思い出したように「岳人」2021年9月号の特集「登山の効用」を棚から引っ張り出す。
「登山のためのカラダ作り」が特集されているためだ。
冒頭「加齢とコロナ自粛の運動不足で体力は日に日に低下します。快適で安全な山歩きのためには、
日頃のトレーニングは欠かせません。」とある。
① 登山ボディチェック
② バランス力を高めるトレーニング
③ 柔軟性を高めるトレーニング
④ 持久力を高めるトレーニング(踏台昇降運動・スロージョギング)
⑤ 膝と腰を強くするトレーニング
⑥ 登山時に効果的なストレッチ
をしっかり読み直して、実践しよう。
特に④の持久力を高めるトレーニングを明日、二月から再開しよう。(今日からではない。)
踏台昇降運動は、ザックを12kg(2L水を入れたペットボトル×6本)でテレビを見ながら30分。
スロージョギングは、1日10kmを90分程度の時間をかけて。
今年は、
5月に、大峰山奥駈道前期踏破5日間
6月に、霧ヶ峰~美ケ原ロングトレイル5日間
7月に、南アルプス南部縦走10日間
などハードなスケジュールを立てている。(といってもSlow&Lightスタイルに徹して)
そろそろこれらに向けたトレーニングを始動しないと、計画は画餅に帰すだろう。
そして、ダイエットだ。この冬2~3kg、腹回りは3cm以上「成長」しているものと自覚している。
荷を削っても、体を重くすれば結果は同じ。
すこし、修行僧や高齢ランナー、金時山・高尾山・金剛山などへの毎日登山者などの暮らしぶり、生活態度
を見習いながら、やっていこう。
日本百名山 MY SONGS 96 祖母山(そぼさん・1756米)
【深田日本百名山登頂の思い出・再掲】
先に記したように、祖母山には阿蘇山・九重山とともに、レンターカーを足として1999年の11月ころに登っている。一番、距離の短い竹田市の神原登山口から往復している。
が、東北に在住するものとして祖母山という名はマイナーで、登る前にこの山の良さを研究したわけでもなかったので、当時は「深田百名山に選定されているから」という理由だけで登ってきたと記憶している。休日だったのか、やけに登山者が多かったのを思い出す。山頂にもおおぜい休んでいたので、大した展望を楽しむわけでもなく、山頂の標識にタッチする程度で折り返したようだった。
それで、何年たっても百名山登頂の中で、祖母山は、オイラの中では影薄い山として存在し続けていた。
2019年4月1日、北帰行の途中、立ち寄った竹田市の岡城址の高台から東に目を向けると他の山域から抜きんでたようなおおらかなピラミダルを描いている山が目に入った。展望案内板が祖母山だと教えてくれた。あんなに形の立派な山であったのか。マイナーなイメージでいた祖母山には申し訳ないという気持ちでいっぱいだった。
2019.4.1岡城址から祖母山
あらためて深田さんの百名山を読んでみた。そしてあらためて深田さんの山を愛する心根の深さを感じた。
深田さんは、祖母山に登る2年前、九重山から祖母山と傾山(かたむきやま)の山容を眺め、「あれに登らねばならぬ。」と決意している。
そして深田さんの祖母山を評する、以下のくだりがいい。
「たしかに祖母山は一瞥直ちに人を引きつけるという際立った山容ではない。ケレンもなく、奇抜さもない。しかしその滋味はみつめるに従ってじっくりと来る、といった風の山である。こういう山は流行には乗らないが、不易の命を持っている。」と。
深田さんは、1962年、まだ登山者がいない早春の3月を選んで祖母山に登り、1時間も山頂にいて展望を楽しんでおり、翌日には傾山にも登っている。
深田百名山「祖母山」を読み直し、フカダイズムとは、このような山への向き合い方と行動であると、あらためて教えられた。「そんな気持ちで登ったのか、バカモン!」と叱咤を受けた気持ちになった。
深田さんは、登山の後、岡城址に立って祖母山(右)と傾山(左端)を目を熱くしながら眺めた。
(2019年4月1日、新年号を「令和」と訊いた日に)
深田氏が眼を熱くした古城より祖母を望んだ令和の早春
早春の静かな山が好きだという深田イズムの足どり軽く