カモシカさんを見かける。雪の上に足跡も発見。
4月最後の金曜日、晴れ予報だったため面白山高原駅から南面白山山頂を訪れる。 写真記録はないが、たしか昨年の連休直後山頂を舞っていた二頭のチョウはヒメギフチョウではなかったのか、という思いに駆られていたので、早い春今年は、今頃ならばまた彼らに逢えるのではないか、という期待があっての訪問である。 しかし残念ながら、山頂で出会ったのは、信州鷹狩山山頂と同様におなじアゲハ科のキアゲハさん一頭であった。それとタテハチョウ科のヒオドシチョウの一頭が三角点にじっとしていた。彼らの性別は不明だが、何か待ちぼうけをしているさみしい♂のような気がした。 山で暮らすチョウの出会いの場所は山の山頂や見通しのいい広場だと確信するに至っているが、さみしいのはいつも♂に限っていると勝手に思い込んでいる。
南面白山の山頂より望んだ蔵王熊野岳までの山なみ。今年の雪は少ないと言っても、山形側の斜面を中心にまだ雪がべったりだ。20数年ほど前、4月末の誕生日に、ここから蔵王縦走をめざしテントを背負って歩いた。二口峠から先は残雪を踏んでの楽しい山旅だったが、低気圧が近づいたため、熊野岳をゴールとしてバスで遠刈田に下った。 当時は、こんな季節からバスが刈田岳まで走っていたな。もう、あんな体力は残っていないし、歩いてみようなんて気にもならない。熊野
岳遠し。 可憐なピンクのイワウチワ、まだ大きな葉っぱが開ききらないスミレサイシンと雪どけの道端のところどころに咲くキクザキイチゲの愁いを帯びたウスムラサキイロに、もっとゆっくりフォーカスを当てたかったが、この山の今の季節、やや暗さを帯びてきた樹林帯は雪解けとともに発生したブユの仲間の大群が寄ってくるので長居はできなかった。虫対策を考えてこなかったので反省する。
尾根筋のブナもやさしい緑色の新芽を出し始めている。新緑のブナ林に囲まれているだけでなんだか楽しくなってくる。そしてどうだろう、深山のブナの木肌、青葉山のまっさらな白肌と違い、コケや粘菌の仲間たちと共生しているのだろうか、ヒトでいうならアザとかシミみたいに、その木肌はさまざまな色合いで豊かだ。見ていて飽きが来ない。
面白山の斜面は春真っ盛り、広葉樹の新緑にピンクのサクラがところどころ混じっているが、やや赤みを帯びている樹木はなんなんだろう。新芽の色か、カエデ科の花のシベのいろだろうか、じっくり観察したいところだったが・・・・・羽虫たちの襲撃には耐えられなかった。