かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

イエローな早春の使者現る

2023-02-18 20:06:39 | 日記

几帳面な性格なら、天体観測手帳に「マンサク開花」、「タンポポ開花」、「シジュウカラ初鳴き」、「ウグイス初鳴き」と確認した場所などを書き込んでいそうなものだが、オイラにはその、几帳面という三文字が欠けている。

今日青葉城址のふもとを歩いたら、国際センターのマンサクが開花を始めていたし、タンポポの花も確認できた。タンポポは、冬ごもり体制のロゼット状の葉っぱのままで咲いていて、茎を伸ばしていない。これはどういう理由なんだろう。タンポポにインタビューでもしたくなる。今年が、例年より早いのか遅いのか、上記の理由により不明。

マンサクは、去年も?マークだったが、こんなに早い時期に花咲いて、「まだ虫も来ないだろうにどうやって子孫を育んでいるのか」という疑問が生じる。

だが、あるお方のブログを拝見すると、気温が5,6℃になるとやってくる極小のハナアブの仲間というものがいて、しっかりと媒介してくれるのだという。マンサクは虫媒花に分類されているらしい。そうか、花ばかり撮って虫の姿を探そうとしていなかったんだ。

花を写す姿勢を改めないとならないのだろう。花に寄ってくる虫がいるかどうか、根気がいるがじっくりと観察することだ。

まもなく、青葉の森にはウグイスやシジュウカラが鳴きだすのだろう。森で天然のマンサクにも会いたい。来週から、日課を怠りなく

 

 

     

開き始めはまるで紙細工のようだ。縁日で売っているくるくると収縮する紙の笛は何って言ったけ。

     

 

     

      タンポポさん、まだ茎が伸びていません。北風に折られるからでしょうか。

 

     

    冬鳥のツグミさんに会えました。北に帰る前にパートナーを探すのでしょうか。

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青葉の森チョウ図鑑・22年春

2023-02-17 13:43:59 | 日記

昨年から手元にチョウ図鑑を置いたことを契機として、青葉山の散歩で出会ったチョウたちにカメラを向けている。カメラを向けても、ほとんど、すぐにチョウの名前が浮かばない。知識がないからだ。翅裏・翅表の違いも分からなかった。撮って来たチョウたちの名前を同定するためにチョウ図鑑をめくっては、「こいつかな、いや紋様が違う、オスかな、メスかな、分からない、この地方に飛んでいるやつか、出現の季節は今でいいのか・・」と、さまざまな悩みが沸き起こる。それでも、悩みながら図鑑のおかげで、なんとか?マークをつけながらも、少しづつ仲間を増やしている。

当地では4月頃からチョウたちが現れ始めるが、今年はもう少し時間をかけて、翅表、翅裏、集まって来た花たちをじっくり撮影して、もっと名前と性別を明らかにした仲間たちを増やしていきたい。そして、田淵行男さんのように、食草や幼虫、卵までに観察を拡げられるヒトに、ワタシハナリタイ。

これまで撮ったチョウたちは、図鑑で見ると「ありふれた」チョウたちかもしれないが、大きなオメメと翅の紋様や色彩の美しさに触れるたびに一頭一頭それぞれに愛着を感じ、「造化の神々」の存在を疑わずにはいられない。



22’4月6日

  越冬後のヒオドシチョウ ♂♀不明

 

 

 テングチョウ ♂か

 

 ルリシジミか


22’4月12日

 キタキチョウ♂♀う不明

 クジャクチョウ♂♀不明


22’5月9日

 ベニシジミ ♂

 モンキチョウ♂♀不明

 ヤマトシジミ♂

 


 

 

22’5月10日

サトキマダラヒカゲ♂

 


22’5月18日

コジャノメ♀か


22’5月24日

 

コジャノメ♂♀不明

 コチャバネセセリ♂か

 


22’5月6日

 アオスジアゲハ♂♀不明


 

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剣十七景について

2023-02-16 18:01:12 | 日記

「一山百楽 私の山旅決算書」と前書された田淵行男さん81歳のご著作「山の手帖・田淵行男写真文集」(朝日新聞社昭和62年3月15日出版)を借りてきてパラパラと開き、なぜか最終章にあたるⅦ補遺から読み始める。

この章に随想「我が未登頂記」というのがあって、白山・有明山・餓鬼岳・雨飾山など近くに住まわれていても登れなかった山々が口惜しそうに綴られているが、その随想の最後のところに「剣十七景」という見出しがある。

何だろうと読んでいたら、田淵さんは被写体としての剣岳を大分気に入っていて、長い写真家生活の間に剣岳の「My展望台」というビューポイントを十七ヶ所ほど選んでいて、その「剣鑑賞の特別席」を「剣十七景」(つるぎじゅうななけい)と名付けているのだ。

長い間持ち歩いていた地図には、剣岳を中心として放射状の直線が引かれているが、いずれの線もその十七ヶ所の展望台から引かれている線である。

具体的には、時計回りに

①毛勝・猫又・釜谷の三山(毛勝三山)

②池の平山

③白馬岳

④唐松岳

⑤五竜岳

⑥鹿島槍ヶ岳

⑦爺ヶ岳(後立山)

⑧ハシゴ谷乗越

⑨新越乗越

⓾針ノ木峠

⑪烏帽子岳

⑫立山雄山

⑬剣御前尾根

⑭天狗平(立山)

⑮奥大日岳

⑯大日岳

⑰馬場島(バンバ島)

であるが、その展望地として挙げた中で、①の毛勝三山、⑧のハシゴ谷乗越、⑰のバンバ島だけはさまざまな事情で行けなかったことを悔やんでいる。それにしても、「剣岳専属写真家」ではないのに、かくも多方面から多数の撮影スポットを持ち球として地図に仕込んでいるとは、いかにも博物学者らしい、几帳面で、偏執的ともいえるこだわり方である。

人まねみたいに、オイラもヤマケイ新年号付録の地図帳にある剣岳に十七ヶ所の展望台からの直線を引いてみた。そしたら、オイラもこの50年近くの間に、十七ヶ所のうち十三ヶ所の展望台に立った経験があることが分かった。田淵さんが未踏の上記3カ所と烏帽子岳を入れて四ヶ所は足を踏み入れていないが、他の展望台には全部立ち寄っていることになる。

だが、そこからの剣の姿を、最近歩いた⑫雄山、⑭天狗平、⑮奥大日岳からの雄姿以外はあまり覚えていないし、撮影記録もどこかに行ってしまってる。せっかく「剣鑑賞の特別席」に招待されていたのに、剣の魅力を思い出として残していなかったことはさみしいかぎりである。。

だが、何もこれから剣に登れと言っているのではない。あらためて地図に書き入れた展望台の三つや四つにこれから向かうことは、そんなに大それたことではない。こないだは、鹿島槍にもう一度行きたいと考えていたではないか。⑥鹿島槍、⑦爺ヶ岳、⑨新越乗越を再訪し、「裏剣」(うらつるぎ)の雄姿をもう一度じっくり味わうことはこの夏でも可能ではないか。

①の毛勝三山、⑧のハシゴ谷乗越、⑪烏帽子岳だってちゃんとした登山道はあるのだし、行こうと思ったら行けないことはない。とくに、毛勝からの剣は、剣を北側から間近に眺めるのであり、あの冠松次郎さんも「毛勝岳こそ日本北アルプス中最もすぐれた山の展望台と言えよう」と激賞されているとのことで、願うなら目の黒いうちに山頂に立ってみたい。(ただし、バスを降りてからのアプローチが長く、さらに登山口からの登りが8時間であり、ビバーク覚悟でいかないとならんだろう)

 

田淵さん、ありがとう。またおみやげを残してくれていた。

 

        

            田淵行男「山の手帖」から

 

     

 

 

 

     

                 奥大日岳からの剣岳

 

     

                   立山天狗平方向からの剣

 

 

 

 

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野生とのささやかな交流

2023-02-15 15:11:54 | 日記

毎朝ということではないが、12月から3月の初めの寒冷期に限って、ベランダに玄米を少しだけ撒いて野生のスズメたちと交流しているが、三年ほど前までには、ヒヨドリの(たぶん)ペアもやって来ていて、スズメ軍団を追い払っては、ぶきっちょなつまみ方ではあるが、ペアがなかよく交互に舞い降りてきて小さな玄米を一粒づつ啄んでいた。追い払われたスズメもなかなかやり手であって、ヒヨドリの背中側に舞い降りて気付かれないようにつまんだり、ヒヨドリが気付いて振り向くととっさに後ろ側に回っては、米をつまむなど機転を利かしていて、そんな彼らの様子を観察するのを楽しんでいた。

それが、この2年間はヒヨドリはベランダにはやってこなかった。ナワバリ意識の強い野鳥といわれているヒヨドリたちは、家族ごとどこかに行ってしまったのか。天敵に襲われて滅んでしまったのか。少し心配していた。

それが、今年になって毎日ではないが、ヒヨドリの(たぶん)ペアが姿を見せてくれて、またスズメ軍団とやり合うようになった。3年前のペアなのか、その子孫なのか、またはあたらしい家族なのか、そんなことまで分からないが、古い客がまた店に戻ってきてくれたようで、なんだかうれしくなった。

このヒヨドリの特性として褒めてやりたいのは、一羽が啄んでいる間に、もう一羽が近くに待機しているようで、少し食べたら一羽が飛び去り、すかさずもう一羽がやってくるというチームワークの良さである。天敵への防衛手段なのか、スズメたちにスキを与えないという戦術なのか分からないが、いつもペアで行動する彼らに身についている処世術なのだろう。

姿も鳴き声もあんまり可愛くはないヒヨドリではあるが、虫のいない季節には、ツバキやサザンカの蜜を吸いながら、ツバキたちの受粉のお世話をしてるとのことであり、鳥媒花にとっては恩人だろう。

あと半月ばかりか。もう少しだけ、野生たちと交流しながら春を待とう。

 

   

 

     

     

 

     

 

 

 

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時の旅蝶・空の旅蝶を追い求めて

2023-02-13 17:55:50 | 日記

2023年初頭に、写真家田淵行男さんに出会ったことは、何かの縁(えにし)だと思う。と言っても、田淵さんの作品にはすでに「山の手帖 田淵行男写真文集」などで出会っていたのであって、なぜ今になって、図書館から何冊も著作を借りてきたり、春の安曇野旅行まで計画するだけの意欲が湧いて来たのか。

それは、たぶん田淵さんの本質=博物学者としての山や生き物に対する愛情、に打たれたからに違いない。とくに田淵さんと言ったら「チョウ」だ。

2、3年前から、オイラは旅する蝶アサギマダラやスプリングエフェメラルと言ってもいい早春の蝶ヒメギフチョウに出会ってから、チョウたちの生き方やたたずまいに関心を抱いてきたが、このことが「田淵行男さんとの再会」の背景にあったのかもしれない。

1983年、田淵さんが78歳ころに上梓された「山の絵本 安曇野の蝶」という本を借りてきて読んでいる。この本には、安曇野や常念岳を中心とするエリアで田淵さんが出会った50ばかりの蝶との出会いや細密なチョウたちの写生図が克明に記されていて、とくに主にチョウが翅を閉じた際の翅裏の写生図は大きく美しく、まるで大型カメラで撮影したカラー写真かと見紛うばかりである。

が、それらの絵は、田淵さんが冒頭で述べている通り、写真ではなく「絵の本質をふまえた肉眼的な視点で特徴を捉え、それを自主的に強調することで、写真とはっきり一線を画した」田淵さんの個性あふれる絵画である、何十年も書き溜めた美しい芸術作品なのだ。

 

 

 

美しい写生図と文章を読んで。あらためて、田淵さんの蝶に対する偏執的なまでの愛情にめまいがする思いである。オイラも、それら50種にも及ぶ美しいチョウたちに出会ってみたいが、本作品上梓の頃には、すでに安曇野の開発(日本列島の開発)によって姿が見えなくなったチョウたちも多く、田淵さんはこの本を「これらの蝶の絵姿は、私にとっては、昔の安曇野を偲ぶ形見のように思われる。」と締めくくっており、いまさらオイラが安曇野を歩いても、もうこれらのチョウたちを追体験することはかなわないことなのだろう。

そして、オイラにしてみれば、チョウたちとの出会いがあまりにも遅かった。いまさらチョウたちを追いかけてあちこちに旅する年齢ではなくなっている。

だとすれば・・・この先どのようにチョウたちと係わっていけばいいのか。

そうだ、オイラが今の時代も出会うことができて、大きな関心を寄せている前述の二種のチョウがいるじゃないか。

いわば「時の旅蝶」ヒメギフチョウと「空(間)の旅蝶」アサギマダラが。

ヒメギフチョウは、昨年の春ようやく蔵王山ろくの1000Mも満たない山の山頂で出会うことができたし、アサギマダラにだって、もちろん街中の野草園でも出会っているが、蔵王登山中のヨツバヒヨドリの仲間が生えているような草地で何度か出会っているし、この先も出会うチャンスは多いのだろう。

 

だとすれば、オイラはこの先、ヒメギフチョウとアサギマダラに集中して、彼等の生態を観察しながら、カメラに収める「努力」をしていこう。

あんなに会うことは厳しいかなと思っていたヒメギフチョウだが、

① どうやらヒメギフチョウの♂♀は、山の頂上をデートスポットにしているようだ

② 日本野鳥の会最新の機関誌「野鳥」で昆虫写真家の海野和男から教えてもらったのだが、ヒメギフチョウの♀は、子供たちの食草であるウスバサイシンに卵を産みつけるとき、ウスバサイシンがまだ葉を開ききらない二つ折りのときに、葉の裏側となる場所を狙って葉に近ずくそうだ。

これらのことが分かってきた。だとすれば、蔵王山域でもそのような場所と時期を選べば、ヒメギフチョウに出会えるチャンスは増えそうな予感がする。

そして、アサギマダラだが、年二回夏までに南の国から渡ってくる個体、秋に生まれて南に旅立っていくその子孫たち、この地でも年二回は彼らに出会うチャンスがある。

この先、春先のピンポイントの地域のわずかな命だが、永遠の命のリレーを夢見て旅立つ「時の蝶」ヒメギフチョウと日本列島の空を旅しながら世界の広さと旅する勇気をを教えてくれる「空の蝶」アサギマダラ。

この「時空を旅する」二種に特化して、出会いを求める歩きをしていこう。

彼らに何度か出会えて、ある程度、彼等の生態が分かってきたら、田淵さんに手を合わせよう。「ありがとう」と。

 

 

     

     昨年4月末、蔵王エリア、A山山頂で出会ったヒメギフチョウさん

 

     

     野草園のフジバカマの花に来ていたアサギマダラさん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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