日々雑感

心に浮かんだこと何でも書いていく。

ゴーカン

2018年12月22日 | Weblog
ゴーカン

何事もなく、初めて海外旅行する女の子、2人をスリウオン通りのマノーラホテルに送り届けて、ほっとした。

昨夜の徹夜に加えて、今日はツアーコンダクター、ガイドをした。めったに出来ない経験だから積極的にかって出た。

それにしてもよく歩いたものぞ。30度を越す熱さの中で17000歩近くも歩いた

ので、さすがに疲れた。やっとの思いでゲストハウスにたどり着くと、

今朝がた出会った学生の質問ぜめにあった。

「おじさん、あの2人の女の子は何ですか。」

「ああ、あの子たちか。あれは俺の彼女だよ。」

「ウソ、おじさんは惚れているかも知れないが、2人は冷めていたよ。」

「そんなことどうして判る?」

「痩せた方の女が俺に流し目をしたよ」

「お前、しょってるな」

という会話から始まって、今朝方のゴーカンの話になった。ウソかまことか、そんな

ことどうでもよい。ゴーカンなどという穏やかでない言葉を男が使うとは穏やかでない。

男がゴーカンされたというからには、相手はきっと男に違いないと僕は思ったが、

念のため今朝がたの話に話題をむけた。

「お前、本当に男にゴーカンされたのか。俺もあちこち旅するが、男が

男にゴーカンされたという話は聞いたことがない。女がゴーカンされたという話はよく聞くがね。」

「いやいや、女にやられました。何人もの女にです。」

「それ本当?。そいつは面白い。」

蛙が蛇を飲み込んだ類いの話で面白い。僕は膝を乗り出した。

「実はベトナムと中国の国境の辺地で暗闇からいきなり手が出て来て、小屋に引

きずり込まれました。 灯火でみると30歳前後の女が6人ばかり居て、そのうちの

2人が俺を捕まえて裸にして、上に乗って来たのです。助けてと言ったがどうにも

ならず、2人まではこなしたが後の4人はとてもこなし切れなかった。」

「そりゃ面白い。金を払わなければならないのにタダとはお前ついているじゃないか。そんな話なら俺も1口乗りたいところだ。」

「おじさん、そこが違うんですよ。女どもはいうには、お前は私たち女を抱いたのだ

から金を払えというのです。押しかけ女房的に1方的に仕掛けておいて金を払えはないですよ。

これはゴーカンされたも同じですよ。確かに2人に対しては金を払ってもいいけ

れど連続で乗って来た女達には金なんかはらえませんし、払う必要はない。」

「それはそうだ。要するに相手の女達は君の体がほしかったのではなくて、金が

目的だったんだよ。何もしないで金を奪うと強盗になるから申し訳程度に女体を

すりよせて来たというのが真相ではないか。つまり強制買春をさせられたというこ

とだ。めったに出来ない経験をしたじゃないか。俺もお前のまねをしてみたいよ」

「それなら教えましょうか」

「何を」

「女の値段です」

「ホー、面白いね。教えてくれ」

「香港から入って中国、ラオス、ベトナム、カンボジャ、タイと回って来て日付と値段

表をきっちり作って来たから、それを見ながら教えます」

「そいつはありがたい。コピーできんのか」

「やめてくださいよ。そこまではしたくない。」

「判った。じゃ言ってくれ。ところでどこの女が一番よかったか」

「カンボジャですよ。70通りを北の方へ行ったら100メーターほど道の両側に

置屋があるんです。」

「へー、それは壮観だ。それで、」

「大体外人プライスは5$です。皆擦れてないからかわいいですよ。」

「そりゃそうだろうよ。日本は1960年代になり経済成長路線を突っ走るようになる

と韓国台湾と団体で海外旅行をしたものさ。僕みたいに1人でバックパッカーみ

たいなことは日本の男はやらないよ。僕はある目的があるから1人歩きしている

がこれでも結構孤独に耐えているんだよ。」

「1人旅か。実はこいつを先に帰して、後はそれ行けどんどんでマレー半島を下り

ます。お陰で4回生というのに就職はおろか卒業も難しい。こうなったらやけくそで、アジアの女を徹底的にやってやる。」

[そうか。それは自分で決めることだが面白い。人生は寄り道した方が味があって

面白い。早い話、君のような体験をした日本人はそんなに多くないはずだ。」

「ところでおじさん、バンコックの夜の部を教えてくれませんか。」

「せっかくの申し出だが、今日はガイドをして疲れているんだ、俺は。」

「そんなこと言わないで、お互いに男じゃないですか。弱音を吐いたら男がすたりますよ。」「

おだてられてるのかけなされているのかわからんけれど、ついて来い。」

ということで話は決まってバンコックの夜の部を案内することになった。宿に

帰ったら 門限ぎりぎりの時刻。今日は体も心もくたくたになった。

本当はそうなんだけど、強気を出して、今日は充実した1日、と日記には書いておこう。

若いということは本当によいことだ。羨ましい。つくづくそう思う。

確かに体は年齢とともに老化するが精神の若さはいくらでも若く保てる。

だからバックパッカーが出来るのだ。

旅に出ると普段見落としがちなものや事に案外気がつくし、また解放感も

手伝って大きく羽ばたける。それによって日常生活ではとても経験出来ないよう

な面白い事にも出会うし、いやなことにも出会うが、まったくいろいろなことがあって、やっぱり旅はいい。