徳之島から船で各島を転々とし、午前中のJTAで5日ぶりにこの島に戻ってみると、海の色はともかくも於本岳と桴海於本岳を中心においた石垣島の緑は、格別に美しいと思った。人工物が少なく、牧草地も含めて、緑が他の島よりも濃い。それに、人家もまばらで、海岸にあのいまわしきテトラ類も多くはない。幸い人工物は離島桟橋を中心としたし四カ字方面に集中しているし、東側は、広大なリーフのせいで人工物で波を防御する必要もないからなのだろう。決して原始ではないが、何かしら緑の味わいが違うのである。奄美以南では、奄美本島(加計呂間を含む。)とこの石垣島に深い愛着なるものを感じざるを得ず、第二の「ふるさと」を意識する。西表島は、神秘的で少し風格が別の次元であるので「ふるさと」なるものは感じ得ないが、石垣島の場合は、戻るたびに、「帰ってきた感」がする。
そして、陽がかげると、天体は確実に夏本番の座に軸をまわしている。夜の9時ごろにはサソリがあんなに直立し、天の川の流れもうっすらとしてきた。「ああいい季節だ。これから半月、しばし石垣島の美に埋没しようぜ。」
ベランダから、右上に大きな火星、土星とサソリのアンタレスが仲良く並んで、南のふたご座だ。サソリの尾っぽ方向には、いて座方向の天の川だろうかうっすらと。今度の週末は月もお休み。晴れれば絶好の撮影タイムとなろう。