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野鳥シーズン突入の今だからTokina AT-X AF 400mm 1:5.6を再評価する。

2014年12月01日 | 俺の撮影

俺は、このブログのアクセス統計は取っていないんだけど(gooブログのアクセス統計は有料)、アクセス数のランキングは出るので、ここに来る皆さんが何に興味を持たれているか、参考にしたり、励みになったりしています。

その中でも忘れた頃にアクセス数が伸びるのが「Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6」の紹介記事です。確かに、古いレンズなので、紹介しているサイトなんかほとんど無いですもんね。だったら、希有なサイトとしての責任を果たすべく(?)このレンズを少し掘り下げてみようかなと思います。と言っても素人目線ですがw


Canon EOS 5D Mark II + OLYMPUS G.ZUIKO 50mm AUTO-S 1:1.4
1/40s, f/2.8, ISO 1,000

このレンズ、一応スペックをおさらいすると、400mmの単焦点オートフォーカスレンズです。開放絞り値はf/5.6。最小撮影距離は2.5mと、撮る物を選びます。

どう考えても、屋外での使用を前提としたレンズです。体育館とかでも使いたいところですが、スポーツの撮影とかは無理ですね。シャッター速度が稼げない。被写体がほとんど動かないようなもの…講演とか?そういうものは使えるかも?

 

このレンズはいつ頃発売されたのか、調べてもよく分からないのですが、恐らくキャノンがデジタル一眼レフを発売する前です。そう、フィルムのISO値800とかだったら、「暗くて使えねー、糞レンズ」って評価なんでしょう。

その評価のままだから、今やヤフオクなどでは15,000円~20,000円でゲット出来ます。(俺は、レンズキャップ欠品とかで、1万ちょいで買ったかな?72mmの汎用のキャップが使えるので、問題なしです。)

 

ですが、本当に糞レンズなのか?です。フィルム時代と今は違います。フィルムと、デジカメのイメージセンサーでは感度が全然違うからです。「暗い、そんなのは分かっている。暗いレンズでどうシャッター速度を稼ぐか。」そこに意識を持っていけば十分使えるレンズです。

ちなみに…EF 400mm 1:5.6 L USMの相場は10万円程度。

Canon EF 300mm 1:4 L IS USM+Canon EXTENDER EF 1.4x(420mm、1:5.6相当)も10万円ぐらいします。

如何にコスパが良いかですね。


Canon EOS 5D Mark II + OLYMPUS G.ZUIKO 50mm AUTO-S 1:1.4
1/10s, f/2.8, ISO 640

このレンズ、SDレンズという、キャノンのLレンズに使われている蛍石レンズのバッタモンが入っています。だからでしょうか?Lレンズのような赤ラインまでレンズに入っていますねw

このレンズの特徴は、400mmという望遠でありながら、小さく、軽いというところです。特に軽さ。1050gしかありません。単純に比較して良いのか分かりませんがCanon EF 300mm 1:4 L IS USM+Canon EXTENDER EF 1.4xは1550gですから、500mlのペットボトル1個分ぐらいの差がある訳です。これは、野鳥撮影のような野外をガシガシ突き進んでいく撮影では大きなアドバンテージになります。

では、このレンズ、欠点はないのかというと、あります。

「オートフォーカスが、遅い&モーター音がうるさい」

これですねーw USMに慣れている人には、なんだこれ?って思うんじゃないですかね。特にモーター音&ギア音は古くささを感じさせますね。「ジャアアアアアアァァァ」って音がします。

ただ、実際の撮影時にこのモーターが撮影の足を引っ張るかというとそんな事は少ないです。(ないとは言いきれないw)

だって、野鳥はどうしても被写体から7mぐらい離れての撮影になります。そのくらい離れると、野鳥がモーター音にビビって警戒する、なんてことはありません。また、20mも離れたら撮影を諦めざるを得ません。その範囲でのピント合わせだったら、そんなに時間はかからないし、モーター音のするのも「ジュコ」って感じで一瞬です。

さすがに、大勢の人が三脚を設置するような野鳥スポットで、大きな音を立てるというのは顰蹙ものかもしれませんが…でもそういう場所って「ジュガガガガガ」って激しいシャッター音立てる人もいるから、お互い様だと思うんですけどねw

 

さて、あれこれ言ったって、どんな写真が撮れるか、ですよね。先日の撮影散歩での写真をお見せします。


Canon EOS-1D Mark III + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6
1/640s, f/9, ISO 1,000

まだ、夜が明けたばかりで暗かった頃です。

このカメラと、このレンズの組み合わせでは、400mm×1.3=520mm相当となります。手ぶれ補正機能の付いていないこのレンズで、ぶれなく撮影しようと思ったら、1/520秒より速いシャッター速度が理想です。

この時間帯では、とても野鳥を撮れる明るさはありませんので、こうしたシルエット系でシャッター速度を稼ぐ撮影をします。

こういう被写体だと、背景が明るいし、この場合のセミの抜け殻は黒潰れしても問題ないので、シャッター速度が稼げる(速くて良い)んですよね。


Canon EOS-1D Mark III + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6
1/500s, f/8, ISO 1,000

ジョウビタキ。

だいぶ明るくなりました。被写体に直射日光が当たるようなところでは、もう普通に撮れますが、ISO値は1,000と高めを維持しています。

ISO800のフィルムだと、もうちょっと明るくなるの待ち。もしくは絞り開放でシャープさを犠牲にするか?ですかね。

 

俺は普段はRAWで撮影し、家に帰ってDPPで現像します。だからホワイトバランスなんか気にしなくて良いんですよね。とにかくシャッター速度を気にかけて、ISO値を増減して、よりシャープかつ高画質の落としどころを探す。そんな感じでやっています。

…ですが、野鳥撮影は一期一会。野鳥に対して「はい、目線はこっちー。そのまま動かないでぇ。」なんて訳にはいきません。あと、望遠レンズでの撮影はバードウオッチングも兼ねてますから、いつもいつもシャッター速度を理想のものにしているかと言われると…出来てないですねw


Canon EOS-1D Mark III + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6
1/320s, f/6.3, ISO 1,000

アオサギ。

こいつら、結構警戒心が強いから、なかなか近づけない。トリミング無しでこれは、結構寄れた方だと思います。で、動きが少ないので、シャッター速度長めでもくっきり。

目のハイライトが生命力アップしてますよね。


Canon EOS-1D Mark III + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6(トリミング)
1/400s, f/7.1, ISO 1,000

ハクセキレイ。

水を飲んでいるところなんですが、くちばしの先で水玉を咥えているみたいで、面白いでしょ?え?そうでもない?

ああ、ちょっとこのレンズの悪いところ、パープルフリンジが出ていますね。

まあ、出てもこの程度と割り切れば、問題ないかな~?


Canon EOS-1D Mark III + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6(トリミング)
1/200s, f/5.6, ISO 1,000

今年初のツグミ。この個体は実に丸々してかわいいですw

ここは日陰になっているところ。

こういう所の写真は若干コントラストが弱めに写る傾向があるようです。こういう時は、現像時にコントラストを増強し、場合によってはシャドウを強めにしてやれば、まずまず見れる写真になるでしょう。

この写真も、羽根の茶色が淡すぎていたので、コントラストの調整をし、背景の黒いところはシャドウを強めにしました、結果鳥が浮かび上がったようになっています。


Canon EOS-1D Mark III + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6(トリミング)
1/640s, f/9, ISO 640

カシラダカ。

もう十分な明るさになって来たので、ISO値を640にしました。本当は400ぐらいまで上げて、画質を追求したいところなんですが、野鳥って、葉っぱの影とかに入るとすぐ明るさ足りなくなるからw

だから、葉っぱがなくなるこの時期が野鳥撮影のシーズンな訳ですよ。


Canon EOS-1D Mark III + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6(トリミング)
1/400s, f/7.1, ISO 640

シジュウカラ。

結構大胆にトリミングしてみました。

毛のふさふさ感は、Lレンズにも負けていない表現力だと思います。現像時に画像が荒れない程度にシャープネスを増強すれば「これ、Lレンズで撮りました。」って言っても通用するでしょう。

通用したらしたで、セコい嘘をついた微妙な敗北感を感じますがw


Canon EOS-1D Mark III + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6(トリミング)
1/500s, f/8, ISO 640

メジロも久々に発見。相変わらず怖い目をしているw

メジロはものすごく細かい動きをしますから、十分だと思えるシャッター速度でも若干ぶれちゃってますね。


Canon EOS-1D Mark III + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6
1/1000s, f/11, ISO 640

ちょっと気分を変えて葉っぱとか。

最小撮影距離付近で撮っているので、しっかり絞っても、背景がトロトロにボケて俺好みです。


Canon EOS-1D Mark III + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6
1/320s, f/6.3, ISO 640

今日イチの写真。

紅葉とエナガ。エナガのこの上から目線。腹立つわ~w

とにかく良い色が出た。それが嬉しい。

これ、相当現像時に色々やったと思われるかもしれませんが、実はノータッチ。条件が揃えば、小細工とか必要ないんですねw


Canon EOS-1D Mark III + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6
1/500s, f/8, ISO 640

シジュウカラ。突いているものは…蜂の巣?

大きさ的に蜂の子がいるとは思えないんだけど、蜂の巣自体が食料なのかなぁ?


Canon EOS-1D Mark III + Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6
1/640s, f/9, ISO 640

吠えるエナガ。

「チュリーー、チュリーーー」ってかわいい声なんですよね。

 

さてどうだったでしょう?割とまともに撮れるレンズだと言うことはご理解していただけたかなぁと思います。

このレンズ、手ぶれ補正(IS)機能は付いていませんが、野鳥メインというのなら、そんな機能あったって実はあんまり恩恵はないんです。

例えば、IS無しで1/500秒でぶれなく撮影出来るところ、ISの効果で1/200秒までシャッター速度を稼げた。としても、くっきり撮れるのは枝だけで、常に動いている野鳥はどうしても被写体ぶれしちゃうんです。

被写体ぶれしない様にシャッター速度を稼ぐことは、同時にIS無しで手ぶれを防ぐことにもなる訳なんですよ。

 

俺もそれに気付いてから、ISなんてジオングの足。程度にしか思えなくなりましたね。(アレ?俺、今、名言吐いちゃった?)

 

と言うことで、Tokina AT-X AF 400mm 1:5.6は良いレンズです。2万円とかでこの性能は、バーゲンセールですよ。もちろんキヤノンのLレンズの方が画質は上でしょう。並べて比較したら一目瞭然だと思います。

でも、値段は5倍なんで、画質も5倍かと言われたら、そんな事は無いです。くっきり感が、色合いがなんか違う、そんな程度の話だと思います。そこは現像のやり方次第である程度カバー出来るものです。

皆さんも手にする機会がありましたら、使って欲しいと思います。お薦めですよ。(あくまで個人の感想で、感じ方には個人差があります。と予防線は張っておくw)


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