かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

栗名月(十三夜)を愛でる

2023-10-28 14:57:48 | 日記

いつもどおり、酔って、寝付く前に屋外に出て、空を見上げる。

南東の空に煌々と月が輝く。

昨夜は、陰暦の9月13日、平安の昔からこの国のヒトたちが愛でてきた栗名月と称されている十三夜だ。

陰暦の8月15日である中秋の名月につぐ美しい月のだとされる。今年は、9月31日のスーパームーンの夜だった。

10月の末は、天候も落ち着いて天体が冴え冴えとしてくるころあいだが、なぜ少しだけ欠けた十三夜の夜を「栗名月」と賛美し、同じく美しいはずの旧暦9月の十五夜を名月として愛でなかったのか、その辺のいにしえの日本人の偏屈さというか、デフォルメされたものに対する美意識が謎めいておもしろい。

それに、満月より二日早い十三夜を名月と謳い、二日遅い十七夜(立待月)を名月と扱わなかったのか、その辺も謎めいている。

月とわが国のヒトビトのかかわりについては、まだ調べてみる必要がありそうだ。

 

花は盛りに、月は隈(くま)なきをのみ、見るものかは。(つれづれ草137段)

 

そのへんのヒネクレ精神は兼好法師先輩あたりからご教授願おうか。

 

 

 

 

 

 

       

      

 

 

 

      

       カメラを通すと余りかけてはいませんが、

 

 

      

          微妙に欠けているのです

 

 

 

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夏油の山々と焼石山塊をサライの空に

2023-10-24 19:40:46 | 日記

夏油(げとう)三山とは、夏油温泉を取り巻く歴史の山で、標高の高い順に経塚山(1332.2m)、牛形山(1339.4m)、駒ヶ岳(1129.6m)であるが、オイラは夏油温泉から牛形山の尾根を周遊して日帰りでも登れる白っ子森(1229m)、鷺ヶ森山(1207m)、横岳(1099m)を加えて夏油六山と呼びたい。

いずれも、夏油温泉を起点に日帰りで行ってこれ、いずれも味のある独立峰の体をなしていて、それぞれの山は深いブナ林に覆われているのであって、愛すべき夏油温泉の湯治宿に泊まりながら、気の向くまま歩ける山々なのであって、標高はそれほどでもないにも関わらず、雪深く山頂付近は高山の雰囲気もあり、にもかかわらず登山者は少なく静かな山歩きが楽しめるのであって、オイラの性格にぴったりなのだ。

また、夏油温泉を起点に、経塚山から花の百名山焼石岳(1547.3m)にまで足も延ばすことができ、夏油川の橋も整備されたこともあり、来シーズン以降、この夏油温泉と焼石岳の尾根上にある金明水避難小屋を宿泊ポイントとして焼石山塊にも足を延ばそうと思っている。

夏油温泉にはこれまで紅葉シーズンしか訪れていないが、雪解け後の新緑のころ、焼石山塊が花に覆われる初夏、そしてブナ林が黄金に輝くころ、年三回は少なくともこの温泉宿を定宿とした山暮らしを行うことにしたい。

この地域は、オイラにとって妙に肌に合っているのであって、ブナのの森から見上げるとサライの空が広がっているのかもしれない。


2023秋、夏油六山付近の点描

 

     

           経塚山

     

        駒ヶ岳

     

          牛形山

 

     

         白っ子森

 

     

            鷺ヶ森山と横岳

     

          コミネカエデ・ブナ

     

                駒ヶ岳斜面

      

            ブナ・ダケカンバ

      

        ブナ・ダケカンバ

      

         コシアブラ・ブナ

 

 

ブナ林黄金浄土

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ブナの森を歌って歩いたよ。「サライの空 ♬」とともに

2023-10-23 19:18:43 | 日記

東北本線「北上駅」の待合室に貼られた一枚のポスターを懐かしそうに眺める。

 

       

 

 

この秋も数日過ごした「夏油温泉」の古い写真だ。

昭和の何年頃の風景だろう。自炊宿の「夏油館」前から、同じ自炊宿だった「昭和館」と「薬師館」方向を写したものだ。

突き当りを左に降りていくと、この温泉の名物露天風呂「大湯」や「疝気の湯」がある。

今は、「昭和館」も「薬師館」も閉じられて廃れつつある建物だが、このポスター写真の当時は、「昭和館」もにぎやかに営業していたと見えて「入館料」や「てこねめし」などの看板も眼にすることができる。

この「父」と「母」は今も健在なのだろうか。そして真ん中の男の子は今現在いくつなのだろうか。ひょっとしたらオイラと同じ年ごろなのかもしれない。

この「父」と「母」にオイラの「父」と「母」を重ね、妙に目がしらに熱いものを感じた。何もかもが、遠い、遠いなつかしさに満ちた一枚の写真である。

谷村新司さんがこないだ突然旅立って、マスコミやネットから流れてくる彼の歌を、毎日のように聴くようになった。

カラオケにも何十年とご無沙汰しているから、谷村さんの歌詞もほとんど忘却化していたのだが、久しぶりに「昴」や「いい日旅立ち」の歌詞がよみがえりつつある。

だが、谷村さんの作詞という「サライ」は、24時間TVを視聴するという「こっぱずかしさ」もあり、あまりまじめにその歌に向き合ってこなかった。この歌を街中やカラオケで歌うにはやはり「こっぱずかしさ」があったし、職場の同僚たちも同じような偏見があるのか、いい歌なのだがカラオケで歌うことはなかった記憶がある。

オイラは、この秋夏油温泉に逗留しながら、いつもどおり「夏油三山」の森を歩いた。東北のどの山も同じ傾向がありそうだが、今年の森の紅葉は彩度が冴えなかった。だが、標高1000m近くまで上げると、いつものようにブナの森が黄金色に輝いていて、渇いた木の葉がつめたい風を受けて、最後の合奏を奏でていた。

いつもなら、これだけで安住してブナの森を歩くのだが、今年は毎日のように「クマ被害」が報道されているので、心中穏やかではなかった。「熊鈴」「ホイッスル」「百均の防犯ブザー(ランドセル装着用)」などを準備していたので、これらを時々鳴らしながら歩いたのだが、「そうだ、一人歩きだし、この山で誰にも会わないほど静かなんだから、大声で歌いながら歩こう。」という気持ちになった。

それで、時おり入る電波からYoutubの「サライ」をアップし、この歌を歌いながら歩いたら、なんと山歩きのスピードにも雰囲気にもぴったりした歌だと分かった。「クマちゃんにも聞かせようぜ。」という気分にもなって、気が楽になったが、如何せんこのところ大声で歌うことがないので、声帯がしわがれて思うように歌えなかった……(辛)

「サライ」の歌詞を、ブナの森でしみじみと歌いなぞってみたら・・・

この歌の後半部・・・にしみじみときた。(すばらしいので、一部引用させていただく、ごめん)

 

離れれば離れる程 なおさらにつのる  この想い忘れられずに ひらく古いアルバム ♬

若い日の父と母に 包まれて過ぎた やわらかな日々の暮らし なぞりながら生きる ♬

まぶた閉じれば 浮かぶ景色が 迷いながらいつか帰る 愛の故郷(ふるさと)♬

サクラ吹雪の サライの空へ いつか帰るその時まで 夢は捨てない ♬

まぶたとじれば 浮かぶ景色が 迷いながらいつか帰る 愛の故郷(ふるさと) ♬

サクラ吹雪の サライの空へ いつか帰るいつか帰る きっと帰るから~♬

 

これを歌いながら、北上駅の待合室のポスターに写った「父と母」に出会った時と同じような感覚となり、少し熱くなって、時々立ち止まっては、また歩いた。「サライの空」とは、谷村さんが旅だった「永遠のオアシス」のことなのだろうか。

遠くでオイラのかすれ声をかすかに聴いた森のクマさんも、この夏離れた母グマのことを思い出したのかもしれない。

 

 

    

「一枚の絵葉書さん」提供Youtubから

 

 

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急がしすぎた2023年の栗駒山秋色

2023-10-16 17:56:27 | 日記

先週の土曜日、晴れたので栗駒山を歩いてくる。

実は、栗駒山へは2020年同様、岩手川の須川湖畔にキャンプをして2、3日ゆっくりと錦秋の時を過ごしたかったのであるが、何と3年前は秋田県東成瀬村管理だと思うが1泊400円のキャンプ場だったのが、民間に管理を譲渡したのだろうか、1泊3500円と8倍以上の「値上がり」をしていた情報を得た。あまりに腹立たしいので「栗駒山には今年は行くまい。」と心に決めていた。

だが、宮城交通系のミヤコーバス紅葉号が、「今年は栗駒山の紅葉が遅いので、紅葉期の土日運行臨時便を1週間延期して走らせます。」とアナウンスしていたものだから、「じゃあ、今年の栗駒の秋色はどんなか日帰りで行ってみてこようか。」と出かけたものである。

だが、この「紅葉号」難点があった。出発が遅いのである。始発の石越駅が9:00スタート、登山口のイワカガミ平到着が、混雑の影響もあって10時40分近く。登山スタートが11:00と昼近くなるのである。それに、このバスの帰り便が15時05分とあって、4時間近くしか山を行動できないのである。とても帰り便にこのバスを選択できないので、岩手川須川高原に下り、16時35分発の一ノ関ゆき最終便を選択したが、イワカガミ平~東栗駒山~栗駒山~産沼~須川高原コースは、温泉入浴時間を入れたら、実に忙しいものだった。

それでも、「紅葉は、例年より1週間遅れている。」との報道もあり、「神の絨毯」とささやかれる栗駒山東面の紅葉を観させていただければと期待していたのだが、2020年同様頂上付近は鮮度を失いかけていて、五合目から八合目付近が「今は盛り」とみえたものの、2020年よりは色づきが悪かった、というのが率直な感想。やはり今年は暑さが長引いたせいなのかもしれない。

二、三日キャンプさえしていれば、須川湖や周囲の湿原の彩りをもっと味わえただろうに。「ああ3500円のキャンプ場・・・・」とアウトドアシーンにも押し寄せる物価高騰の嵐に、いささかため息まじりで、今年の栗駒山を終える。

今週、近くの湯治場に2、3日逗留し、あらためて、ゆっくりと2023年の秋色を感じよう。ここは、鄙びているが1泊3000円もしないのだ。

 

 

2023年の栗駒山点描

デジタル編集のためすこし鮮度をあげています。

  

  東栗駒山付近から秣岳方向

 

東栗駒山コースから宮城側の山麓方向

 

東栗駒山付近から栗駒山

 

 

岩手産沼コースから栗駒山

 

 

同上

 

 

名残が原草紅葉

 

 

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オオスカシバさんの飛翔能力

2023-10-13 17:41:14 | 日記

野草園で、いま咲き誇るシソ科のキバナアキギリに、あのまるでハナアブのようなスズメガ科のオオスカシバさんがやって来ていた。

彼らの透明な二枚の翅を高速回転させてホバリングを繰り返して花の蜜を吸っている様子を動画で撮影し、翅の動かし方を観察してみようとしたが、手元のマイクロソフトのclipchmpでは10分の1倍までしかスピードを落とせなかったので、無理だった。

彼の飛翔能力を観察するには昆虫写真家が用いているような微速度専用の機材かソフトが必要なのだろう。

それにしてもすばらしい飛翔能力。アキギリさんやツリフネソウさんたちみたいに蜜のある場所が奥深い花にも、彼らは長い口吻を突き出してうまく蜜を吸うことができるようだ。(それでも、2センチが限界だとか)

でもこのような花に縋りつかないでホバリングしたまま蜜を吸う仲間は、花の花粉を体にに付着させないでも蜜を得ることができるようで、どうもフェアではないと感じるがいかがなものだろう。

この「ガ」と「花」の関係。まだまだ調べてみる必要がありそうだ。

 

等倍速

 

10分の1倍速

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