けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

もしかして歴史的転換点かもしれない?

2017-09-12 22:24:03 | 政治
半年ほどブログを書けなかったが、今日は非常に興味深い展開に、ブログを書いてみようという気持ちになった。もちろん、北朝鮮情勢についてである。

少し遡って昨日のことを思い出すと、私は今日、北朝鮮が取り返しのつかない何かを仕掛けてくることを本気で恐れていた。というのは、今日はアメリカ時間で9月11日。そう、「9.11」、その日である。最もアメリカ人が敏感に反応する日だから、北朝鮮が何かを仕掛けるには最も都合の良い日である。しかも、史上最強の国連決議を採択する予定でもあったから、仮に何らかの採択があれば、北朝鮮が何かを「仕掛けない理由がない」日となるはずであった。デッドラインはワシントン時間で9月11日中であるから、日本時間で今日のお昼を乗り切れば、少なくとも峠は越したことになる。お昼を過ぎて大きなニュースが飛び込んでこなかった時点で、私はふっと胸をなでおろした。

一方、国連決議の方はどうかと言えば、多くの有識者が答えるように、かなり骨抜きになった内容である。これでは意味がないではないか・・・ということなのだが、私は逆に、この展開の中でのアメリカの思惑を予想し、そのしたたかさに少し驚きを感じている状況である。

今日は、この点に関する私の考えをまとめてみたい。

まず、現状認識を確認したい。現在の状況は、確実に北朝鮮が優位な状況である。本当のところはかなり怪しいが、先日の核実験で、ブラフには十分すぎるほどの核のポテンシャルを北朝鮮が備えた可能性を全世界にアピールすることに成功した。核というのは、本当に核攻撃能力を持ったか否かはあまり重要ではない。その能力を確認することができない以上、ブラフとして有効か否かだけが重要で、既にブラフに対する有効性を否定できる者はいなくなった。ここまでくれば北朝鮮にとって核放棄の理由など何一つないから、軍事力を含まない外交的手段での決着は、「北朝鮮の核の容認」以外の選択肢がなくなったことになる。アメリカは当初はレッドラインなどを口にしていたが、現状ではずるずると後退しまくり、完全に後手に回っていることが否定できない。さらに制裁に関しても、中国とロシアが北朝鮮を完全に締め上げることに合意する訳はないから、原油の供給完全停止などに漕ぎつける可能性も相当低い。

一見すると、アメリカには一切、打つ手がない手詰まり状態に見える。

さて、今日のお話はここからである。私も、今現在のこの展開を見るまでは、すっかり北朝鮮優位でアメリカの手詰まりを確信していた。しかし、あまり同意してくれる人はいないかも知れないが、何年かして振り返った時、実はこの流れが反転した瞬間が今日であるということになりはしないかと、私は感じ始めている。その理由は以下のとおりである。

まず、アメリカの狙いについて考えてみたい。そう、アメリカにとってのベストのシナリオである。少なくとも言えることは、軍事オプションの行使はあり得ない。ソウルが一面、火の海になるリスクが大きすぎるからである。したがって、軍事衝突なしに北朝鮮の非核化のシナリオを本気で考えているはずである。では、その様な好都合なシナリオがあり得るかであるが、実は、ひとつだけその可能性が残されているのである。

それは、北朝鮮内でのクーデターである。

つまり、北朝鮮内部から金正恩を排除するという動きを誘発するのが、現時点でのアメリカが唯一、取れる選択肢であると私は考えている。逆に言えば、それ以外の選択肢は皆無である。

一方、現在、北朝鮮内部ではお祭り騒ぎ状態である。今までは下等国であったはずが、国連常任理事国の5大国と肩を並べる核保有国として、いきなりトップに躍り出たというお祭り状態になっている。だから、アメリカに対しても超挑発的なことを繰り返すし、今回の国連決議に対しても、制裁決議が採択されれば「米国が考えもしない強力な行動措置を連続的に講じる」「最後の手段も辞さない準備ができている」と表明していた。この様な強気の発言の裏側には、ロシアのプーチン大統領の発言などからも、強硬な制裁決議は採択できないだろうという読みから、過激な発言をすれば過激な発言をするほど、制裁決議がまとまらない可能性が高まると考えていたはずである。

その結果、一見、骨抜きの様な決議が採択された。

しかし・・・、である。この決議の意味を考えるとき、多くの有識者はアメリカの立場でものを考え過ぎている。本来考えるべきは、この決議を北朝鮮から見た時、どの様に考えるかである。私が金正恩をはじめ、北朝鮮の幹部連中の立場だったら、ハラワタが煮えくり返る思いで受け止めるはずである。だから、当然ながら、強烈な反撃をアメリカに即座に食らわせなければ理屈に合わない状況に陥っているはずである。何故なら、「米国が考えもしない強力な行動措置を連続的に講じる」「最後の手段も辞さない準備ができている」とまで言っているのだから、それをただ、行動に移すだけでよいはずなのだから・・・。

しかし現実は、「9.11」のその日に何も行動を起こせなかった。これは、北朝鮮にとっても、最後の手段などは最後まで取っておきたいはずであるから、当然と言えば当然である。ギリギリ、ロシアや中国が原油供給を現状維持でまとめてくれたのも、ここで一線を越えると間髪入れずに更に強硬な制裁に流れる可能性がある。ただ、あそこまで煽りまくっておきながら、決議が採択されて何も行動が起こせないのは、北朝鮮内部からすればストレスがたまる状況である。

私の予想では、アメリカの戦略はこうである。北朝鮮を挑発し、北朝鮮に過激な発言を目一杯させておきながら、それを腰砕け状態に落とし込む作戦なのだと思う。先にも述べたように、現在の北朝鮮はお祭り状態である。それが自殺行為であることは明らかなのだが、国内では「アメリカに一撃食らわせてやれ!」という雰囲気が出来上がっている。しかし実際はどうかと言えば、電磁パルス攻撃でも仕掛けかねないような雰囲気を出しておきながら、制裁決議に対して有効な反撃が何一つできないでいるのである。本気で原油の供給ストップとなれば、北朝鮮はロシアや中国に対し、「それは北朝鮮にとってのレッドラインだ!」と言わんとばかりの行動をとっても、ロシアや中国にとって納得感があったのだが、この状態でその様な行動はリスクが大きすぎて取れそうもない。しかし、実際には真綿で首を絞めるような攻撃であり、鼻で笑い飛ばせるような軽い内容でもない。アメリカはギリギリ、北朝鮮が何も暴発できない寸止めのところで、真綿で首を締める様な制裁決議に成功したのである。

今後の展開は、今回と同様に北朝鮮を挑発して北朝鮮国民をイケイケ・ドンドンにしておきながら、実際には「達磨さんが転んだ」状態で少しずつ真綿で首を絞め、日増しに経済も何もかもが好転するはずだとの北朝鮮国民の思い込みに反して、実際には日増しに息苦しくなるような展開を目指すのだと思う。

今までも全く同じ作戦をとっていたはずだが、昔と今とで最も違うのは、今現在が北朝鮮内ではお祭り状態であるということである。苦しい時には様々なことが我慢できたはずであるのに、お祭り状態になれば些細なことが我慢できなくなる。その様な中で、昔から根強く残る親中国派の勢力が、金正恩の排除に動き出すタイミングを狙っているのではないかと思う。

過去の私のブログでも書いたが、当初はアメリカも中国も張成沢をキーマンとして策を弄していたが、その策略も周永康のタレコミで失敗に終わった。今回はそのリベンジである。

半分は希望的観測ではあるが、国連決議が採択された「9.11」に北朝鮮が何もできなかったという事実は、実際には(特に北朝鮮にとって)非常に重たい現実を表したものであるのではないかと思う。

いかがだろうか?

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