A Rider's Viewpoint

とあるライダーのものの見方

スピードからの解脱

2005-06-18 23:45:11 | ライディング
 「(公道でも)速いライダーは偉い」……これはこの世界での神話である。 少し自分のことを考えてみればわかると思うが、誰しも、いつでも、速くあろうとして走っている訳ではない。
 気分が乗らなかったり、体調がすぐれなかったり、スタート前に黒猫が前を横切ったり……。
それは当たり前のことなのだ。速いことと偉いことは違うものなのだ。

 しかしライダーというものは、隣を猛スピードで追い越されれば、ついスロットルを開ける右手に力が入ったりするものである。
 都内をゆっくりと流していたり、帰りの通勤で疲れているときでも、半ヘルで爆音で、余計な青いLEDをチカチカさせているような馬鹿スクーター乗りの小僧が、これ見よがしに目の前を塞いでいようものなら、静かにすり寄って、一気に抜き去ってやろうかと考えてしまうものなのである。

 しかし待て。

 誰からも、何者からも、できるだけいつも自由でありたいと願うライダーが、たったひとつスピードからは自由になれないのはどうしたことだ。

 スピードの呪縛から、「速いものが偉い」という虚言から、自らの心を解き放つことでライダーはもっと自由になれるのではないだろうか?

 「セルフコントロール」

 これが現在、僕の公道での目標である。