1.5V の電源で LED を点滅させる LM3909 という名の IC は現在では入手が困難である。それで代用品はないものかと考えていたのだが,電子工作界では定番のタイマ IC 555 を使えないかと思いついた。
早速調べてみたところ,普通の 555 にとっては 1.5 V は電源電圧としては低すぎるらしい。
せっかくのアイデアがふいになったとガッカリしたが,あきらめずに定電圧で動く発振用の IC はないかと探したところ,秋月電子通商の web カタログで CMOS 版の LMC555 というのを見つけた。おあつらえ向きに 1.5 V から動作する。
というわけで,早速買って回路を組んでみた。
555 をパルス波発生源として使用している。発振周波数を決める抵抗とコンデンサの値は 10kΩ,10kΩ,0.1μF にしてみた。チャージポンプの充電用コンデンサは100μFである。
使用した LED は 20mA で 75cd の光を発生するというお気に入りの超高輝度オレンジ色 LED である。
そこそこ光っているように見えるかもしれないが,超高輝度だからであって,1.5 V を直接つないだときよりはマシかな,という程度である。発振周波数をもっと高くしたり,抵抗を小さくするなどすればもっと明るく光らせられるかもしれない。あるいは,もっと発振周波数を低くして,目標にしていた LED フラッシャーにするというのも検討したい。
ちなみに,LMC555 を用いて 1.5V 電源で LED を光らせようという試みは僕が初めてではない。誰でも思いつくようなアイデアであるらしい。
そもそも秋月電子通商が LMC555 を利用した 1.5 V 電源の昇圧回路で順電圧の高い白色 LED を光らせるキットを販売している。LMC555 を見つけた時にそのキットの存在も同時に知ってドキッとしたが,キットはインダクタを用いたフライバック方式で昇圧しており,インダクタを使用しないチャージポンプ方式の僕のアイデアとはかぶっていないことがわかってホッとした。なお,キットで使用されている単3電池2本用の電池ホルダ―に回路を全部組み込むというアイデアには感心した。なるほど,そういう風にコンパクトに組み立てるのか。今後、何かを作る際に真似させてもらおうっと。
LED をメインに取り上げた電子工作の本では昇圧回路が必ずといってよいほど取り上げられている。杉本靖著『基礎入門 LED電子工作の素』(技術評論社)の第2章ではステップアップコンバータ方式(たぶん上でフライバック方式と呼んだものと同じもの)による昇圧回路に LMC555 を用いている。秋月電子通商のキットとはいくつかの点で違いがあるが,回路の基本は同じである。また,トランジスタ2石による無安定マルチバイブレータをスイッチに使った2段チャージポンプ昇圧回路も取り上げている。おそらくトランジスタによるマルチバイブレータを LMC555 に置き換えても同じように動くだろう。この本の一番最後には,LED に光が当たると起電力が生じることを利用して,LED 一個に明るさセンサとランプの二役をさせるという興味深い回路が紹介されている。同じようなアイデアはエレ工房さくらいの『不思議な LED 点滅回路キット』にも見られる。こちらも面白い回路であり,しかも LMC555 を使用しているのでますます気になるところである。
加藤芳夫著『LED電子工作ガイド』(誠文堂新光社)でも第2章で昇圧回路を取り上げている。やはり LMC555 を使っているのだが,フライバック方式だけでなく,チャージポンプ方式のフラッシャーにも使用していた(同書46ページ)。しかも2段のチャージポンプである。
僕が思いつく程度のアイデアはすでに多くの人が考えついており,しかもより発展させた形で世に発表しているのだということを今回もつくづく思い知らされた次第である。
早速調べてみたところ,普通の 555 にとっては 1.5 V は電源電圧としては低すぎるらしい。
せっかくのアイデアがふいになったとガッカリしたが,あきらめずに定電圧で動く発振用の IC はないかと探したところ,秋月電子通商の web カタログで CMOS 版の LMC555 というのを見つけた。おあつらえ向きに 1.5 V から動作する。
というわけで,早速買って回路を組んでみた。
555 をパルス波発生源として使用している。発振周波数を決める抵抗とコンデンサの値は 10kΩ,10kΩ,0.1μF にしてみた。チャージポンプの充電用コンデンサは100μFである。
使用した LED は 20mA で 75cd の光を発生するというお気に入りの超高輝度オレンジ色 LED である。
そこそこ光っているように見えるかもしれないが,超高輝度だからであって,1.5 V を直接つないだときよりはマシかな,という程度である。発振周波数をもっと高くしたり,抵抗を小さくするなどすればもっと明るく光らせられるかもしれない。あるいは,もっと発振周波数を低くして,目標にしていた LED フラッシャーにするというのも検討したい。
ちなみに,LMC555 を用いて 1.5V 電源で LED を光らせようという試みは僕が初めてではない。誰でも思いつくようなアイデアであるらしい。
そもそも秋月電子通商が LMC555 を利用した 1.5 V 電源の昇圧回路で順電圧の高い白色 LED を光らせるキットを販売している。LMC555 を見つけた時にそのキットの存在も同時に知ってドキッとしたが,キットはインダクタを用いたフライバック方式で昇圧しており,インダクタを使用しないチャージポンプ方式の僕のアイデアとはかぶっていないことがわかってホッとした。なお,キットで使用されている単3電池2本用の電池ホルダ―に回路を全部組み込むというアイデアには感心した。なるほど,そういう風にコンパクトに組み立てるのか。今後、何かを作る際に真似させてもらおうっと。
LED をメインに取り上げた電子工作の本では昇圧回路が必ずといってよいほど取り上げられている。杉本靖著『基礎入門 LED電子工作の素』(技術評論社)の第2章ではステップアップコンバータ方式(たぶん上でフライバック方式と呼んだものと同じもの)による昇圧回路に LMC555 を用いている。秋月電子通商のキットとはいくつかの点で違いがあるが,回路の基本は同じである。また,トランジスタ2石による無安定マルチバイブレータをスイッチに使った2段チャージポンプ昇圧回路も取り上げている。おそらくトランジスタによるマルチバイブレータを LMC555 に置き換えても同じように動くだろう。この本の一番最後には,LED に光が当たると起電力が生じることを利用して,LED 一個に明るさセンサとランプの二役をさせるという興味深い回路が紹介されている。同じようなアイデアはエレ工房さくらいの『不思議な LED 点滅回路キット』にも見られる。こちらも面白い回路であり,しかも LMC555 を使用しているのでますます気になるところである。
加藤芳夫著『LED電子工作ガイド』(誠文堂新光社)でも第2章で昇圧回路を取り上げている。やはり LMC555 を使っているのだが,フライバック方式だけでなく,チャージポンプ方式のフラッシャーにも使用していた(同書46ページ)。しかも2段のチャージポンプである。
僕が思いつく程度のアイデアはすでに多くの人が考えついており,しかもより発展させた形で世に発表しているのだということを今回もつくづく思い知らされた次第である。