今年はじめて青葉の森に入る。どんな低山でも森に入るということは何かしら異界に入るような厳かな心地になる。多様な生物たちとの交信が始まるからなのだろうか。どのような生物、それが虫や鳥や植物であっても、彼らなりの意識というものがあって、入山してくる異界のホモサピエンスに対して警戒だの、興味だの様々な電波を発信してくるのをビリビリと感じる。
早春の森に入って、まずぐるっと樹間を見渡す。期待していたマンサクの愛すべき黄色の花たちはこの日観察できなかった。もう終わったのか。例年だと、まだいっぱい花をつける個体があちこちに見られるのだが、まだ早いというのか。
代わりにキブシの花があちこちに垂れ下がる。この日樹木の花といえばキブシと早咲きの梅ぐらいだった。コブシはまだ銀白色の産毛のツボミのままだ。
陽だまりの径に小さな紫のチョウが舞う!時折、枝や地面に止まっては羽を休める。シジミチョウの仲間だ。二枚ほどカメラに収めたが、明らかにコツバメとは異なる。羽の裏側がルリシジミやスギタニルリシメジに近しいが白い羽の斑点の形状が図鑑とは異なる。春先のチョウは越冬種だろうか。チョウの生態や形態にはまだまだ未熟者だ。
この日観察できたチョウは、ほかにタテハチョウ科のヒオドシチョウの越冬種か。羽の縁がやや薄いので図鑑と一致する。
チョウが登場しているということは、きっと花も咲き始めている。
まず、キンポウゲ科のセリバオウレン。1年もたつとセリバなのかキクバなのかこのオウレンの正確な名前を忘れてしまうが、太平洋側はきまってセリバであってキクバは日本海側と北海道西南部とのこと。そしてセリバは2回3出複葉、キクバは3出複葉であること。花には悪いが、このことを確認するため一株だけ引き抜いて押し花にしようか。来年忘れないために。
そして、予想に反してカタクリさんもチラホラと花を咲かせていました。この冬は寒かったというイメージなのに、サクラの開花も遅れているのに、昨年とほぼ同じように開花していました。このところの温かさのせいか。
だとすると、太白山ろくのヒメギフチョウさんもそろそろ飛び交い始めるのかもしれない。週末は気温が下がり雨も降るという。来週に期待して、また出かけよう。
まだ葉の出ない枝先に、アトリ科のカワラヒワのつがいが静かに止まっていた。ややずんぐりとして頭でっかちで強面のアトリ科の仲間は大好きなのだ。カワラヒワはつがいでいるパターンが多いが仲がいいのかな。冬はスズメ同様群れで活動するという、ということはホヤホヤのカップルでどこに巣作りをしようか相談しているのかもしれない。
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かぜねこ三百名山未踏峰・空想(共有)登山
八溝山(やみぞさん)・1022m・日本三百名山(№235)
茨城県最高峰の山で筑波山より高いのだ。もっと奥深いイメージだったが山頂まで車道が走っているということで興ざめ。だが日輪寺入り口から落葉広葉樹の森を周回し、名水をめぐる楽しみもあるから歩いてみる価値はある。水郡線の大子駅から土日を除いてバスが通じているということで、5,6時間で登ってこれるみたいだ。バス時刻調べて新幹線で日帰りできそうだったら行ってみようか。展望を期待して晴れ予報の日にふらっと。
「夢追う男の風来記【三百名山登山記】」さん提供
【八溝山】水と光と紅葉の中で【三百名山38座目】Mt.Yamizosan Trekking
(日輪寺入り口から時計回りに周回)
簡潔かつ十分な登山ルートと展望を紹介してくれてありがとう。300名山頑張ってね。
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