Part I Part II Part III Part IV
以前書いた可換な行列に関する問題に対して,この間友人から解答をもらった。
答えを知らない問題 (1),(2) の完全な解答と,(3) の部分的な解答をいただいたわけだが,その際,答えを知らない問題 (2) は有名な問題だという指摘も受けた。
探してみたところ,僕が受けた学部1年生の線形代数の授業で使っていた教科書の練習問題に載っていた。どちらかというとやさしい問題なので,いろいろな教科書や問題集に採録されているとしても不思議ではない問題である。
白状すれば,僕自身,どこかでみたような気がしていたのである(昔使っていた教科書で見た覚えははっきりとは残っていなかったが)。
今回,答えを知らない問題 (2) の発展形の問題を考えついたので,それを紹介しよう。
【答えを知っている問題】
n 次正方行列 A が,任意の n 次対称行列(転置行列が自分自身に一致する行列)S と可換である,すなわち AS=SA が成り立つならば,A はスカラー行列(単位行列の定数倍)であることを示せ。
この問題を書いていて,次のような疑問も浮かんだ。
【答えを知らない問題 (4)】
n 次正方行列 B が,任意の n 次歪対称行列(転置行列がもとの行列の -1 倍になる行列)T と可換であるとき,B はスカラー行列であると言えるか?
【答えを知らない問題 (5)】
M を n 次正方行列の部分集合とする。
M にどのような構造があれば,次のこと(性質 P と呼ぶことにする)が成り立つだろうか?
これは問題が漠然としすぎていて取り付く島がないので,M として,n 次正方行列からなる線形空間を取り,性質 P が成り立つための必要十分条件は dim(M)≧2n である,という予想を立てておこう。
ただし,n≧2 とする。
以前書いた可換な行列に関する問題に対して,この間友人から解答をもらった。
答えを知らない問題 (1),(2) の完全な解答と,(3) の部分的な解答をいただいたわけだが,その際,答えを知らない問題 (2) は有名な問題だという指摘も受けた。
探してみたところ,僕が受けた学部1年生の線形代数の授業で使っていた教科書の練習問題に載っていた。どちらかというとやさしい問題なので,いろいろな教科書や問題集に採録されているとしても不思議ではない問題である。
白状すれば,僕自身,どこかでみたような気がしていたのである(昔使っていた教科書で見た覚えははっきりとは残っていなかったが)。
今回,答えを知らない問題 (2) の発展形の問題を考えついたので,それを紹介しよう。
【答えを知っている問題】
n 次正方行列 A が,任意の n 次対称行列(転置行列が自分自身に一致する行列)S と可換である,すなわち AS=SA が成り立つならば,A はスカラー行列(単位行列の定数倍)であることを示せ。
この問題を書いていて,次のような疑問も浮かんだ。
【答えを知らない問題 (4)】
n 次正方行列 B が,任意の n 次歪対称行列(転置行列がもとの行列の -1 倍になる行列)T と可換であるとき,B はスカラー行列であると言えるか?
【答えを知らない問題 (5)】
M を n 次正方行列の部分集合とする。
M にどのような構造があれば,次のこと(性質 P と呼ぶことにする)が成り立つだろうか?
行列 A が,M の任意の要素 X に対して AX=XA を満たすならば,A はスカラー行列である。
これは問題が漠然としすぎていて取り付く島がないので,M として,n 次正方行列からなる線形空間を取り,性質 P が成り立つための必要十分条件は dim(M)≧2n である,という予想を立てておこう。
ただし,n≧2 とする。