担当授業のこととか,なんかそういった話題。

主に自分の身の回りのことと担当講義に関する話題。時々,寒いギャグ。

そのうち言われるようになるだろう言葉。

2010-06-10 23:55:56 | もじりあーの。
彼,異臭がするの。

加齢臭がするの。

カレイシュウガスルノ。
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ようやく出会えた。

2010-06-10 23:53:53 | Weblog
もう,かれこれ三十年近く想い続けてきただろうか―。


「それ」の存在を知ったのはいくつのときだっただろうか。
おそらく,親に買い与えられた子供向けの昆虫図鑑で見たのが最初の出会いだったろう。

極めてユニークな罠をはって獲物を捉えるなどという,わくわくするような生態をもっているという「それ」。

ウスバカゲロウの幼虫だそうだから,カゲロウらしき昆虫を見たときには幼虫も近くにいるかもしれないと小さな胸をときめかせたものだが,色が緑色だという,誰でもわかるような大きな違いがあった。
非常に小さなその羽虫は,どうやらミドリヒメカゲロウという別の昆虫のようである。

その頃からこの年になるまで,実に三十年近く,寺や神社に行った折には縁の下にすり鉢状の巣はないかと,機会があれば必ず探索を行っていたが,結局見つからずじまいだった。

いつだったか,そのような熱い思いを A 先生に話したところ,A 先生のご実家の近辺では当たり前のように見かけたとの由で,うらやましいことしきりであった。

一昨日も,これまで何度歩いたかわからない,ある施設の一階の廊下をいつも通り歩いていた。
窓の外を眺めながら歩いていると,すぐ傍の建物の縁の下に,「それ」の巣とおぼしき怪しい穴が空いているではないか!

もうかれこれ5年は同じ廊下を歩き続けてきたのだが,ようやく気付いたわけである。

その場所は植え込みの中にあり,一般人が勝手に入ってよい敷地ではなさそうだったが,こないだ草むしりの作業をしている人たちがいたのを思い出し,少しの間だけお邪魔させてもらうことにした。
(その草むしりのおかげで縁の下が見通せるようになったのが,気付けた原因かもしれない。)

期待通り,巣があちこちにある。

どの巣を外から眺めても,巣の主が顔を出しているわけではない。

落ちていた小さな枯れ枝を使って穴をほじくってみたが,砂が崩れるばかりで一向に巣の主に出会える気配がない。

ここの巣の集落は何らかの原因で放棄されてしまった廃墟なのだろうか―。

そんな馬鹿げた妄想が頭をよぎった。
(もし本当に巣の主が不在なら,巣はすぐに崩れてしまって原型を留めておらず,僕が気付くこともなかっただろうから,実に愚かな考えを抱いたものだと我ながら呆れてしまう。)

あと一つだけ巣を詳しく調べてみて,それで見つからなければあきらめよう。
これだけ見事な巣なのだから,「それ」がここにいる,あるいは『いた』のは紛れもない事実だろう。本物の巣を見られただけでも十分だ。そんな風に,もう自分をなぐさめにかかっていた。

これと決めた最後の巣を徹底的に破壊した。巣は滑らかな砂の表面を持っていたのに,いざ掘ってみると小石だらけなのには驚いた。巣の主はとても苦労して巣の表面を均したのに違いない。

残念ながら,穴の奥をある程度掘ってみたが,砂が崩れ落ち,小石がゴロゴロ出てくるだけで,巣の主らしいものに行き当たらなかった。

ところが,掘り出した砂の一部が,不自然に動いたのが目に飛び込んできた。

あれ,小石が転がったのかな?風で枯葉が動いただけかも?

半信半疑で目を凝らすと,見事な保護色で周りの砂と見分けがつかない色をした,とても小さく,ひっくり返って干からびた虫の死骸のような「それ」を見つけた。

よく見ると,体に不釣合いなほど大きな橙色のアゴも見える。

枯れ枝でつつくだけでは飽き足らず,よく見ようと思ってそっとつまんで手のひらに載せてじっくり見てみた。
すると,かすかに動いているように思える。
お尻の方に後ずさるように動いている。

ピンときた。

なるほど,巣の奥にもぐりこむ動きをしているのだな。

「それ」は正真正銘のアリジゴクであることは間違いなさそうだった。

その小ささ,けなげさに,またもや萌え字にしそうだった。

つい,ペットに対するのと同じ愛おしさがこみあげ,頭をなでてやりたいとさえ思ったほどである。

よく見ると,巣を壊されるだけでなく,巣を追い出されて迷惑顔をしているようにも見えてくる。

携帯でそんな表情の写真を撮り,さんざんほじくり返して荒らしてしまったが,巣があったあたりに巣の主を放した。
そもそも体色が砂の色にそっくりなのですぐに見失いそうだったが,じりじりとお尻から砂に少しずつ埋まって行っていた。

迷惑料としてアリでも提供しようかと思ったが,驚いたことに,周囲の地面にはアリどころか他の昆虫すら全く見かけなかった。

よもやアリジゴクが乱獲したわけでもあるまい。

ともかく,図鑑でしか見たことのない,憧れの存在にじかに接することができて,非常に嬉しい出来事であった。
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