けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

湾岸戦争とGo Toトラベルキャンペーン

2020-07-20 22:15:55 | 政治
なんとも意味不明なタイトルであるが、非常に重要な点で類似しているので、このタイトルでコメントしてみたい。少しタイミングを逸してしまったが、Go Toトラベルキャンペーンのことである。世間一般では、Go Toトラベルキャンペーンの強硬が日本を地獄に導くと、悪の権化の様な論評で、だから安部総理は駄目だとアベノセイダーズの人々は大喜びである。しかし、本当にそうだろうか?この議論を見ていて、私は湾岸戦争を思い出した。以下に順番に説明する。

1990年代の初頭、イラクが突然クエートに進行した。いわゆる湾岸戦争である。アメリカを筆頭とする多国籍軍がイラクを叩き、しばらくして戦争は終結した。この時米軍は、いわゆるハイテク兵器を導入した。ターゲットを正確に定め、そこにミサイルを正確に誘導する。そしてその映像はテレビで繰り返し流された。私を含め多くの人は、「戦争は悪だが、先に手を出したイラクを叩くために、敵の軍隊を正確に選択的に攻撃するこの戦争は、絶対的に正義である」と感じたはずだ。

しかし、その戦争が続く間、意味不明なニュースに直面することになる。それは、米軍の攻撃が多くの民間施設を破壊したというニュースである。私には意味が分からず、多分、イラク側からのプロパガンダニュースかと思った。しかしよくよく考えると、イラク側は戦争が始まっても米国のジャーナリストを排除することなく、CNNなどのニュースで普通に戦場の映像が生中継されていたので、その場に行けば誤爆か誤爆でないかは容易に分かるはずだった。なので、米軍が派手に民間施設を誤爆しているのは間違いなかった。それでも「たまにはヒューマンエラーで誤爆もあるだろう」と何となく納得し、そんなもんだよと納得しかかっていた。しかし、あまりに頻繁に流れる誤爆のニュースから、どうもなにかおかしいと感じ始めた頃、その謎解きのようなニュースが流れた。曰く、「米軍のハイテク兵器の割合は、ほんの数%である」ということである。米軍は意図して自分の都合のよい情報を流すのだが、それにつられてその情報を真に受けると、実は本質を見失うということの象徴的出来事であった。確かに、米軍は嘘をついた訳ではない。しかし、真実を理解するのに適した情報を流している訳でもない。ジャーナリズムを自称するなら、深い洞察により真実を見抜き、視聴者をミスリードする情報を報道しないように心掛けなければならない。一見、視聴率が取れそうなコンテンツがそこにあっても、それに流されるようではジャーナリスト失格である。湾岸戦争に限らず、その様な事態を我々は何度も経験しているのである。

このように書いていると、現在のコロナの状況に酷似していないか?と感じる。具体的には、感染者数を毎日のようにショッキングに報道しまくるが、この感染者数の報道というのは、言わば湾岸戦争におけるハイテク兵器報道に似ている。例えば、湾岸戦争に関して言えば、米軍の作戦行動の妥当性評価の指標は、「どれだけ高性能な兵器を所有しているか」ではなく、「誤爆により、どれだけの民間人に犠牲者が出ているか」なはずである。であればコロナの場合はどうなのか?ワイドショーのキャスターが「何を基準にどう判断すれば良いのか?」とコメンテータに問うているが、その基準とは少なくとも感染者数でないことは明らかだ。検査数を変えれば、現状は全く変わらなくても、幾らでも異なる数字を導くことはできるのだから。分かり易い記事はこの記事だろう。

【話題】『これこれ。これが知りたかったんですよ』

見るからに、現状をミスリードしている証拠がここにある。にもかかわらず、その他の指標を無視して、一転突破で「感染者数」にこだわるのは、僅か数%のハイテク兵器に踊らされる状況に酷似している。

とすれば、感染者数に代わる適切な指標、評価関数は何であろうか?この適切な指標を誤ると、間違った結論に容易に誘導されることになるので注意が必要だ。私も当初、重要なのは「コロナによる死者を最小化すること」かと思ったが、実はそれも正解ではない。多分、「コロナによる超過死亡数を最小化する」が正しい指標である。不況になると、目に見えて自殺者数が増大する。経済を止めて、究極の不況を導くと、それによる自殺者数が増大するのは目に見えている。それを無視して、「自殺者が増えてもいいから、コロナ死者だけを最小化する」というのは、政策的には最悪である。一方で、自殺者が減ってもコロナでの死亡者が激増しては意味がない。死亡者の数はその原因に関係なく尊い命の損失なわけで、コロナも自殺も区別がない。なので、感染者数増大の報道に騙されず、冷静に超過死亡者数の最小化を図るかが鍵なのである。しかし、この様な視点での議論はマスコミのなかでは殆ど聞くことがない。

ここで問題なのは、一見、「てーへんだ、てーへんだ!!」と大声を上げることは、必ずしも悪意があってやっている訳でもなく、多くの場合は善意でやっていることが多いのかもしれない。マスク警察や自粛警察なども、本人に言わせれば善意から来る行動であろう。しかし、それらは決して許されるものではない。であれば、経済を強制的に止め、自殺者数を増大させる方向に誘導する議論も、言わばマスク警察、自粛警察と似たようなものである。ましてや、反政府的なプロパガンダにこれを利用するという悪意のある、マスコミ主導の逆プロパガンダ等は絶対に許されるべきではない。言論の自由という隠れ蓑で国民の命を貶める行為は、いつの日か検証されてしかるべきであろう。

なお、このコロナ問題というのは世界中で正解がいまだに見つかっていない問題である。なので、政府が正解を示さないことを責めるのは筋違いである。多分、政府側は今回の本質に気がついているのだと思う。以下に、私が良く参考にしている永江一石さんの記事に詳しく書かれているが、現在のコロナウイルスは武漢型、イタリア/スペイン型に比べて感染力が増大しているようだが、一般に感染力とウイルスの毒性は反比例していて、現在のウイルスは当初のような危険性を伴っていないようである。さらに言えば、PCR検査では献体から5個のウイルスを検出すると陽性と判定するが、実際には100位の数にならないと発症しないとのこと。ある程度のウイルスの数までは自分の免疫力で退治できるので、陽性の閾値5個という検査はかなりバランスの崩れた検査になっているようだ。例えて言うなら、漁業で鰹や鯵を捕まえるのに1mm以下の網目の網を使うようなもので、プランクトンから漂うゴミ、海草まで全部ごっちゃで捕らえてしまうオーバースペックの網を使うといったところか。肝心の大型の魚は水揚げする前に逃げてしまい、漁業というビジネスのために役に立っていない網と言っても良いだろう。現在のPCR検査もこんなところだろうか?膨大な死者を出すインフルエンザも、発熱しない人まで含めて厳密な検査をすると、無症状の陽性者がかなりの数出るそうだが、その様な人を見つけてインフルエンザで大騒ぎなどしたりはしない。コロナだけが特別の扱いなのである。

また、辛坊治郎氏(ニッポン放送の「ズームそこまで言うか」など)も指摘しているが、現在はワクチンや特効薬がない一方で、対処療法的な治療法は確立されているようだ。なので、早期の適切な対処で重篤化を回避でき、致死率はぐんぐん下がっている。冷静に見て、特効薬のある普通のインフルエンザと比較して、とても特別扱いすべき病気のようには見えない。

これらの要因が相まって、世界的に重症者数は目に見えて減少しているというのが現実で、だからこそ諸外国は、日本の何十倍もの死者を出しながらも、経済の再起動に舵を切っているのである。死者数がけた違いに少ない日本だけが、感染者数だけで大騒ぎしているのは明らかに世の中の動向を無視したお祭り騒ぎである。

なお、Go Toトラベルキャンペーンの開始タイミングは、丁度、梅雨明けのタイミングに重なり、紫外線が三々と降りしきる状況に重なる。秋になるとまた感染者数が増大する局面に入るかも知れないが、このタイミングは相対的にコロナのリスクが最小化されるタイミングである。なので、「やるなら今しかない!」というのが本音であろう。

この様に書くと、「ならば政府は堂々とそれを説明すればよいだろ!」と思う人がいるかも知れない。しかし、国民全員が一斉に気を抜くのは良くない。マスクもしなければ、想定以上の感染に拡大するリスクもある。ある程度は国民を脅しながら、細心の注意をしながらのGo Toキャンペーンというのが、如何にも日本的なバランスの取れたwithコロナの生き方なのだと思う。

この様に、現在のGo Toトラベルの議論は、国民をミスリードする情報に溢れている。湾岸戦争の後では、ミスリードを試みた米軍を批難する者も多くいたが、今回、ミスリードを煽ったマスコミの中に謙虚に自分の行動を省みるメディアがいったいどれだけいるかと考えると、マスメディアというものは、なんと罪深いものかと思わざるを得ない。

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