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英語と子育て

英語を通して子どもたちの夢をサポートするブログです

いよいよ変わるかな?~大学入試のゆくえ

2014-10-29 | 教育一般
先日、大学のエレベーターで久しぶりに同僚の先生と乗り合わせました。彼は英文学の研究者です。

 「寒くなってきましたね。忙しいですか?」
彼 「はあ~、もう、大学入試改革が始まるでしょ、小学校での英語も本格的に始動でしょ、しっちゃか
   めっちゃかです。
 「あら、でも、なんだかワクワクしません?」
彼 「的馬先生のような先生ばっかだといいんですがね・・・・」

と、ニンマリしながら降りていきました。


そうです、いよいよ本格的に大学入試が変わりそうです。

10月25日付の朝日新聞の一面の見出しは「大学入試 脱「知識中心」」とあります。



大賛成です 

私も前に書きましたが、重箱の隅をつついたような知識を暗記して点数化する入試はもうやめるべきです。

記事によると、記述問題や小論文でいかに「考える力」を評価する方向に転換していくようです。

中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の答申案によると、

 高校での基礎的な学習達成度を測る「基礎学力テスト」を設ける。
 英語は4技能で評価する。
 AO推薦、推薦入試などの区分の撤廃

などが、大きな変革事項になるようです。

早ければ、2020年、今の小学校6年生が最初の受験生になります。



もちろん、問題もあります。

評価する人間によって誤差も生じますし、なんてったって採点に時間がかかります。

何万人もの受験生を毎年かかえる早稲田のような巨大な大学はさぞ大変でしょう。

でも、そこは「基礎学力テスト」でふるいにかけることもできます。

なにより、センター試験や入試で知識重視の一発合格・不合格より、高校生での知識の積み重ねをきちんと評価してほしいし、自分の考えや意見が伝える力を評価してほしい、と私は思います。


さあ、みなさん、お子さんの「考える力」をどうつけていくか・・・すべては家庭、そして幼児期から始まります。

家庭教育の見直しから始めないといけないでしょうね。
小手先のスキルでは大学入試は超えられなくなるでしょう。

まずは、
 親子でいろんなことを話題にする。
 さまざまなことを体験して体感させる。
 小学校にはいったら新聞を読む習慣をつける。 
 本をたくさん読む環境づくりをする。
 Why? 「なんで?」ととにかく尋ねる。
 先に手を出さず、失敗をたくさんさせて、どうやったら失敗しないか考えさせる。

こんなことから始めてみてはいかがでしょうか?

「考える力」・・・一朝一夕ではつきません。

親が、そしてまわりの指導者が子どもを導いていきましょう。

「考える力」をつける

2014-08-20 | 教育一般
小学校の頃から国語だけはなぜか勉強しない割に成績がよい私でした。おそらくそれは母の影響で本を読むことが好きだったからだと思います 

ただテストの読解に出る設問で「この時主人公はどう感じたか」というようなものがありましたが、それは授業で先生が説明したことを書けばよかったわけで、もし「あなただったらどう思いますか?」という設問がもしあったらもっともっと頭をひねらなくてはいけなかったでしょう。

日本の教育は、大学受験からしてわかるように、知識の丸暗記が中心のため、自分で考えを生み出す力が高くないことが私は問題だと思っていますが、みなさんはいかがでしょうか。

例えば、ある有名なレストランの食事を食べて感想を聞かれた場合、「おいしかった」という他に、どうしておいしかったと思うのか、即座に具体的に感想とか意見を言うことができますか?

あるいは、例えば「集団的自衛権についてどう思いますか?賛成ですか?反対ですか?なぜですか?」と聞かれて、すぐ自分の意見が言えますか?

私のスクールの日本人の子どもたちに’Do you like ___?’と聞くと、Yes/Noで答えが終わってしまうのに対して、帰国子女は’Yes, because ___.’と必ず理由(自分の考え)を言います。そういうふうに教育されているからです。

どうやったら、私たちは自ら考える力をつけることができるのか?

夏休み中に齋藤孝さんの「5日間で自分の考えをつくる本」を読みました。



齋藤孝さん―同じ年ということもあって親近感もあり、できればお友達になりたいくらい彼の本は読んでいますが、今回の新書も引き込まれるものがあります。要するに5日間の集中講義です。

     
私たちは、学校で「自分の考え」をまとめたり、発表したりする訓練を受けてこなかった。それは、大学入試を思い起こしてみればわかるだろう。
(中略)
何かを丸暗記したり与えられた問題を解いたりするのではなく、自ら現実を生み出していく力である。好むと好まざるとにかかわらず、そういう力をもたなければ、これからの時代は勝ち残れない。私たちの生きる世界は、ゲームのルールが変わったのである。
(本書 p.3)
      

1日目から5日目までいろいろなワザを伝えてくれます。

例えば、1日目はSNSなどでレビューを投稿する、というのがあって、これはすぐに使えるな、と思いました。気の利いたレビューを書こうと思えば、内容から少し引用したりして自分なりに工夫して考えます。

その他にも、言葉の力と発想力を鍛えようと思えば、情報のアンテナをはってメディアが発する言葉に敏感になったり、ベストセラーを読んだり、書店で「知のシャワーを浴びる」・・・・身近なところでスキルを磨くチャンスはいくらでもあることがわかります。

ということで、我が家は毎晩夕食時はテレビを消して、その日聞いた話や出来事をお互いに伝えることにしていますが、これに自分なりの意見や考えを盛り込んで、会話をさらに前進させてみようかと思いました。

大切なのは「考える」ことを習慣づけることですね 

脳に痕跡を残す

2013-11-24 | 教育一般
先回、「名前を間違える」話について書いたところ、数名の方から「私もそういう経験がある」とコメントをいただきました。

ワード変換機能に頼らずに手で書いていたら、おそらくもっと正確に記憶に残るだろう、と思いましたが、やはりそうだったか!と思うようなコラムに出会いました

数学学者の新妻弘氏は、子どもの頃は算数が苦手。小学校5年生の時の病気が理由で入院して読書に目覚め、推理もの、冒険ものを読みあさる。これによって、意味をとらえる訓練ができたそう。

やはり読書によって読解力がつくわけで、どんなに計算が早くても、数学の段階になって読解力がないと、問いの意味が理解できず、問いの意味がわからないと応用問題は解けません。

新妻氏がそのことに気がついたのが中学2年生。問いの意味を理解し、計算式に置き換えれば数学なんて簡単じゃないか、と思ったのが数学学者としてのスタートだったようです。

さて、日本の小学校では1年生から国語の音読、それも大きな声ではっきりと読むことが指導されます。また算数に至っては2年生の時に「九九」を声に出して覚えます。誰もが経験していることです。

こうしたイントネーションをつけた音を唱えることによって脳に痕跡が残って、記憶として残り、覚えることができます。

そして更に、新妻氏はこう述べています。

 手を使うことも大切だ。ソロバンもいいが、筆算も有効だ。現代では幼い時から日常的にコンピューターを使うようになったため、自分の手を使って書く機会が極端に減っている。「学ぶ」の始まりは「真似ぶ」というが、名著や名文を自分の手で書き写すことは、学問の最初のステップだ。(中略)理系も同じで、数式を書き写していくうちに、なぜa=bなのかがわかったり、新しい疑問や矛盾が生まれ、学問に対する理解が深まってくるからだ。
        ― by 数学学者 新妻弘  (出所「文 MON NEXT 第106号 p.6-7」)


そういえば、私が中学生の頃は、ラジオから流れてくるカーペンターズやビートルズ、ジョン・デンバーの曲をテープに録音し、歌詞を知りたくて何回も聞きながら、必死でディクテーションをし、自分なりに推敲をして覚え、歌ったものです。今のようにGoogleサーチのボタンひとつで歌詞が出てくるような時代ではありませんでした。

こうやって覚えた歌詞は何十年たった今でも覚えているから不思議です。

やはり五感を活用させることが、脳に痕跡を残すカギとなるようです。

文明の発達による便利さは、必ずしも私たちによっていいことばかりではないことを改めて感じました 


The ME ME ME Generation ~ 私なりに思うこと

2013-06-16 | 教育一般
5-6年前にアメリカWashington D.Cに住む友達から’Junko, just click the botton’accept’’というメールが来てボタンを押してから2-3年はほかってあったFacebook. 今ではたくさんの人が利用しています。

自身のFBはプライベートのものなのですが、私が教えた生徒や学生たちとも繋がっていて、彼らとの交流を楽しんでいます。

ただ、世代の違いを感じることも多々あります。彼らは自分の写真やプリクラをよくアップします。私たちの世代は自分の顔を載せることはあんまりなく、景色などが多い気がします

おもしろいなあ~と思っていた今日この頃、TIME 5月20日付けは’The ME ME ME Generation’と特集を組んでいました。カバー写真がまたおもしろい。女の子がスマホで自分の写真をとっています。



MILLENNIALS are the children of baby boomers, who are also know as the ME Generation, Who then produced the Me Me Me Generation.
(TIME p.30より抜粋)

この’Me Me generation’とは要するに「ミレニアム世代」―ベビーブーマー(Me generation)たちを親とする1980年から2000年に生まれた若者たちです。物質的に非常に恵まれた世代とも言えるでしょう。

その特徴が興味深い

* More people aged 18 to 29 live with their parents than with a spouse. (配偶者とより両親と住んでいる)
* They are lazy, overconfident, self-involved. (怠惰で自信過剰で自己陶酔型)
* Have higher rates of narcissism, materialism, and technology addiction. (高い割合でナルシスト、物質主義、テクノロジー依存症)

その原因が親であるベビーブーマーの育て方にあると述べています。一昔前の「叱って育てる」ではなくて「褒めて育てる」子育てになり、’Self-esteem’(自己肯定感)を促し’You are special.’(君は特別、あなたはあなたでいい)と育てた結果と分析しています。

‘Just tell your kids you love them. It’s a better message’
by Jean Twenge, a psychology professor at the UCSD , ‘Generation Me and the Narcissism Epidemic’の著者
それよりも親は子どもに「愛しているよ」とだけ伝えればいい。

う~ん、なるほど。自分の子育てを振り返ると思いあたる節のいくつか。確かに長男は私からみると、lazy, overconfidentなところがあり自宅にいる時はパソコンにずっと向かっているし、次男はちょっとナルシストかもしれない。上記の点で一致しないのは両親と住みたい、と思ってないことだけかな。

私たちの時代は携帯電話もインターネットもなく、今のテクノロジーはなくて当たり前の生活に慣れてることもあって、その状態が理解できません。

そんな中、ある高校の卒業式で英語教師 David McCullough Jr. さんが演説した’You Are Not Special’が注目されています。You Tubeのアクセス数は200万回を超えているというからスゴい!(そのうち3回は私です)。

‘Work harder. Read all the time. Think for yourself. Love everything you love and everyone you love with all your might.’

‘Dream big. ‘ ‘Get busy. Don’t wait for the inspiration and the passion to find you.’

‘Get up. Get out. Explore!’

どの言葉も自分の子どもたちに伝えたい。これからの子育てや教育には叱咤激励が必要だと思いました。

一流のプレゼンテーションを聴く―TED talk

2012-12-11 | 教育一般
最近Facebookなどで私の友人たちがよく紹介しているサイトです

 TED(テッド)とは、’Technology Entertainment Design’の略で、アメリカカリフォルニア州ロングビーチで年に一回講演会を主催している団体のことです。教育や科学などの学術、はたまた娯楽からデザインなどありとあらゆる分野の第一人者が素晴らしいプレゼンテーションを繰り広げます。

 従来の原稿を読み上げる者とは違って、ユーモアあり涙あり、観客の笑い声まではいった’TED Talks’は2006年からインターネットで無料配信し、広く知られるようになりました。

 日本では、4月からNHK「スーパープレゼンテーション」という番組で放送しています。

 ここのところ繰り返し私が聴いているのは、’Ken Robinson says schools kill creativity’というトーク。 ユーモアたっぷりのトークですが、今の教育について厳しい批判をしています。免許とか学位とか取るための学校教育が子どもの創造性をだめにしているという話ですが、ここにでてくる一流のバレエダンサーになった少女の話には心打たれます。最初は’ADHD’(多動症)と診断されて問題児扱いされていたこの少女を導いた教師が素晴らしい

 その他、あの有名なSteve Jobsのスピーチもすぐに聴けます。

 このサイトはスマホのアプリ―TED.com、あるいは日本語版はTED subtitle―をダウンロードすれば、1,000以上の英語のスピーチが英語の字幕付きで聴くことができます。

 聞くところによると、通常であれば7,500ドルの参加費が必要なコンテンツもあるというスピーチもあるほど。リスニング力もアップでき、様々な分野の知識が増え、自分なりの意見を導きだすきっかけになります。

 日本の若者にも是非これらの素晴らしいプレゼンを聴いて欲しいな