣への日本の影響力を排除し、何処かで中国が実効支配したところで一気に軍を投入するという作戦だろう。

繰り返すが、その罠に引っかかることへの見返りは、中国側の「ひと休み」なのである。自民党総裁に立候補した林芳正氏は、「細かいことを小出しにするから何度も何度も揉めるのである。どうせなら1度で争いは済ませた方が良いから、やるなら中途半端なことはせずきっちりとやるべきことをやり、以降は当分揉めずに済むようにした方が良い」といったニュアンスの発言をしていたが、多分、これは的を得ている発言だろう。

このまま棚上げを続ければ、そのうちに海軍力のバランスも崩れ、中国側が優位に立った時点で本当に「軍事衝突」と「尖閣の放棄」を天秤にかけなければならない時が来るかも知れない。その次には「沖縄の放棄(本島の前に、米軍基地のない離島が対象だろうが)」を迫り、エンドレスに何処までも危機は続く。弱腰を続ければ、(冗談の様に聞こえるが)韓国も対馬を取りに来るかも知れない。

まずは「罠にはまった」と気づくべきである。そして、気づいたらその真逆を行くのである。だから、次の自民党政権には本気で国際司法裁判所への提訴を検討して欲しい。

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