お彼岸の四日間、関西で遊んできた。1日目は、移動とモンベル店での買い物で終わる。飛行機にガスカートリッジを持ち込めないから、着いたら近くの山道具店などで購入することにしている。大阪で知ってる山の店は、大阪駅近くモンベルだけなので、奈良の宿には遠回りと思うが、地図などの購入にあわせ確実なそちらに行く。
かつて、南アルプスに羽田から直行したとき、登山基地や尾根上にある山小屋でガスカートリッジが置いてあると高を括っていたところ、売っていないので、下山する登山者にいちいち声を掛けて「余っていたカートリッジ」を譲ってもらった恥ずかしい経験があり、その時から街でしっかり購入しておかねばと学習する。東京駅なら、大丸にあるICI石井など。
ダイヤモンドトレール、主峰金剛山の「金剛石」にちなんで、奈良の屯鶴峰から日本三百名山の大和葛城山と二百名山の金剛山を経て、大阪の槇尾山まで辿る45kのロングトレール。京都1周。六甲山縦走とならび、いまどき関西のトレランのメッカとなっている。
六甲山と京都1周は、すでにトレールしているので、未体験ゾーンの山域に、今年のお彼岸を利用して入り込む。当初、登山基地の駐車場にテントを張ってスタートする予定だったが、寒冷前線通過の雨もよいだったため、4000円の旅館に宿を取る。78歳の女主人がひとりで切り盛りするこぎれいな宿。二階から、「寅さん」が声を掛けてきそうな古い宿。
翌日、未明の当麻寺駅を、ダイヤモンドトレールの起点にする。二上山はすでに何年か前に登って、下山に当麻寺を詣でたことがあるから、今回は、はしょって平石峠というところから実質コースに入る。二日目も、バス時刻の関係で滝畑ダムで終えているので、最後も少しはしょった。全体で、40k程度か。
1日目、小雨のち曇り、当麻寺~平石峠~大和葛城山~金剛山~ちはや園地テント泊、行動時間12時間。
2日目、晴れ時々曇り、朝氷点下3度、 ちはや園地~紀美峠~岩湧山~滝畑ダム、行動時間10時間
3年ぶりとなるテントを背負っての22時間は、「応えた」。いかに、重い荷を負っての山歩きをしていないか。衰えは顕著である。加齢による体力低下と、歩荷(ぼっか)トレーニングを怠っていることの相乗効果によるダメージ。
が、一人だったため、ところどころ立ち止まり息を整えながら、マイペースで歩いた。つくづく「一人はいいな」と感じた二日間。麓に都会が控えているというのに、二日間で出会ったのは6・7人と犬一匹。
ウグイスやシジュウカラといった早春の早鳴き小鳥と風に呼応するヒノキやスギ木立。オイラのお供はこれだけで十分だった。
これじゃ、この夏や秋に予定している1週間程度のテントアルプス山行は、思いやられる、無理かも。とも、暗い心地も潜ませた1日目ではあったが、2日目は、午後4時19分のバスに間に合わせようと、山と高原地図や看板の標準時間に合わせながら「一所懸命」歩んだため、標準に遅れをとることがなく、つつがなく山行を終えた。体が、重荷に慣れてきたのかもしれない。
二日間で「己の立ち位置」を学んだ。この夏や秋は1週間分の食料と燃料を加算しなければならないので、体力強化に励もう。お腹も引っ込めて、体重も落とさないと。石垣島だと、外では場違いで恥ずかしいから、ザックに10k程度のペットボトル(2リットル×5本)を積んで、グレートトラバースやTJARの録画を見ながら階段トレか。
当麻寺の三重塔(国宝)、一番好きな塔だから、ここを起点にしてよかった。
名も知らぬ古墳(史蹟の丘)には、桜咲いていた
コースの大半は、ヒノキとスギの木立。暗いが静かでした。とくに雨の1日目。
それと、丁寧に整備された丸太の階段。(応えました。)
どなたもいない、正午の葛城山頂。風をよけて冷たいおにぎりをほうばる。
麓に、豆粒のような大和三山が望めた。 数年前、走って登ったな。ちっこいなあ。
古代は、海に浮かぶ島と見えたのかな。「香久山」ではなく「香具山」。「耳成山」は
万葉集では「耳梨山」とある。
すぐに、名前が出てこない木の花も芽吹いてきたよ。
金剛山頂(最高点)の葛木神社に、明るいうちにたどり着けた。二礼二拍一礼。
翌朝は、熊笹の林にほっとする。すぐには、伐採されない証。
紀美峠からほぼコースタイムどおり歩けた。三合目までの急登、止まってばかりいたが。
岩湧山頂上から、歩いてきたトレールを遠望む。遠いな。辛かったな40k。
岩湧山に登ってきた黒いワンちゃんと地元の兄貴。
虐待されていた甲斐犬を 保護して育てているんだとか。いい主人でよかった、「すばる」と呼ばれてい
たワンちゃん
岩湧山から標準1時間40分のコースを1時間10分以内で「駆け下り」、なんとかバスに間に合った。
昔のオイラみたいで、ちょぴり自信がついた締めくくり。