けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

小池都知事の最大の敗因は勢いで「政権選択選挙」と言ってしまったことである

2017-10-30 23:00:51 | 政治
選挙が終わって1週間が経った。テレビでは、旧民進党出身の希望の党で比例復活した面々が小池切りを画策している。テレビのコメンテータは「見苦しい」と糾弾するが、当の本人たちは何故か「自分たちは正しい」と思っているようで、「堂々とさえしていれば見かけ上は正義を貫いているように見えるはずだ」とばかりに過剰に胸を張る。まあ、その様なパッパラ系の人は相手にしないでほったらかしにしておけば良いのだが、そうは言っても気になる人物が一人だけいる。小池都知事である。

彼女は一体、今回の選挙で何を狙っていたのだろうか?何故、失敗してしまったのだろうか?その辺を少し考えてみたいと思った。

まず、多くの人の同意が得られているのは、希望の党のピークは解散当日の9月28日だったということ。この日を境に、翌日から坂を転げ落ち始めていく。29日には例の「排除します」「サラサラ・・・」という発言が飛び出し、それが致命的だったといわれているが、それは少しおかしな話だと思う。私の答えは、小池都知事の最大の失敗は、9月25日の希望の党立ち上げの記者会見で、「政権選択選挙」と言ってしまったことが最大の敗因だったと分析している。

その理由を順番に説明したい。まず、「政権選択選挙」というのであれば、小池都知事の目論見は少なくとも選挙後の政界再編を含めて、過半数の勢力を手中に収めることでなければならない。必然的に、この場合には民進党の議員を多数取り込まなければ帳尻が合わない。自前の候補者を大量につぎ込み、それでも足りないところには前回の選挙で落選した民進党の議員を当てはめ、それらの人が大量当選しなければ数合わせができない。仮に、石破茂の謀反を引き出すにしても、彼に同調する議員が30名、公明党を味方につけたとして30名を加算して過半数を超える人数でなければ、石破茂の謀反を引き出すことは出来ない。だとすると、希望の党だけで170名以上の議席を確保するのが必須となる。しかし、かつて自社さ連立政権というものがかってあったが、そのガラス細工の様な政権のもろさを間近に見ていたのだから、政策としての一致がある程度見込める議員でないと後々裏目に出ることになるので、民進党の丸のみという訳にはいかない。必然的に、170名という数には遠く及ばないというのが常識的な路線であったはずである。これは、多分、小池都知事も理解していたはずである。

では、本当は何をしたかったのか?

多分、答えは前回の自民の議席から80議席程度を引きはがし、その議席を手中に収めてギリギリ自公の過半数割れに追い込めば、自公との連立政権が期待できるようになる。その際、安倍総理は失脚して小池氏に近い石破氏が自民を掌握しているだろうから、小池氏としては様々なことができるようになる。仮に小池氏が都知事の職にあっても、はたまた都知事を辞職して国政に打って出ても、いずれにしても小池氏の意に沿わない政策は国政では通らなくなるから、実質的には影の総理として君臨することが可能になる。現実的なシナリオの中では、やはりこの程度のシナリオしか小池氏には勝算がなかったはずである。

選挙戦のさなか、若狭氏が、「次の次」と言って顰蹙を買ったが、私の理解では、小池氏と若狭氏との間では公然と「次の次」という話をしていたのではないかと思う。そうでなければ若狭氏が軽はずみに「次の次」と言うはずがない。しかし、小池氏は記者会見をするにあたり、「次の次」では如何にも迫力に欠けるから「政権選択選挙」と言ってしまった。言ってしまった以上、それが嘘でないためには最低でも170議席を取る体制を整える必要が出てきて、それで前原民進党代表との協議で色気づいた話をせざるを得なかったのだろう。しかし、まかり間違って170議席を取ってしまうのであれば、小池氏が国政に打って出ないとその議員たちをとても掌握などできない。「政権選択選挙」との嘘を取り繕うためには国政に討って出なければならないが、仮に打って出て本当に政権を奪取してしまったとしても、その先の展望が全く見えない。烏合の種の寄せ集めの衆院と、過半を持たない参院を組み合わせても、北朝鮮問題などの難問に直面した中では、全くもって展望など開けないのだから・・・。

そんなジレンマに駆られている最中、排除します発言や都政への不満がマスコミの格好の攻撃材料になってしまい、総攻撃を食らう羽目になってしまった。

彼女は風を吹かせるのが得意だが、実際のところはその吹かした風が強すぎて押し出されてしまい、本来狙っていた落としどころを超えたところを狙わざるを得ない状況に追いやられてしまった。思い返せば、石破氏は自民にいながら自民の足を引っ張るような発言が多かったし、小池氏と石破氏の間ではそれなりの密約があって準備を進めていたのかも知れない。しかし、あまりの急展開で短時間の判断を迫られ、結果、勢いで「政権選択選挙」と言ってしまったのだろう。

多分、反安倍色を表に出し、自民党政権を葬り去るのではなく安倍首相を引きずり落とすことだけを前面に出していれば、民進党の中の政策的に協調可能な一部の勢力を取り込むことに成功し、野党第一頭に躍り出ることは可能であったろう。安倍嫌いのマスコミならば、敵の敵は味方とばかりに応援してくれるだろうし、都知事との二足のわらじでも攻撃などしなかっただろう。民進党の議員が大挙して雪崩れ込むこともなかっただろうし、希望の党の乗っ取りなどを狙われる心配もなかった。

政治家は、はったりをかましてナンボのモノと思われていたが、今回のケースははったりが命取りになった良い例なのだろう。


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策士は策に溺れ、能ある鷹は爪を隠す!

2017-10-09 19:19:07 | 政治
明日から選挙戦が始まるので、その前に思ったことを書きを残しておこうと思う。

まず、民進党から希望の党に移った元民主党議員に何処かで会うような機会があった時のツッコミについてである。

言いたいことは、「あんた、恥ずかしくないのか?政治家のくせに政策的な主義主張よりも自己保身を優先するなんて!」ということだが、彼らは彼らなりの言い訳を考えているのだろうから、二の矢、三の矢で突っ込まなければならない。

例えば、「2年前とは状況が変わった。今の北朝鮮情勢のもとでは、日米安保をより強固にせざるを得ないので、それで現実的な路線に切り替えた。」と彼らは答えるかも知れない。であるならば聞いてみたい。「あなたは、2年前に『たかだか2年先のこと』を予想できなかったのか? 」と・・・。すると彼らは答えるだろう。「北朝鮮がこの様な状況になるなど読める訳がない。」と。

であれば、こう答えれば良い。「安倍総理や自民党は、遅かれ早かれ、この様な事態が訪れることなど予想できていた。というよりも、我々が本当に恐れるべきは北朝鮮ではない。中国の覇権争いである。中国が第1列島線を越えてきたとき、本当の意味での日米安保が試される。真の意味で安全保障法制が求められるのは、北朝鮮危機よりもその先である。たかだか、この程度のことも予測できなかったというのであれば、あなたの目、あなたの所属していた民進党の目は節穴だったと言える。仮に、節穴ではなく『そこまで予測することは出来ない』というのであれば、如何に安倍総理に先見の明があるかは明らかだ。にも拘らず、安倍降ろしに明け暮れるあなた方の政治姿勢は、日本を滅亡に向かわせる行動そのものではないか!」・・・と。

ないしは、彼らはこの様に言い訳をするかも知れない。「我々は、政策的な変更をしてはいない。今回、希望の党が求めた政策協定では、安保法制に対し是々非々で現実に即して変えていくことに賛同したに過ぎない。であるから、2年前の行動とは決して矛盾していない。」・・・と。

であるなら、こう聞いてみたい。「あなた方は、あの安保法制のことを『憲法違反!』だと言った。憲法違反の法律をどの様に変えると憲法違反でなくなると言うのか。また、あなた方は『戦争法案!』だとも言った。戦争をするための法案とまで言う恐ろしい法案は、ちょこっと書き換えただけで平和法案になるのか?仮にその程度の差でしかないのなら、何故、あの時、その修正提案をしなかったのか。あなた方はゼロリセットしなければならない程の悪法だから『戦争法案!』と言っていたはずだ!であれば、現実に即した修正で対応できる訳がないのだから、『今、政策を変えたのに変えてないと嘘を言っている』か、ないしは『あの時、戦争法案でない現実的法案のことを嘘をついて戦争法案だと囃し立てていた』のかのいずれかだ。いずれにしても、あなた方は嘘つきであることに違いはない。」・・・と。

また、この様に彼らを追い込むと、彼らは常套手段の議論のすり替えに走るのが目に見えている。自民党との最大の差分は消費増税反対(ないしは凍結)であり、彼らは安倍総理(及び自民党)に対し「消費増税などしたら、日本経済は再びデフレに舞い戻ることになる。自民党の政策は間違っている。」と主張するかも知れない。

であれば、こう答えれば良い。「あなた方、本当に安倍総理の発言を注意深く聞いていたのか?安倍総理は消費増税を凍結するつもりなのに、そんなこともあなた方は分からないのか?安倍総理は『また、リーマンショック級の経済危機が訪れない限り・・・』の条件付きで消費増税を訴えた。あなた方、増税を判断すべき1年後までに、その様な事態が起きないとでも思っているのか?多分、11月以降に北朝鮮危機は深刻化する。シナリオは二つ。アメリカと北朝鮮の戦争が起きるか、その前に金正恩がロシア経由で亡命するかである。前者は確実にリーマンショック級の経済危機に繋がり、後者であっても膨大な数の北朝鮮難民が拡散し、それに準ずる経済危機となる。その状況で消費税を凍結しても誰も否定する者などいない。財務省ですらそうであろう。だから、たかだか1年で状況が変わるのに、ハレーションの大きな消費税凍結に触れなかっただけだ。現在の状況を2年前に見切っていた安倍総理が、この先1年を先読みするなど容易な話だ。だから、5月に憲法9条の加憲発言もした。これから国民のために死に行くかも知れない自衛隊員に対し、憲法違反の汚名を着せて戦わせる訳にはいかない。憲法改正までは間に合わないかも知れないが、自衛隊が合憲という国民のコンセンサスだけはまとめ上げたい・・・という気持ちがあの様な行動を安倍総理にさせた。その返り血が、朝日、毎日新聞の加計問題キャンペーンである。何一つ違法性が示されない中で、印象操作だけであそこまで安倍政権にダメージを加えた。しかし、それでも自己保身の為でなく、国民のために信念を曲げずに戦っている。それなのに、あなた方は何なのだ!恥ずかしくないのか!」・・・と。

結局、来年の12月までの間で選挙ができるのは、この一瞬、ワンポイントのこの一瞬しかなかったのである。良いか悪いかではなく、そこにしか選択肢がないことを安倍総理は見切っていたのである。

結果的に、小池都知事はスケジュールを変更して慌ただしく動かなければならなくなった。明日、いきなり都知事を辞職して衆院選に立候補する可能性もなくはないが、仮に解散が確定した9月25日の時点で衆院選への立候補を決断していれば、50億ともいわれる都知事選の費用を衆院選とのダブル選挙とすることで埋め合わせることができたはずである。たかだか、サプライズのために明日まで引き延ばしたとすれば、小池氏の私利私欲のために都民の血税50億が無駄になったと責められる。これは、東京選挙区では致命的な痛手となる。ここまで来ると、小池都知事の出馬は相当な諸刃の剣となり、逆風を巻き起こすことに繋がる。衆院選が終われば、野党第一頭になるであろう希望の党のガバナンスが問われる。党役員の透明性が問われ、多数決をすれば旧民進党議員にかなうわけがない。小池氏が衆院議員になれば分からないが、党の重要ポストは民進党議員に独占されることは目に見えている。若狭議員や細野議員の発言権など無いに等しい。この様な展開から見ても、小池都知事はテレビ的には攻勢をかけている様に見せながらも、実際には守勢に回っていたことになる。

小池都知事の奇をてらった勝負と、前原氏の捨て身の選択で政局が混沌としたため、政局の行方は不透明なままである。しかし、全体が3極化して大手メディアが小池都知事に反旗を翻した結果、政権与党で過半数の安倍総理の勝敗ラインはクリアできる公算は高まっている。ここで、仮に多くの議席を自民が失ったとしても、改憲勢力が衆参で2/3を超えるのはまず確実な情勢である。これは、自民の議席数を引き換えにするとしても、安倍自民党にとっては大いなる一歩になるはずである。

小池都知事は「策士、策に溺れる」であったようだが、安倍総理は「能ある鷹は爪を隠す」ということらしい。

答えが出るのは2週間後である。


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