実は先日朝の通勤途中に落車(転倒)しました。限りなく衝突に近い自損事故です。
職場へは、「放し飼いの犬が突然路上に出て来て、それを庇って転倒した」と報告しましたが、それは実はウソ。本当のことを言うと、色々面倒そうだったので。警察呼んだか?とか絶対言われるだろうし。
でもま、こういう事故もあるんだよ。ツーキニストの人、気をつけて行きましょう!という話題提供と言うことでぶっちゃけます。俺をしくじり先生にして、慣れた道でも安全確認を徹底してください。
【1時間目】落車はなぜ起きたか?
画像はGoogle Earthより
これ、俺の通勤路。橋の下を通るとき、土手の歩行者自転車専用道路から一度車道に出て、もう一度土手の歩行者自転車専用道路に戻るところです。
写真では、お昼寝のクルマが並んでいますが、朝はほとんど車両は停まっていません。ですから、この道の左側を通っていれば、自動車に絡む危険はほとんどありません。
落車した日も、ここには車両は無く、ただ、夜、ここで休憩をした人がいたのか、食事をしたようなゴミが散乱していました。こんなの踏んだら、いけないと、足下には注意しましたが、車道にクルマは無く、向こうの土手にも自転車も歩行者もいません。はるか遠くに犬の散歩をしている人が見えましたが、そこを通過する速度は今決めることじゃないという感じで、現状はコンディショングリーンで、大変リラックスして走っていました。
画像はGoogle Earthより
で、橋をくぐったところ。
今は下り坂を走ってきてスピードに乗っています。ただ、橋の下に割と大きめの段差があり、そこはゆるめの速度で走ります。さあ、ここから上り坂、ダンシング(立ちこぎ)して今の速度を維持したいところです。
(写真は車道側から写しているので、本当は、矢印のように左側を通っています。感覚的にもう少し左の壁の圧迫感があります。)
ここは今まで何千回と通ったところなんですが、まさかここで転倒するとはw
なにが起こったかというと、このピンクのクルマの位置ぐらいを通過中、今まで目の前に何も無かったところに、いきなり人が現れました。テレポーテーション?パニックです。
画像はGoogle Earthより
その状況を別の角度から。
飛び出てきたお兄ちゃん(黄色の矢印)は、この急な斜面を降りようとして、足が止まらなくなって、その勢いでジャンプした様子。
俺は、路外から浸入してこようとしている歩行者がいると分かれば、土手に上がらず、車道側に回避ってことも出来たかもしれないけど、なんせ、飛び出し…と言うよりは、万歳しながらジャンプしている人が急に現れたので、とにもかくにもフルブレーキング。頼むからもうそれ以上進むなと祈りながら…でも勢いはあるよね。2,3歩前に進むお兄ちゃん。ああ、こりゃ、法面に落っこちて、大事故か?
…と思ったけど、思った以上にブレーキが利いてお兄ちゃんの身体との接触は回避。大きな部活用のカバン(?)は自転車のフロントフォークと俺の左膝に接触する。
不幸中の幸いだったのは…
・ゴミと段差を回避するため減速していた。
・上り坂だった。
・タイヤが良かった?
の条件が重なって、自分が思ったラインと寸分違わぬ動きが出来た。車速ゼロになり、シューズがビンディングに固定されている状態では自転車は転倒するしか無いので、バターンっと!こけているのに、極限状態で自転車をコントロールし切れた自分に満足している変態な俺w
良く覚えている。まず右側のドロップハンドルが地面に接触。右肘を地面に打ち付け、肩を強打。次は頭、身体を強ばらせた瞬間、ムニュ。
えええ!ヘルメットしていると、ここまで頭への衝撃が無いんだ!
驚いた。ノーヘルだと、脳しんとうと言わないまでも、目の前に星が飛ぶ。星が飛んでる間は、何がなんやら分からなくなる。正気に戻るまで、そこに座り込むなんてことも良くあった。正気を保てても、首なんかにさらにダメージを受けるときもある。
車速はゼロになったとは言え、1m50cmぐらいのところから頭をアスファルトにたたきつける訳なんで、今まで無事だったのが奇跡で、頭はヘルメットでこうして守るんだと痛感。
お兄ちゃんが「大丈夫ですか?」と駆け寄り、まず自転車を起こしてくれた。すりむいた肘が痺れるけど、それ以外は大丈夫だ。服も破れていない。俺も起き上がる。スッと起きれた。骨も筋も何ともない。
「怪我は無いですか?」
「そっちこそ。こっちはよけたつもりなんじゃけど。」
「ええ、絶対当たると思ったけど、よけて、こけて貰って、すいません。」
お兄ちゃんはなんの部活か知らないけど、体育会系で応対が俺好みだ。喧嘩をしたい相手じゃ無い。
「俺は、もうエエよ。もう飛び出しはやめてな。今度はぶつけたるけぇ。」
「すいません…それじゃ…。あ、そっちは大丈夫ですか?」
俺が話しながら、タイヤが回るか、ブレーキが利くか、チェーンは問題ないか、外れたパーツは無いか?無意識にチェックしているものだから気になったのだろう。
「俺の作ったチャリはそんなヤワじゃねーやい!!」…と言いたいのはこらえてw
「お兄ちゃんに弁償して貰うようなところはねーな。もう学校行き。」と解散した。本当はバーテープ破けたし、サドルの傷も大きくなった。両方新品にしたら1万円!って言いたいところだけどw
その後、時計を見ると、少しスピード上げないと遅刻かも?って感じ。
いつも通りのスピードで走ってみる。まともだ。さすが、フレームのアンカー、ホイール&コンポのシマノはちょっとやそっとじゃ何ともない。手放ししたって真っ直ぐ進む。やっぱ日本製だなと思う。中華○○なんか安いパーツが手に入りやすくなったが、こういう時にパーツの破断とか心配だよね?そういうのはアクセサリーにとどめようと再確認。
仕事終わって、事故現場に戻ってみる。思ったよりタイヤの跡が残ってた。やっぱ俺変態だ。転倒の後悔より、回避の自己評価に顔がゆるむ。
でもまあ、反省はしないとね。あそこからも人は飛び出てくる。その危険は覚悟して毎朝あそこを通らないと。
画像はGoogle Earthより
ということで、おさらい。
お兄ちゃんも、本来ならぐるっと回って下に降りないといけないんだけど、ショートカットしたい気持ちは分かる。
恐らく、小学生の頃、この辺はお兄ちゃんの遊び場だったのかもな。この辺を通る中学生はだいたい自転車通学だったりする。学校からも離れているから。だから、今まで、ここを通る人を見たこと無かったんだけど、今日はなんか寄り道でもしたくなったのかな?それで、昔のようにここで飛んでみたくなった…みたいな。子供の頃は落ちるだけだったけど、今は結構飛び出せるほどになってたとw
まあいい。俺は今度からここは右端を通ることにしよう。
え?いつもクレーマーになるほど自己中心的なお前が、今日はやけに温情的だな、って?
まあ、少年相手に、警察だ、示談だ、賠償だなんて大人のやることじゃないなと。もちろん、相手を被害者にさせてしまった場合は、しっかり対応をします…。今回は見逃してください。
また、温情的になれたのは、ヘルメットに守られた、冷静なままでいられたと言うのが大きいと思う。
では、頭を守ったヘルメットについて、思うことを。
【2時間目】ヘルメットはすごいんだぜ
Canon EOS 5D Mark II + Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO
1/50s, f/5, ISO 1,250
今回右側頭部の後ろ寄りをヘルメットに守って貰いました。
結構細かい傷が付いています。この一つ一つが頭に衝撃を与えたかと思うとゾッとします。
倒れたとき、ヘルメットがボコンとへこんだような気がしましたが、形は復旧していますね。単車のメットは、シェルは回復するけど、中の緩衝材は潰れたままなので、一度でも転倒したら交換することと言われているけど、自転車はどうなんだろう?
緩衝材(発砲スチロール)はへこんだ様子も無く、左右も対称。まだ使えそうな気がするなぁ…。
Canon EOS 5D Mark II + Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO
1/30s, f/2.5, ISO 400
ここで改めて、ヘルメットの形を考えてみます。
自転車のヘルメットはアニメキャラの髪型のように、風の流れをイメージするようなデザインをしているものが多いです。
もちろん、頭を冷やすための空気穴、僅かでも軽量化したくて肉抜き、他の商品とのデザインの差別化などで形が決まるんでしょうが、マジマジ見ているといろんな事に気づきます。
自転車のヘルメットで一番格好悪いのは、頭がキノコのようになること。もちろん緩衝材を厚くして頭を保護するのが一番なんでしょうが、それではヘルメットを嫌う人が増える。デザインでそれが解決するなら、各メーカーのデザイナーは頑張っていると思います。
キノコのようなイメージにならない様にするには、絞れるところは絞る。出すところは出して、別の形に見せるそういうところでしょうね。
写真の青い線はヘルメットの中の頭蓋骨の位置のイメージです。今回一番傷が付いたのは、赤い部分です。
この部分ね「猫耳かい!」ってイメージで、ちょっと嫌いなデザインだったんですよw
でも、この部分が出っ張っている分、頭蓋骨へのダメージが減ったのかなと。また、猫耳に見せる事でキノコでは無いように思わせたとw
そして何より、ここが(その下の部分も含めて)出っ張っているから、首が折れなかったのかなと。何も無く、側頭部を地面に付くまで倒れたら、頭は動かない、身体は持ち上がるで全部首にストレスが来てしまう。
でも今回。早い段階でメットが早い段階で接地して、変形しながら衝撃吸収。全然首にストレス無かったです。衝撃がメット内で解消されるので、本当に、肩、背中、腰、ありとあらゆるところに好影響があったと思います。
Canon EOS 5D Mark II + Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO
1/30s, f/2.5, ISO 400
同じような配慮は、前頭部にもありました。
また、色を切り替えることによってもヘルメットが膨らんでいるイメージを和らげていると思います。
さすがOGK。(現OGKカブト)
Canon EOS 5D Mark II + Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO
1/30s, f/2.8, ISO 800
そして、自転車のメットはやり過ぎだと思ってしまう後頭部のギザギザについても、デザインと言うだけで無く頭蓋骨からの距離を確保するためのデザインなんだと思うと、色々見方が変わってくる。
この部分、このメットはギザギザの1本1本が太い。だから、しっかり衝撃吸収してくれると期待出来る。
だけど、デザイン重視なものは、「そのギザギザ、いざって時、折れません?」そんなものが良くあるよねw
とにかく、俺は今回ヘルメットの凄さを痛感した。
ヘルメットをかぶるのはなんのため?マナー?ロード乗りのプライド?
違う。自分のためだ。それ以外何を言っても後付けの理由。俺も最初は、「子供に自転車に乗るときはメットをかぶるように指導している手前、俺もかぶろう。」ぐらいだった。最初は周囲の目が気になった。でも今は風呂上がりにパンツをはくように、自転車乗るときはメットをかぶっている。
この記事を見てしまって、まだメットはちょっと…と思っている方、手遅れになる前に、買ってくださいと。
贅沢を言わなければ、ヤフオク中古で、2,000円ぐらいの物です。(現にこのメットはヤフオクで1,600円でしたし)
良いデザインの物は、金が貯まってからで良いです。金が貯まるまでは安物でもいいじゃない。安物かぶってりゃ、本当に自分がメットに求めるところも分かってくるし。
さて、頭は守られた。肘は化膿もせずにかさぶたになった。
あとは、自転車のダメージを直しましょうか。
【3時間目】醜いところを隠すところからオシャレは生まれたと思うんだ
Canon EOS 5D Mark II + Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO
1/60s, f/5, ISO 100
さっきも言いましたけど、倒れたのは、ドロップハンドルからでした。となると、グリップエンドはこんな感じで傷付く訳です。
その衝撃たるや、バーテープ2枚を破り、中のハンドルの塗装まで傷付けています。
こうなったら、気付かないふりして乗り続けるか、、新品のバーテープを買うしか無いと思うのですが、先日「バーテープの巻き直しは何回でも出来る」なんて記事を作ったばっかりなのに、新しいバーテープをこのタイミングで買うの?
これをきっかけに新しいデザインを考えられないか?
Canon EOS 5D Mark II + Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO
1/125s, f/5, ISO 100
うおりゃ!たっぷり余っている仕上げテープに使ったプラスチックテープがあるじゃない。
早速巻いてみる。追加費用ゼロ、カラーコーデ問題なし。何より10分で左右出来ちゃうお手軽感。
Canon EOS 5D Mark II + Canon EF 50mm 1:2.5 COMPACT-MACRO
1/250s, f/5, ISO 100
こうした前後をテープで仕上げるのって、どっかで見たなと思ったら、金属バットのグリップなんかがこんな感じですよね。
なんかそれっぽく仕上がってしまいました。
破けたバーテープは、こんな修復の方法もありますよ!と。
まあ、そう言う事で、皆様、安全運転で行きましょう。事故ってもブログのネタになるだけで、良い事ひとつもありませんから。