かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

蔵王古道の旅、今年は暗雲たちこめて

2022-05-30 19:26:24 | 日記

2019年から歩きだした蔵王古道。

宮城の遠刈田温泉刈田峰神社(約360m)から刈田岳山頂の刈田峰神社(1757.8m)までの「宮城蔵王古道」と、山形の宝沢集落蔵王大権現(約500m)から熊野岳熊野神社(1841m)の「山形蔵王古道」、いずれも「蔵王権現様」が祀られていて、奈良の熊野、吉野と通じるいにしえの信仰の道。

各古道とも、標高差が1300m程度であるが、山形側は、ドッコ沼を過ぎると広大なスキー場に古道が飲み込まれ少々シラケるし、かたや宮城側は、刈田岳の直下まで蔵王エコーラインと並行する道で、ときおりバイクや車の騒音を聴くなど、どちらもいささか趣にかける面があるが、しかしこの時代になっても古人(と言っても江戸から戦前までと比較的新しいが)が歩いたという小道が、土地の有志によって整備、復活されていることに感激し、オイラは毎年、宮城古道、山形古道どちらも完踏することにしている。

といっても、山形側から1日で熊野岳に達し、遠刈田に下るのは今のオイラの体力では無理筋で、昨年はドッコ沼から蔵王温泉に下って一泊、翌日始発(8:30)の蔵王ロープウェイで地蔵岳(1700m)に一気に到達するという文明の利器のお世話になり、晴れた1日労せずして熊野岳~刈田岳経由で遠刈田温泉に下りて、高速バスで家路についた。

また、数日後、今度は遠刈田のホテルに前泊し、翌日夜明けと同時にスタートし、その日のうちに熊野岳経由で蔵王温泉余裕で下り、山形経由のバスを繋いで家路についている。

遠刈田温泉と蔵王温泉、いずれも下山後の湯とビールも楽しめ、信仰はともかくも、お気に入りのコースとなっている。

今年も、先に遠刈田温泉の素泊まり宿を予約したが、山形県が例のGO TOキャンペーンの地方版をやってくれているとのことで、宮城をキャンセルし、昨年同様蔵王温泉の宿を予約し、山形古道ドッコ沼~蔵王温泉(泊)~ロープウェイ~遠刈田温泉という、二日間コースを選択した。

昨年と同じ宿が半額になり、さらに1泊2000円の「地域限定クーポン」までいただけるということで、ロープウェイ代金が丸々無料となりおつりがくるというのだから、もう飛びつかないわけにはいかなかった。

と、期待はここまで、その宿にあす、あさっての古道歩きのために予約していたが、・・・・何と天気予報は最悪ではないか。(愕然)

明日は、登山者が忌み嫌う「二つ玉低気圧が」が西日本から近づいてきて、さらに大陸から寒気も流れているということで冷たい雨模様(愕然)

さらに、翌日は☀マークとなっているものの、アプリ「登山天気」の情報では、明日、あさってとも山頂付近は暴風並みの風速20m前後の風。ロープウェイも運航中止となる予想。(愕然)

ということで、人間欲を出せば、なにかしら負のご褒美をいただくのが世の常。まあ、キャンセル料払うのもなんだから、とりあえず行ってみよう。雨の露天もまたよし。昼前から雨だという。もう1日目の山形古道はおおかたあきらめていて、2日目の蔵王越えもあきらめて、山形古道を下りながら山菜とりでもして山形蕎麦いただいて帰ろかか・・など信仰とは縁遠いBプラン・Cプランを考えている。

水無月初日、オイラにとっては、暗雲たれこめる夏山シーズンの始まりとなりそうだが、改めて梅雨入り前の穏やかな日を狙って、古道完踏と行こう。欲はほどほどに・・ね。

 

         

      蔵王権現様、欲深をお許しください…いい天気を!(合掌)

 

 

 

 

 

 

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身元判明証拠品としての免許証・最後の更新

2022-05-28 18:34:11 | 日記

昨日運転免許証を更新した。おそらく最後の更新となるのだろう。なんたってこの3年間車を「まったく」運転していないのだし、この先もレンタカーも含めて運転する予定もないので、この際、返上してもよかったのだが、顔写真付きの身分証明書として、たとえば映画館のシニア割引利用時の年齢証明書としてに提示するなど、なにかと利用価値があるので、今回は3000円という手数料を払ってまで更新した。(返上しても、別途「運転経歴証明書」の交付を受ければ証明効果は同じなのだが、なんだかまだ早すぎるようで躊躇。)

3年も車に乗っていないと、「あれ、アクセルとブレーキどっちが右についていたんだっけ」という感覚になっていて、レンタカーを借りる自信もなくなってきた。この先5年間は、あるいは東北のキャンプ地利用時か離島など交通量のほとんどない場所でエンスト覚悟で借りる場合があるかもしれないが、レンタカー以外の方法での旅ばかり考えているので、可能性は少ないのだろう。

なので、今回の運転免許証は、上のような身分証明書として活躍してくれるのだろうし、例えば、高齢者の山岳での行方不明事件が散見されることを考えると、発見時(意識不明者であってもオシャカでの姿であっても)「身元判明証拠品」として活用されるのだろう。住所と顔写真さえあれば、なんとか親族に到達できるだろうし、免許証と別途詳しいい連絡先などを記したエマージェンシーカードといつもセットで携帯していれば、もっと情報が早く関係者に行き届くのだろう。

それにしても5年ごとに、更新されていく顔写真・・・・ずいぶんと髪が少なくなって老けたな・・・これ以上の枯れ具合をもう見たくないという意味合いもある。運転免許証を最後の更新と確信するのは。(あれ、マイナンバーカードってまた作るんだっけ?そんなことも忘れているオイラである)

 

     

 こないだ出会ったアオスジアゲハさんのように短くも美しい姿で生を終えられたらなあとも思う

 

 

 

 

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カモシカシロちゃんに追いかけられる(冷汗)の日

2022-05-26 20:02:13 | 日記

森を歩けばきのうの森ではない。あしたの森でもない。ゆくとしの森でもなければくるとしの森でもない。

1日中、青葉の森には、ホトトギスくんたちがやってきていた。托卵相手のウグイスさんたちは、警戒を強めているようで気が荒い。

きょう1日、森を歩けば今日のおみやげが待っていてくれる。

今日のおみやげは、まず白い毛並みのカモシカに出会って、少し追いかけられたこと。

道を下っていくと、20メートルくらい先でおいしそうに低木の葉を食んでいる白い毛並みのカモシカに出会った。カモシカは♂♀ともツノがあって、おしっこのスタイルでしか雌雄を判別できないらしく、ここでは「シロちゃん」と呼んでおこう。こちらにきずいたみたいだが、気にもせず葉を食みだした。路の真ん中にいたので、ニアミスをさけるべく少し後ずさりしながら元の道を戻ろうとした。離れつつも気になるのでシロちゃんの動向を探ると、相手もこちらを見ていた。もうすこし離れると、なんとついてくるではないか。すこし足早に登り、「この辺だったらさすが、相手との距離をのばしたか・・」と少し安心して振り向くと、ギクッ!なんと7,8メートルの近くに登ってきてジーとこちらを見ている。そして余裕たっぷり、近くの葉っぱをまた食み出した!なんという、おっとりくん。

カモシカに襲われたなんて聞いたことはないが、さすがツノがある動物、興奮したら何をされるか分からんと、小心者のオイラは恐くなって、ザックに取り付けていたホイッスルを吹いてみた・・・・・が何と全く動じない!むしろ何やら興味を持って近づいてくる様子!

さすがに、焦って困ってしまい、オイラは両手を広げて「WAOOOOO~!」と声をあげてみたら、さすがシロちゃん危険を察ししたのか、森の中にそそくさと消えていった。

オイラは、毎日シロちゃんの縄張りを歩いている。去年、遠目に目撃したのもシロちゃんか。この先も、またどこかで出くわすかもしれないが、果たして怖いオノコとして覚えていてくれていて、おたがいに目と目が合えば距離をとろうとしてくれるのか、野生の気持ちは分からないことばかりだ。

なお、オイラは、八ヶ岳でも、ヒトを恐れず鷹揚に草を食んでいるカモシカくんと出会っている。(このブログの顔)。「特別天然記念物」に指定され保護されるようになる以前、どれだけ猟師の手にかかったのか、と想像する。

     

     

     

ツノの長さが違うシロちゃん。今度出会ったらすぐに判別できるだろう。

 

第二の贈り物。木の枝にさえずキビタキ君に出会った。撮影叶わなかったが、キビタキ語の「ピコリー・ピッコナイ・ピッコナイ」というリズムを体感したこと。

出会ったキビタキ君はすぐに、♀か対抗馬の♂君を追いかけて森に消えていった。もう、キビタキ君の声に迷いはないだろう。

 

そして、帰路の山路で、ことしはじめてサンコウチョウくん(♂)にであえたことが、第三の贈り物。カメラをアップしたがピントが合わないうちに飛び去って行った。頭の毛(冠羽)が逆立っていた。相手の♂に興奮するときにこのような髪になるのだという。ホイホイホイとけたたましく鳴いて森に消えて行って。一瞬の出来事だった。

      

 

ありがとう!今日という日の青葉の森さん!

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ホトトギス(不如帰)がやって来た!

2022-05-24 18:52:14 | 日記

朝4時ころか、窓を開けるとホトトギスの忍び音が聴こえた。いよいよ、日本の夏がやって来たか。もうすぐ高原やヨシ原ではカッコウが鳴くだろうし、青葉の森では、彼らの仲間のツツドリがすでに鳴いている。ジュウイチの鳴き声はまだ耳にしていない。

ナツメ社の野鳥図鑑によると、カッコウの仲間はみな「托卵」、すなわち、自分より体が小さいが卵の紋様や色が似ている他の鳥に卵を産み付け、仮親にヒナを育ててもらう、という「子育て放棄の横着もの」(ただしヒトの価値観で)だ。

托卵相手の仮親となるのは、

① カッコウ=モズ、オオヨシキリ、ノビタキ、ホオジロなど

② ホトトギス=主にウグイス

③ ツツドリ=センダイムシクイ

許せないのは

④ ジュウイチで、幸福の青い鳥オオルリ、コルリ、ルリビタキ

と、だいたい決まっているらしい。親が親なら、卵から孵ったヒナもヒナ、誰に教えられたというのでもないのに、先に孵化して、まだ卵のままの仮親の子孫たちを巣から蹴落とすのだという。ヒトの価値観、倫理観からすれば親も子も「悪党」なのだが、なぜそうなったのかよく分かっていないらしい。

なんでも、カッコウ族は卵の温め能力が劣っているので、他の鳥に子育てを託すということらしいが、それにしても無責任すぎる。

いつからそうなったのかは、分からないが、例えばウグイスに育てられたホトトギスのヒナは、成長して翌年、夏に故郷に戻ってきたときに、ウグイスの姿を見て「お母さん・・・・!」と思い込み、ウグイスの巣を懐かしい我が家だと思って卵を産むのかもしれず、あるいは、悪気は全くないのかもしれない。いずれにしても本当の親を知らず、生きていく彼らカッコウの仲間は、悪党でこそあれ哀れだ。

まあ、数からいって、すべての托卵相手の野鳥の巣に産むわけでもないし、あるいは失敗例もあるようなので、それで自然のバランスが取れているのかもしれない。

そんなことに思いを寄せながら、実は大好きカッコウとホトトギスの鳴き声。ことしも短い間だが、かれらにいい心地にさせていただきましょう。

 

トレンドピックアップ「托卵」

 

きょう青葉の森で出会った可愛い仲間

 

     

 

     

    キビタキの♀かと思ったが、クチバシが少し黄色いから、おなじヒタキ科のコサメビタキ♂♀不明か。

     

     すばしっこいので、カメラに収めたのは初めてか。ニホンリス(ホンドリス)♂♀不明

 

 

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初夏の高原の音源さえあれば、生きていける

2022-05-21 18:43:38 | 日記

図書館から中央大学ワンダーフォーゲル部OBで、日本野鳥の会バードウォッチング案内人などの肩書のある大津雅光さんの著書「探鳥の山旅」(白山書房)を借りてきて、楽しんでいる。オイラより一回り先輩の方である。

日本全国の山に登ったいわゆる山の紀行文であるが、他の寄稿文と異なり登山者の耳にする野鳥の紹介とその鳴き声をていねいに片仮名で紹介している。たとえば、秋田・山形県境の神室山(かむろさん)の項では、「フイフイフイフイフイ・・・よく透るゴジュウカラの声が広葉樹の森に響き渡る。スズメ大の小さな体だが、素晴らしいアルトを聴かせてくれるブナの森の主である。チチピン、チチピン、チチピン・・・穏やかな陽気に誘われてヒガラが風に舞うがごときさえずり始めた。」という具合に。

といっても、その野鳥らの鳴き声の実感がわかないので、オイラは手間のかかる話ではあるが、手持ちのナツメ社の野鳥図鑑でゴジュウカラやヒガラのページを開いて、そのページに掲載されているQRコード(鳥の鳴き声)から鳴き声の録音をダウンロードしてそれらの声を確かめながら読み進めている。

たしかにゴジュウカラは、「フイフイフイフイフイ」とヒガラは「チチピン、チチピン、チチピン」(地声か)と聞こえる。

そんなことをしながら、「探鳥の山旅」を読んでいると、実際オイラがこの山に登っている当事者となっているので楽しすぎる。大津さんは、山の花にもお詳しくてさらに臨場感が増してくる。

そうだな、「あと5年」オイラも大津さんの姿勢を見習って探鳥の山旅を続け、大津さんの背中を追いたいと思っている。耳にするもの、すぐにどんな名前の野鳥かひらめくだけでも、たとえ深い森のに隠れて姿を確認できなくても、彼らに出会った気分になって山旅の深みが増すのだろう。

    

初夏の高原で、さまざまな野鳥たちが短い人生のなかで懸命に愛をささやいている、そんな音源を耳にするとなんて心が落ち着いてくるのだろう。どのような名曲よりも魂に語り掛けてくるような気がする。たとえ、名前をいちいち挙げられなくとも心地よいのだが、かれらの名前と姿が目の前に浮かべば、また山の思い出とも重なって癒されるのだろう。

つねづね心の奥底のどこかで、「臨終のときは、初夏の高原で耳にする音源を聴きながら・・」という思いにとらわれている。

 

niseuさんのYouTubeをお借りします

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