けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

吉村知事のポビドンヨードうがい薬発言について

2020-08-07 00:26:47 | 政治
大阪の吉村知事が、ポビドンヨードうがい薬がコロナ対策に有効な可能性があるという発言をして、色々な立場の人々が様々なポジショントークを繰り返している。吉村知事は繰り返し注意を促しているが、ポビドンヨードうがい薬に新型コロナの予防効果があるとは言っていないし、特効薬になるなどの薬の効能を主張しているわけではない。薬事法とかの制限があり、非常に微妙な言い回しをしていて歯切れが悪い。

私が初めてこのニュースを聞いたとき、当然のことながら「吉村さん、やっちまったなぁー」と思った。しかし、昨日のひるおびに出演していた、大阪はびきの医療センターの松山晃文次世代創薬創生センター長の解説を聞いて、吉村さんの判断を評価したいと感じるようになった。今日はこの点についてコメントしたい。

まず前提として、私はバリバリの理系だが、医学や感染症関係の知識はゼロなので、感染症の専門的な話をするつもりはない。さらに言えば、昨日のひるおびでの松山センター長の説明は、全く、学術的な感染症の議論に耐え得るものではないということは確信を持って言える。つまり、彼が今回の研究結果を論文にまとめたとして、その論文が査読者によって採録される可能性はゼロだと言い切っても良いと思う。学術的には全く無意味な内容を発言したという点で、多くの医学系の専門家が拒否反応を示すのは妥当な行動だと思う。必然的に、厚生労働省が後ろ向きな反応を示すのも妥当だろう。もう少し具体的に言えば、学術的な効果を認めるにはあまりにもサンプル数が少ないし、ポビドンヨードうがい薬以外のその他の評価条件がどの様に均一化されていたかも不明である。分類分けも、ポビドンヨードうがい薬の使用/不使用以外にも、真水でのうがいの励行なども比較対象にしなかったのは、学術的な議論のレベルを確保するのに余りに無頓着で、行き当たりばったり感は相当高い。

しかし、それでも私は吉村知事の判断を評価したいと思っている。多くの人が勘違いしていると思うが、私も当初は吉村知事の発表を、ポビドンヨードうがい薬により一時的に口内のウイルスの量が減り、それを単にPCR検査で検証しただけではないかと思っていた。しかし、ひるおびでの松山センター長の説明から、学術的な裏付けはないものの、何を狙ったものであるのかを知って、それなりに納得するに至った。そのポイントは、現時点ではまだ仮説の域を出ないが、多分こういうことだろう。

曰く、通常、ウイルスの増殖というのは体の奥の細胞レベルで行われるもので、口内のウイルスを多少殺したところで、体全体のウイルス量に対しては焼け石に水レベルと考えられる。しかし、新型コロナのウイルスの増殖のメカニズムは少し違っていて、そのウイルスの増殖が最も効果的に行われるのが口内であり、故に口内のウイルス量をポビドンヨードうがい薬で低減させると、一旦、ウイルスの増殖工場を破壊する為、次にまたウイルス量が増大するまでの時間を稼げるということのようだ。もちろん、ウイルスは口内だけではなく咽頭や他の場所にもいるので、一度殲滅された口内のウイルスも、別の場所から流れ着いたウイルスにより、再度、増殖することになる。しかし、指数関数的に増殖するシステムでは、ある程度増えたところからは爆発的に短時間で激増するが、一旦少量に戻してしまうと、一定量に増加するまでには多少の時間がかかる。元々、人間には免疫力があり、且つアジア系の人の免疫メカニズムはコロナに強いと言われているぐらいだから、この一時的なウイルス量の低減は勝機をもたらすチャンスにつながる。あくまでも、口内がウイルス増殖の主要な生産工場であるという仮説が成り立つ場合であるが、僅か41人のデータが指示した傾向は、詳細に解析してみる価値がありそうだと感じさせた。

そこで、ではまだまだ学術的には無意味なデータであるのに、何故、それに意味があるのか?

それは、自宅やホテルでただただ待機するだけの人に対し、現状では何も薬が処方されることもなく放置されるのに、(臨床試験も何も求められない)極めて簡易で低コストの対処法を提供できるからである。薬の服用も何もしないのだから、どうせやることがないなら試してみる価値はある。PCR検査や特効薬、更には開発されつつあるワクチンの場合には、そのコストは目が飛び出るほど高いので、むやみやたらとやるのは無害でも推奨できない。PCR検査もウン万円単位だし、新型コロナがPCR検査の医療リソースを独占することで、他の病気の患者の検査スケジュールを遅らせるなどのデメリットも無視してはならない。しかし、単なるうがいなのだから、全くと言って良いほどデメリットがないのだ。

吉村知事が繰り返し、「ポビドンヨードうがい薬には、新型コロナの予防効果はない」と言っているが、これはコロナ陰性者が定常的にポビドンヨードうがい薬を常用する場合の副作用を意識してのことだろう。あくまでも、コロナ陽性者の自宅ないしはホテルでの療養中の患者に限定すれば、期間が短いので副作用は無視して良いだろう。さらには、病院に入院中の患者の場合でも、ポビドンヨードうがい薬によるうがいができる程度の患者さんにうがいを実施させれば、医療関係者への感染のリスクも低減可能である。ついでに言えば、帰省やGoToトラベル期間に限定して一般の人が利用すれば、スポット的に旅行中の感染拡大の抑止(誰かにうつすことを予防する)にも使えるかも知れない。活用の仕方は様々考えられ得る。

なので、変な言い方をすれば、今回のケースは「ZOZO前社長の前澤氏が、街中で(個人情報の登録もなしに)当たると100万円の宝くじを無料で配っていたら、あなたはその宝くじを受け取りますか?」と聞くようなものだと思っている。多分、本当に当たれば実際にお金を受け取れる可能性は高い。一方で、外れても何も失うものはない。個人情報も洩れない。「あんな宝くじ配るなんて、ばっかじゃねーの!」と言って通り過ぎるのは勝手だが、宝くじを受け取った人や、友達に宝くじを配っていることを知らせている人を馬鹿にするような話でもない。外れたら、「やっぱねー。上手い話なんてそうそうないよね!」とぼやけば良いだけの話である。吉村知事は、国民に「ここで前澤さんが、無料の宝くじを配っているよ!」と声高に叫んだに過ぎない。それ以上でもそれ以下でもない。

以上が私の感想である。ただ、せっかくだから、おまけの話も書いてみたい。前澤さんほどの説得力がないので、ここで配る宝くじは紙くずの可能性が高いのだが・・・。

以前、インフルエンザの予防に緑茶でのうがいが良いという記事を読んだことがある。カテキンの殺菌作用が良いのだという。であるならば、新型コロナ陽性でない人は、ポビドンヨードうがい薬ではなく緑茶でうがいを1日4回してみてはどうだろうか?緑茶など普通に飲用するものだから、ポビドンヨードうがい薬の常用の様な副作用の可能性はゼロである。一方で、薬局で品薄で使いたくても使えないという制約もない。真水でのうがいよりは効果はありそうだ。少なくとも、うがいを小まめにするだけでも価値はありそうだ。

試しに明日からやってみようか・・・。

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