最近、このブログにチョイチョイコメントをくださるgungunさんが、EOS kiss X7を購入されたとのこと。
これはおめでたいことなんですが、標準のダブルズームでは、直に不満が出ちゃうんじゃないかなと。
確かに集合写真の様な広角から、お子さん一人を切り取るような望遠までカバーするようなレンズ構成ですが、雑誌に出てくる様な写真が…と思うと色々「デジイチってこんなモノかい?」って思ってしまうのでは無いかと。
ま、ここで持論を展開させて貰うと、レンズを交換する事が出来るカメラにおいて、ズームレンズは使わなくても良いんじゃ無いかと。もちろん、ダブルズームが欲しい世代ってのは、お子さんの学校行事をカメラに収めるのが目的なので、限られた撮影場所で狙った構図をと言うと、ズームレンズというのは仕方が無いと思います。が、自由に動ける場合は単焦点が絶対良いと思うわけでw
そう言う事で、今日の撮影散歩は俺の持っている古いEOS kiss、「Canon EOS Kiss Digital X」を持ちだし、比較的手に入れやすいCanon EF 50mm 1:1.8 II、Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO、Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6で撮り比べをしてみようかなと。
この記事がgungunさんのカメラライフの一助となるか、単焦点フェチのマスターベーションに終わるかは、カメラの神様のみぞ知るw
まずはCanon EF 50mm 1:1.8 IIから。
このレンズは定価で12,000円。で、新品でも8,000円とかで手に入る安価レンズ。でも「安かろう悪かろう」という言葉は、このレンズには当てはまらないと俺は断言する。値段で良く「撒き餌レンズ」なんて呼ばれる。まずは、安いこのレンズでレンズ追加購入、レンズ交換を体験して貰い、レンズ沼に誘おうという商品だ。
簡単にこのレンズを説明すると、手にしてまず感じる「ひどいチープさ」、使ってビックリする「激しいモーター音」、パソコンに取り込んで分かる「目を疑う写り」。これですね。
じゃ、写例から。
Canon EOS Kiss Digital X + Canon EF 50mm 1:1.8 II
1/500s, f/5.6, ISO 400
もうアジサイが咲いているんですね。
これはPモードで撮影。カメラが勝手にF値5.6まで絞ってくれちゃってるので、結構くっきり写っています。
でもこれじゃ、このレンズの特徴を出している写真とは言えません。
このレンズのすごいところは、開放F値1.8という明るさ。一般的に開放F値の数値が小さくなればなるほど、高価なレンズになります。そして、開放F値を小さな数字にすれば、被写界深度が浅くなり、ぼやけた部分が多い写真になります。
被写界深度?ボケる?文字で解説するより、F値をAVモードで1.8に固定したのをお見せします。
Canon EOS Kiss Digital X + Canon EF 50mm 1:1.8 II
1/4000s, f/1.8, ISO 400
同じ被写体を同じ距離から撮ったものです。
被写界深度=ピントが合っている部分の奥行きが浅く、薄くなっています。手前もボケているし、奥の方もボケています。そのため、写真に奥行き、立体感が出ています。
ボケりゃ良いってもんではなく、ピント合わせの芯は残し、ぼかすってのが腕の見せ所。
この芯を残すってのが難しいんだよなw 俺の好きなOLYMPUS G.ZUIKO 50mm AUTO-S 1:1.4なんかは、開放F値1.4まで開放すると、「芯ある?」って感じになるし。なので、開放するにしてもf/2にしておく感じ。
でも、このレンズだと開放F値でもちゃんと芯が残っている。だから「開放から使える」って評価されるんですよね。
これが人物撮りなんかで威力を発揮する!瞳や、睫毛のような芯が欲しい物はくっきり。肌のきめのようなある程度ボケても良い物は被写界深度から外すって事をすれば、あらキレイw
まあ、そこまでシビアに考えなくても、Pモードで子供を撮るだけでも、雰囲気の良い写真になります。
Canon EOS Kiss Digital X + Canon EF 50mm 1:1.8 II
1/4000s, f/1.8, ISO 400
被写界深度から外すと徹底的にボケてくれるのが嬉しいです。
ちなみに、この写真の背景は、工場でしてw 花の背景には不釣り合い。それを意識させないように盛大にぼかすってのもひとつのアイデアです。
Canon EOS Kiss Digital X + Canon EF 50mm 1:1.8 II
1/2500s, f/1.8, ISO 400
開放F値で撮るのが、このレンズのオイシイ所といっても、アジサイのような大きな花のかたまり全体にピントが欲しい時には向いてなかったりなんだよね。
そういう時は絞ります。=f値の数字を大きくしてやれば良いんです。
絞るってのは、人間の目で言えば、瞳孔を小さくして、目に入る光の量を調節するってこと。
目を細めたら、見たいものがくっきり見えたりするけど、それと一緒で、カメラは絞るとピントの合う範囲が広がります。(=被写界深度が深くなる。)
Canon EOS Kiss Digital X + Canon EF 50mm 1:1.8 II
1/320s, f/5, ISO 400
f/5まで絞ると、全体までピントが行き渡ります。
こういうのが出来ないと、集合写真を撮るとき、後列の人はピントが今イチって写真になったりします。
だったら絞れるだけ絞れば良いんじゃ無いの?これがうまくいかなかったりするんですよねw
光の入り口を小さくすれば、その分撮影に必要な光を集めるのに時間がかかります。つまりシャッター速度に影響が出ます。
前の写真は光の入り口を大きくしているので、写真になる時間は2,500分の1秒。こんな短い時間なら、手ぶれの心配は要りませんよね。
この写真は絞っているので、写真になる時間は320分の1秒。これだって十分短い時間ですけど、上の写真よりは8倍の時間の長さだったりします。
これに、ISO値(感度)なんかも絡んできて、何を大事にする?何と何を大事にする?といろいろ取捨選択するんです。そうすると、残念なことに、このカメラと、このレンズでは撮影不可能なんて条件も出て来ます。
まあ、そうなれば、レンズ交換すれば良い。それが一眼レフシステムの一番面白いところであり一番怖いところでありますw
では、ここらでCanon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACROにレンズ交換してみましょうか。
このレンズは、マクロ撮影が出来るレンズです。マクロ撮影って何?ですが、簡単に言えば、「接写が出来る」です。被写体に寄り近づけるので、顕微鏡を見ている様な感じになりますね。
このレンズは中古で15,000円で手に入ります。まあまあ高いですが、持っていて、絶対損はないです。
それは、このブログの自転車DIYの記事を撮影する半分がこのレンズを使用しているのを見て貰えれば分かると思います。近づいて良し、離れて良し。オールラウンダーなレンズ。
Canon EOS Kiss Digital X + Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO
1/200s, f/5, ISO 400
同じ花ですが、ここまで寄ることが出来ます。被写体との距離は23cm。これは、被写体とカメラ内のイメージセンサーの距離。レンズの先端から言うと10cmってところかな?
ちなみに、同じ画角50mmのCanon EF 50mm 1:1.8 IIの最小撮影距離は、45cm。レンズの先端から言うと40cm離れていないと撮影出来ません。語弊を恐れずに言うのなら、マクロレンズ以外は老眼みたいなモンかなw
俺は、マクロ撮影が大好きです。いろんな発見がありますからねw
Canon EOS Kiss Digital X + Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO
1/160s, f/4.5, ISO 400
こんな感じで小さな世界を楽しむことが出来ます。
Canon EOS Kiss Digital X + Canon EF 50mm 1:1.8 II
1/2000s, f/1.8, ISO 200
またレンズをCanon EF 50mm 1:1.8 IIに戻したり。
背景のぼけが良いでしょ?
こういうのが「デジイチならでは」の写真ですよ。
Canon EOS Kiss Digital X + Canon EF 50mm 1:1.8 II
1/1600s, f/1.8, ISO 200
コスモスのつぼみ。
この辺りは、いろんな雑草が生えているんですが、ぼかしてしまえば気にならない。
Canon EOS Kiss Digital X + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6
1/500s, f/5.6, ISO 200
さらにレンズ交換。
Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6は古いレンズなので中古でしか手に入りませんが、20,000円もあればゲット出来るかも?400mmの望遠レンズがこの値段って、良い時代だなぁw
ボケと被写体との重なり方が嫌いになれない。
決して、ピント合わせなどが時間がかかり、運動神経の良いレンズとは言えないけど、留まった鳥なんかを撮るのには全然問題ない。
Canon EOS Kiss Digital X + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6(トリミング)
1/500s, f/5.6, ISO 200
だが、飛ぶ鳥も撮ってみようと思って頑張ってみたw
ISOをもう少し高感度にしておけば良かったかな?
ISO 400らいにしておけば、シャッター速度が800分の1秒ぐらいになって、もっとビシッと止まった画になっていたかも?
Canon EOS Kiss Digital X + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6
1/400s, f/5.6, ISO 200
このレンズは、最小撮影距離が2.5mもあって、それで撮るとこんな感じ。
これはこれで味があるんだけど、花は近づいて撮った方が良いよねw
どうしても近づいて撮れない、他人の家の花を撮るとか?(それは犯罪かも?)
Canon EOS Kiss Digital X + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6
1/640s, f/5.6, ISO 200
ツバメ以降、野鳥が撮れなくて、仕方ないので野生動物のウサギを…え?違う?
Canon EOS Kiss Digital X + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6(トリミング)
1/200s, f/5.6, ISO 200
文句を言っていたらカワセミ登場。ただし、ちょっと遠い所なんで…画質は今イチ。
まあ、うちのCanon EOS Kiss Digital Xは800万画素しか無いから…。イメージセンサーも進化しているX7だったら、同じ条件でももっと良い写真になるかも?
Canon EOS Kiss Digital X + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6
1/800s, f/5.6, ISO 200
トリミング無しなら、ヒヨドリとか?
もっと近い野鳥いないの?
Canon EOS Kiss Digital X + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6
1/500s, f/5.6, ISO 200
おお、このくらい大きく撮れれば満足ですw
でも、カワセミ追っかけているおっさんがキジバト撮って自慢するのはなんか恥ずかしいw
Canon EOS Kiss Digital X + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6
1/500s, f/5.6, ISO 200
いかん、ダメだw
カワセミだ!と気配を感じて振り向いて見たら、舗装の段差とは…w
とまあ、そんな感じでCanon EOS Kiss Digital Xで撮影散歩してみたんだけど、やっぱ野鳥撮りはCanon EOS-1D Mark IIIだなぁ。レスポンスが全然違うw
あとシャッター音がチープなんだよねw なんで「ペシュー」って音なんだろうw Canon EOS-1D Mark IIIの「ガゴッ」って音が良いよねw