日々雑感

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心空和尚の人生往来手形6-52

2012年12月21日 | Weblog
心空和尚の人生往来手形

右のもの、あの世より縁あってこの世に生を受けました者ゆえ つまりはこの世の間借り人であります。
されば3度の食べものにも文句を言わず、美味しいと褒め、人と気まずいことがあっても我が身のいたらぬせいと思いなし、愚痴なく、怒らず、貪らずほどよくこの世に暇乞いして元のあの世に帰るものゆえ、親切大事に願います。
                  平成   年    日

西国第29番青葉山 松尾寺

松尾心空氏は堺出身で私が堺に住んでいるというご縁で知遇を得た。
心空師は西国33ケ所巡礼、一巡するのに1400kmほど歩かなければならないが、それを何回もくりかえされ、今ではおそらく1万kmを踏破しておられることだろう。一人で孤独に耐え、ただひたすらに、黙々と歩く姿を想像するだけでも、尊敬の念が湧いてくる。雨の日も風の日もわらじがけで、もくもく歩くということなど、私には想像を絶する難行に思えるからだ。
師は京大の哲学科で勉強されたせいか、人生に対する思いが深い。
この世を仮の宿だと達観できるのは、こういう裏付けがあって初めてできることで、それゆえに言葉には説得力がある。
言われればそうかなと思うことはあっても、人生が仮の宿だから、生き方を考えよという言葉は胸に刺さる。
遥か彼方のことのように思えることから帰納して、現在のあり方を説かれる師の説には説得力がある。

去年電話を頂いたが、巡礼先からで、疲れも見えず青年のパワーあふれる声であった。もうすでに80歳を越しておられると思うが、矍鑠たるものである。