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英語と子育て

英語を通して子どもたちの夢をサポートするブログです

「話ことば」と「書きことば」

2019-12-18 | 教育一般
今年にはいってスクールの外国人講師に日本語をちょびっと教えているとお伝えしていましたが、彼らの質問が結構鋭い

先日もアメリカ人のTくんから質問

Tくん 「‛~ということ’は動詞を名詞化するっていうことでしたよね?」

私  「うん、そうだよ」

Tくん 「じゃあ、‛~ってこと’というのは?

私  「う~んとね~オンナジ 


聞くとオフィスではよく「~ってこと」って聞くんだそう。

「~ということ」って滅多に聞かないんだけど。。。。とTくん。

デスヨネ~~~

日本の言語行動には「話ことば」と「書きことば」があります。

例えば、

「すみません」は書き言葉。

でも言う時には「すいません」と言うこともあります。

でも、「すいません」とは書きません。

書き言葉としては正しくないからです。

「話す」というスキルは上手になればなるほど「流暢さ」が求められてきますから、音と音がくっつくこともあるし、小さい「っ」(促音といいます)のように音がつまることもあります。

先のTくんの質問はまさにそれです。

教科書では「~ということ」と読んで習ったのに、実際聞く音とは違うということです。

      


仕事柄、学生のレポートを読んだり、人の感想やレビューを読んだりすることが多いのですが、どうもこの「話ことば」と「書きことば」がごっちゃになっている傾向が強まっています。

短いラインなどのメッセージなら、会話風で話ことばのほうが親近感が出ますが、レポートで「話ことば」はなんともいただけない

おまけに基本的な漢字が間違っていることが多々あります。

よくあるのが、

「特に」が「得に」となっている 

変換ミスなのか?と思いきや何回も遭遇すると、もはや、国語のお勉強が足りませんね、と学生に言うしかない。

メールは書けるけどきちんとした文章が正しく書けない、という傾向は年々強くなります 


先回取り上げた「読解力の低下」とも通じることだと思いますが、やはり「読む」量が圧倒的に下がってきているので、国語の力がついていないんだと思います。

これから「記述式」の試験も増えていきますし、母語である日本語を正しく書くためにも、大人になってからでもいいので、読んで書く訓練をしないと、と思いますし、私自身もいろんなアプリを駆使して「レビュー」を書いて訓練するようにしています。

「~~ってか」なんて間違っても書くような大人にならないようしたいものです。

まずは正しい文章が書けるように、みんな、もっと本を読もうよ 




読み解く力を育てたい

2019-12-07 | 教育一般
ここにきて、やっぱりか と衝撃的だったのは4日(水)朝日新聞朝刊の記事。

そうPISA(学習到達度調査)の結果です。



日本の読解力がなんと世界15位まで落ちました。

本を読む時間よりゲームに費やす時間が増えている子どもたち。

2012年では4位だったのに「激落ち」です。

ご存じの方も多いと思いますが、PISAはOECD(経済協力開発機構)が世界の15歳を対象に3年ごとに3分野の力を調べます。その3つは:

 読解力
 数学的リテラシー
 科学的リテラシー

今回この1つめの「読解力」が落ちました。

今まで紙媒体が多かった試験ですが、ここにきて、IT社会に対応すべく、多用な形式のデジタルテキストが活用されました。

例えば、ネットサイトだったり、Eメールの内容だったり、いろんな種類のネット上の情報を読んで、どれだけ読み比べたり、内容を見定めたりするかというテストです。

この「激落ち」の理由のひとつに、「デジタル使用の学習の遅れ」が挙げられています。

例えばアメリカなんかは小学校から作文を書くのも提出するのもパソコンからです。

当然、何かを読んで感想文を書いたりするのもパソコンから。

アメリカ在住の友人に聞くと、入学すると同時にこのパソコンを買ってください、と学校から指示があるそうです

確かに、私のスクールのみなさんを見ていても、スマホを持っているお母さんは多いのですが、みなさんパソコンを自宅に持ってらっしゃるかというとそうでのもない。

思うに、ボリュームある記事や資料を探すのは画面の小さいスマホでは追いつきませんので、何かを読み解いたり情報を比べるのはパソコンの方が断然効率がよいのです。

新聞に掲載されていた問題例を解いてみましたが、ふ~む 15歳だとこれが解けないのか?と首をかしげました。




内容的のそれほど難しいとは思いませんが、日本人の15歳の子どもたちが点数をとれなかった理由として、

 本と違って横書き
 紙とは違って、パソコン画面

この2つに慣れていないのでは?と思います。


ちなみに私が担当する小学校高学年のアドバンスクラスの子どもたちには、「お題(topic)」についてクラス内でディスカッションをしたあと、インターネットで調べて、要約→理由と意見を述べることをクラスでやっています。

帰国子女が多いせいもあって、みんな、生き生きと楽しそうに取り組んでいます


幼児のうちからスマホをおもちゃがわりにするのは、まったくもって「百害あって一利なし」ですが、

「習うより慣れろ」ということわざもありますから、小中学生くらいからはパソコン情報にもっと慣れていくような教育制度が必要かもしれません。



日本語に向かい合う

2019-11-28 | 教育一般
カリフォルニアに留学している頃、'Language buddy'(言葉のともだち)みたいなシステムがあって、お互いの言語を教えあうという活動に参加していました。

その中のひとりの男の子はアメリカ人だったんですが、ロシア語も含めて7か国語も操るつわもので、今度は日本語をマスターしたいってことでした。

「太郎が」と「太郎は」とどう違うの?

と聞かれて、絶句したことだけを覚えています 

自分の母語なのに何も満足な説明ができず敗北感が残りました

世界で難しい言語トップ3に入る日本語


それにしても、言語ができる人って特別な脳を持っているんじゃないか、とその時思ったわけです

     


夏以降、スクールの外国人の先生たちのリクエストで日本語を教えています。



英語は完ぺきではないけれど、日本語はネイティブだから、まあ、できるだろう~と軽い気持ちで引き受けましたが、これがなかなか 

私  「こんにちは! 今日は何月何日ですか?」

生徒 「ジュウイチガツ サンニチ デス」

私  「そうね、「三日」だから「サンニチ」だよね。」

   「でも「ミッカ」って発音するんだよね~ 

生徒 「~~~

と、いきなり日にちからつまづく。

ああ、そうだった、日本語の数量詞(quantifier)。。。。。難しかったんだった~ 

こうなるとドリルしかないので、毎回、言う練習をしてます。

「おうちでも毎日言おうね~」と励ます私。


そして次の関門


私が英語を勉強していた頃からいつもつまづくのが「前置詞」のような意味のない「機能語」ですが、彼らにとっても日本語の「助詞」はクセモノです 

単語の後ろにつきますので「後置詞」とも呼ばれますが、この助詞によって「主格」とか「目的格」の「格(case)」が決定するので、明確な説明をしたいけれど、しすぎるとこれまた難しい。

久々にあの留学時代の苦い経験が頭をよぎります。

それでも、言語学と外国語教授法を学んだ経験に助けられて、当時よりはよっぽどましに教えられるようになりました 


そして、耳で覚えたものとすり合わせていくのが一番納得できる、ということを最近発見しました

結局、日本語も英語も教え方はそう違わない。

ただ、言語の複雑さを考えると、やっぱり日本語、一筋縄ではいかない言語だと再認識しました。

そんな言語を母語にしている幸福感を感じながら、みんながどんどん上手になっていくのが嬉しくて、あれやこれやと日々考えながら楽しんでいる今日この頃です 

もうちょっと日本語、研究してみよ 


どうしたらいいかなあ~?

2019-11-05 | 教育一般
名古屋市の金城学院幼稚園で課内の英語授業をしています。

この幼稚園は3歳から5歳までの縦割り保育ですから、一クラスに年少さん、年中さん、年長さんが混ざっています。

朝の会では担任の先生が、

「年少さんは手を挙げて」「年中さんは手を挙げて」「年長さんは手を挙げて」と聞いて数を数え、

「あら、数が足りないね」と先生が言うと「~ちゃんがいない」と子どもたちが発言します。

そして先生が「そうです、~ちゃんが今日はお熱でおやすみです。早くよくなるといいね。」とみんなに伝えます。

クラスメートがひとつのチームとなってそれぞれ気遣う行動を日常的に行っています

さて、英語のレッスンが終わるとお昼ごはんの用意をみんなでします。

年少さんは、先生が用意してくださった一輪挿しを持ってきて、テーブルの真ん中に添えます 

年中さんは椅子を運びます。

年長さんは力があるから机を列に並べます。

こんなに小さいのに、みんな協力してパキパキ動くので、いつも私は感心して見守っています。


そんな中である日、事件が起こりました。

一人の女の子が大きな声で泣き始めました 

問題はある女の子が、両隣に座る子について三人とお約束をしてしまっていたのです

「おひる、いっしょにすわろうね~」 「いいよ!

という会話が、おそらく朝の自由遊びの時間に3回あったんですね。
で、両隣に座り損ねてあぶれた女の子が泣いているのです。

要するに「ダブルブッキング」~いや、「トリプルブッキング」でした。


さて、どうなるんだろうとみていましたら、先生がこう言いました。


「~ちゃんと座りたい子が三人いるんだわ  困ったわ~みんなどうしたらいいかなあ~? 


そうしたらどうでしょう、まず一人の男の子がすくっと立って、泣いている子のそばにいって、その女の子を慰めました

そうしたら、もう一人の男の子が立って、「じゃあ、~ちゃんは今度にしたらいいんじゃない?

ほかからも「~~したらいいんじゃないか?」という意見があちこちから。。。。

年上のお友達が率先して、その子の気持ちになって、解決方法を提案します。

素晴らしいなあ~と感激しました 


こうやって小さい時から子どもたちが、問題を考えて解決していく力を培っているんですね 

大人がすぐ「こうしなさい!」というのは簡単ですが、それでは問題解決能力は高まりません。


結局、先生は「じゃあ、~ちゃん、みんなが今度、お隣にすわったら、って言っているからそうする?」と聞いて、彼女は涙を拭きながらほかの席に座りました。

彼女が本当に納得したかどうかはわかりませんが、少なくとも、クラスのお友達が気持ちに寄り添ってくれただけで嬉しかったのではないかと思います。

子どもたちの大事な力はこうやって時間をかけて育てていくもんだと改めて思ったひとときでした 


Green House Effect~私たちの地球はどうなるんでしょうか?

2019-09-26 | 教育一般
30年以上も前のことですが、国連英検なるものに初めてトライしました。

国連の知識も情報も試験にでるので一生懸命覚えました。

インタビューでは世界的なニュースについて聞かれるとわかっていましたから、当時一番新聞や雑誌で取り上げられていた「地球温暖化(Green House Effect)」について、調べたり記事を読んだり、自分の意見をまとめて準備しました。

インタビュー当日、待ってました! とばかり、やはりこのトピックについて意見を聞かれて答えたのを覚えています。

当時、一番取り上げられていたトピックが、30年以上たった今でも、新聞雑誌に現れ、解決されず世界的な問題として懸念され、数々の会議が開かれているものの、解決されるどころか、どんどん進んでいる現況にため息しか出ません 

一昨日、ニューヨークで開かれた「国連気候行動サミット」ではスウェーデンの16歳の少女 グレタさんが怒りを込めてプレゼンをしました

テレビのニュースでも放映されましたし、新聞でも取り上げられましたので、耳にし観た方も多いかと思います。



みなさんはどう思われたでしょうか?


私自身は頭をカツーンと叩かれた思いでした 

このままでは、自分の子どもたちの時代にはもっと大変なことになる、と思いながらも、どこまで意識しているのか

     

7~8月は結婚して海外に住む友人たちが日本に一時帰国して我が家を訪ねてきてくれるのですが、その中でもカナダのアルバータ州のLa Crete(ラクレタ)から帰ってきたYumikoさんはお子さん2人を連れて里帰りで遊びに来てくれました。

日本のニュースでは報じられなかったのですが、このラクレタも5月から山火事が起こり、学校が夏休みに入る前から地域は一斉休校になりました。

灰が舞って外に出られないからです。そのうちに避難命令が出て、彼女たちもいったん、東の方の友人宅に避難したのですが、沈静化する兆しがないので、予定を早めて帰国したとのこと。

私    「え~、じゃあ、おうちはどうなってるの
Yumiko  「う~ん、どうなってるんでしょうね。焼けてないことを祈るしかないです

本来、山火事が起きても、すぐ近くにある川で止められて広がらないはずなのに、乾燥と温度と風が作用して川を越えて広がったそうです。


どれくらい焼けてると思います?

名古屋市のざっと13倍の面積だそうです 

ほんと、山火事って恐ろしい 


プラスチックゴミを減らすとか、3R(reuse, recycle, reduce)を実践するとか、生活の中でできることをするしかないのでしょうが、もっとトップダウン式で抜本的な改革案が国ベースで出てくるといいな、と個人的に思います。


新しく選出された若い環境相に期待したいところです