かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

野生ランとの出会い旅へ

2024-04-27 13:52:19 | 日記

「いやぁ、シュンランってこんなに色彩豊かだったか・・」

野草園で、今年初めてとなるシュンランの花と巡り会って、おもわずこんなセリフが脳内をめぐった。

この二、三年青葉の森では逢えずじまいに終わっていたので、シュンランをしげしげと見つめるのは久々であった。

カメラの記録をアップしてさらに感動する。

「黄色と緑ばかりではなく白やクリームや朱や紅色の濃淡が複雑ながらも調和している謎めいた美しさだ」

昨日、野草園では「ラン科」の花として、このシュンランのほかアツモリソウの仲間であるクマガイソウとエビネの仲間に出会えた。

礼文島で見たあの清楚なクリームのレブンウスユキソウ以外は内地の山であるアツモリソウの仲間やエビネには出会っていないが、長い山歩き歴の中でラン科の仲間には数多く出会っているが、総じて「美しく妖しい」存在だ。

今年から始めた「スミレ図鑑」に加えて「野生ラン図鑑」も整備していこうか。Wikipediaひもとくと、開口一番「その多くが美しく、独特のかたちの花を咲かせる。」とある。

日本には75属230種もの仲間が住んでいるという。単子葉植物では最も種が多く、あらゆる生息域に生息域をひろげ「種の爆発」ともいえるほど分化を遂げているという生命力の強い仲間だ。美しさと形の多様性と妖しさはダテではなかった。その美しさは彼らの「生きる力」によって裏付けられていたようだ。

俄然やる気が出てきた。

「これからの人生において、美しく妖しい仲間とどれだけ出会えるかな。」

Wikipediaラン

 

シュンラン

 

 

クマガイソウ

 

エビネの仲間

 

 

 

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山の幸たち息を吹き返す

2024-04-19 20:22:46 | 日記

スマートフォン亡失から3日でほぼ原状回復にいたる。端末は、同種の端末が家にたまたま存在していたので購入せずに済んだ。おサイフケイタイ系のチャージ済金銭も新しい端末に引き継いだし、サブスク契約の地図アプリや購入済み英単語帳などは、これも難なくひきついだ。電話帳は親せきや一部の知己の分を手動で引き継いだ。また、これを機会にとかく知らぬ者からの受信が多い米国メタ系のSNSやXといったヒトへの悪態が大半のSNSは引き継がないことにした。おかげでなんか、日常が軽くなった。高齢期を安らかに過ごしたい。

 

     

                        (イヌブナの新緑)

 

昨日、黄砂にかすむ大気をものともせず1週間ぶりに青葉の森を歩いて驚いた。冬樹の芽という芽が葉を広げ始めている。林床のスプリングエフェメラルたちは早くも役目を終えようとし、初夏に花をゆだねる後塵の草たちが伸びだしている。まさに爆発的な勢いだ。

そして待ちに待った「山の幸」たちも息を吹き返していたので、夕餉の友、一部朝餉の友の分だけ摘んできて、その日は軽い調理をしていただいた。

 

     

                          (伸びだしたコシアブラ)

 

 

     

 

     

何種類あるのだろう、「コシアブラ」・「ハリギリ」・「タラノメ」・「リョウブ」・「サンショウ(木の芽)」・「小フキ」・「ウルイ」・「カタクリ」・「ミツバ」・「ヤマブキショウマ」・「桜の葉(名称不明)」

ざっと12種類ほどの命をいただいてきて、丁寧に水洗いをし、天ぷらにしないものはさっと湯がいてあく抜きし、香りを愛してやまないコシアブラとサンショウは少し炒めて、味噌とみりんと砂糖を絡め、少しだけ片栗粉でとろみをつけて二三日分の保存食した。

これから、ひと月ほどこのように「山の幸」をいただいてきて粗食の糧としよう。体内に森の精の生気を取り入れながら、森の恵みに感謝しよう。

 

    

カタクリの花が終わって、彼らがそろそろ子房を膨らませタネをはじき出そうとしているころ、あのマッチ棒のようなカタクリ1年生たちがあちこちに伸びだしていた。

この観察を通じてわかったのは、カタクリ1年生は昨年地上に播かれた満1歳児に違いないということだ。カタクリ1年生の伸びだすのがあまりに遅いので、あるいは今年カタクリ卒業生らによって播かれた数え1歳児ではないのかと疑問を持っていたが、まだ卒業生たちが種を播ききらない時期に伸びだすのだから、今年のタネではないだろう。これで何か胸のつかえがとれたが、満1歳児がなんとも頼りないので少し心配になってくるが、風に吹かれながらも元気に伸びていた。「卒業するまで、あと6,7年か、ガンバレー」と思わず声をかけたくもなる。

 

     

 

  スミレサイシンの花の蜜を求めて、小さなアリがやって来ていた。こんなアリさんが、カタクリやスミレのタネに付属したエライオゾームという甘い物質を巣まで運んでいくのだという。カタクリ1年生の大方は、こうやってにぎやかなアリの巣の近くで夢を見ているのだろうか。タネそのものがアリさんたちのエサとならないことが条件だが、そこに何か秘密があるのだろう。

アリさんたちも「山の幸さんたち、いらっしゃい!」と、この春歓声をあげているのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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好事魔多し・・・・〈刈田郡蔵王町遠刈田七日原〉・・・でもヒメさま永遠に生きてくれ・・

2024-04-16 17:47:11 | 日記

晴天予報の4月15日。昨年は蔵王山ろくで4月12日に満開のカタクリとヒメギフチョウさまに出会ったが、今年は、カタクリの開花が少し遅いと判断し、遠刈田行きは昨日15日になった。

それにしても何とよい天気だったのだろう、平地では25℃をこしている。南蔵王の山々もくっきりと仰ぐことができた。雪解けが進み、あとひと月もすればあの稜線も快適に歩けるだろう。

そんな快適な気候の下、遠刈田温泉から歩きだし、青麻山周辺にいたる林道沿いを快適に足をすすめた。南蔵王の山なみが望める伐採跡地に至るとあちこちにタラノキの幼木も伸びており、その先端に形のいいタラの芽が伸びていたので、ちょっと道草を食う覚悟で、そんなタラノメほしさに藪の中に入る。

タラノキのトゲトゲもさることながら、そこに至る数メートルの藪にはトゲトゲのバライチゴの枝が縦横に伸びていて、時々その枝に跳ね返されながらという苦闘に苛まれながらも、何とか天ぷらやホイル蒸しという晩酌のアテも確保できて、ほくそ笑みながら次の歩みを進めた。山菜屋の一番人気のタラノメは、道端から見える範囲のものは、例年大方誰か摘み取られ、手にすることができない。

 

    

そして、その直後、この日のさいわいがまた訪れた。山側のちょっとしたのり面に、少し白い花が咲いて、そこに何と早くもヒメギフチョウさんが舞っていたではないか。白い花はあとから確認したところ、キクザキイチゲの仲間で、ヒメさまは、その蜜を吸っては、近くにとまってカメラのレンズに収まってくれた。

ああ、この日の目的である、ヒメさまにこんなに早く出会えるとは。「タラノメと言いヒメさまと言い、今日は出だしから何かいいことづくめで怖いな。」と、すこし出来すぎに怖いながらも、その先の更なるヒメ様たちとの出会いを夢見ながら、その先の歩みを進めた。

 

     

(おなかの毛のつきぐあいから♀かな)

     

     (ヒメさまのオメメってなんか眠そうだな。1年のほとんどを蛹の中で眠っているからかな。)

 

だが、いいことはそんなに長く続かないのが世の常。

しばらくして、オイラは左のズボンポケットに入れていたはずのスマホがないことが気付いた。

とっさに、あのタラノキの藪で悪戦苦闘した際に、スマホはポケットとスマホをつなげていた螺旋コードとともに何かの反動でポケットから放り出されたにちがいない・・と明確な根拠もなく理解した。暑さのため林道の入り口でウインドブレーカーを脱いだ時、ブレーカーのポケットからズボンのポケットにスマホを移し替え、普段はその後紛失防止のためつないでいた螺旋コードのロックをポケットの縁にかませたはずだが、あの薮のバライチゴたちは、そのロックまでも不能にするほど反発力があったつわものだったと記憶していた。

オイラは急いで、あのタラノメ収穫場所に小走りで戻って、この辺か、いやこの辺りを歩いたぞ・・なんどもそこいらを探したが見つからなかった。念のため、あのウィンドヤッケを脱いだ箇所まで戻りながら、道端に落ちていないか目をあちこち見はらせたが、見つからなかった。

また登り返し、またあのタラノキ周辺をトゲトゲの藪に跳ね返さながらさがしたが、見つからなかった。

あきらめて、この日の目的地まで登ってヒメさまたちに逢おう、とトボトボ登り始めたのだが、折からの高温と相まって、オイラの体力・気力は相当に萎えていた。

昼前に、なんとか目的地まで行きつくのだが、オイラはその途中のカタクリの花園で何度も、何頭ものヒメさまたちを目撃したが、その日カメラに収まってくれたのは、なんと朝にキクザキイチゲにとまってくれた一頭だけであったとは。

カタクリの花だけでなく、オイラはこの森でヒメギフチョウさんたちが、まもなく卵を産みつけ、幼虫たちの食草となるウスバサイシンの葉も目撃している。

    

カタクリやキクザキイチゲの花とともに、食草となる草もしっかりと生えていてくれていることから、この森のヒメギフさんたちは、末永く命をつないでくれそうな予感がして、オイラは疲労の中にも何かしら安堵して山を下りた。

 

下りる途中、またあのタラノキの一隅に寄ってスマホくんを捜したことは言うまでもない・・・結局、とうとう見つからなかった・・・・

 

あるいは、オイラの記憶違いで、スマホは朝のバスの座席に置き忘れた可能性もあった。その日最後にスマホをいじったのがバスの中であることだけは思い出していたからである。

 

 

高速バスで仙台にもどり、携帯ショップに立ち寄った。たしか携帯のGPS機能やらで、スマホの位置を確かめられたはずではなかったか。その場所がバス会社であればバスに置き忘れたことになる・・・一縷の望みでショップの援助を求めが・・・・

 

GPS位置情報確認のため、数回の本人確認という儀式を経て、最終的におそらく遠隔地に居住のサポートセンターの担当者から発出されたオイラのスマホの位置情報は、

「ええと・・・ミヤギケン・カリタグン・ええと・・クラに王様のオウと書いて、クラオウマチ・トオイカリタ・ナナニチハラの1キロ四方周辺です。」ということであった。

オイラは、刈田郡蔵王町遠刈田七日原地内であることをすぐさま理解し、やっぱあのタラノキ界隈にいまもあのスマホくんは眠っていることが分かった。「機内モードとマナーモード」に設定していたため、通りすがりの他人の携帯を借りてコール音を手掛かりに探すことも、あの時はままならぬかったのだろう。

 

ああ、長い一日だった。自然の命に対するヒトの欲深さが、天から思わぬ反撃を受ける。今日のような出来事があるたびに、賢治さんの「注文の多い料理店」の警鐘を思い出す。オイラは、食べごろのタラノメを見て思わず我を忘れた。

ほぼ2年間、体温を共にしたスマホくん、いまごろ遠刈田の七日原山中で孤独な思いをしているのだろう。機内モードであっても、電源は二三日中には途絶えるだろう。真っ当なスマホ人生を遅らせてやれなかったのは、オイラのせいか‥(合掌)

 

     

 

 

 

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ばっけ味噌(ふき味噌)をいただくことから山の幸の季節が始まる

2024-04-13 17:44:44 | 日記

暖かくなった週末、南面白山の山麓に春の山の幸を求めに出かける。

お目当ては、雪解けが終わった草地に生え出るフキノトウ。これで当地ではバッケ味噌と呼んでいるふき味噌をつくるため。

フキノトウは蕗の花。蕗は雄花と雌花とに分かれているが、フキノトウはまだ苞葉にくるまれたツボミのままでは雄花か雌花か分からないが、山菜としてはまだ花が現れないツボミの収穫を良としている。が、ある程度花の姿を現しても、茎の伸び切らない柔らかいうちは十分いただける。

ばっけ味噌の作り方は、苦みをいただくため生のまま味噌で和えるのを通としている向きもあるが、オイラは、大方のレシピがそうしているように、30分ほど水にさらしてあく抜きをして、細かく刻んで素早く油で炒め、みりん・さとう・みそを入れて熱をくわえながら和えている。これでも十分苦いので、ごはんやおにぎりのお供として、少しづついただくことにしている。

昨日は、50個ほどのフキノトウを摘んできて、10個ほどは天ぷらにしていただき、あとはバッケ味噌として500gの容器一杯分ほど作ったので、一月ばかり楽しむ予定である。半分くらい冷凍保存すれば1,2か月はもつだろうが、このあとに、タラノメ、コシアブラ、ハリギリ、リョウブなど山のエグミの代表たちが次々現れきて、もうその頃になるとバッケ味噌にもそろそろアキが来ているので、これぐらいの量がちょうどいい。

花を咲かせたフキノトウには、早くもハチやチョウたちがやって来ていた。蕗というと苦味しかイメージがわかないが、雄花や雌花にも甘い蜜が蓄えられているのだろう。

 

 

     

 

 

 

     

 

 

     

 

 

 

フキノトウの原っぱに白や薄紫のキクザキイチゲが、ところどころ花開かせていた。山形県内でも宮城県境のこの地には、同じキンポウゲ科であっても、美しさの筆頭、雪割草(ミスミソウやスハマソウ)の咲いているのはみたことがない。その代わりを務めるキンポウゲ科の代表がキクザキイチゲだろう。白やうす桃いろと変化もするが、何といっても薄紫のキクザキイチゲの美しさに魅かれる。フキノトウの収穫も一通り済んだので、午後の列車がくるまで、しばらくキクザキイチゲと戯れた。

 

この日遊んだ南面白山山麓は、スキー場のなごりの原っぱ。もうスキー場が廃されて何年になるか、残されているのはロッジや民宿の廃屋と放置されたままのリフト。世の花見のごった返しやインバウンドと無縁な山あい。一日誰とも会わない静かな日を独り占めにする。

ホオジロやセンダイムシクイの声が聴こえ、アカゲラのドラミングも聴く。時折、ニホンジカのような声を聞いた。まさか、この地にはいないはず。まさか・・・・。

 

     

 

 

     

 

 

     

 

 

     

 

 

 

     

 

 

 

     

 

 

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コブシ咲いて、木の花たちも踊りだす

2024-04-10 21:21:20 | 日記

落葉樹たちの春は、コブシの白い花が青空に向かって咲き誇ることから始まるようだ。

 

     

 

 

      

 

 

     

 

ハウチワカエデの真っ赤な花。クロモジの薄緑の花。チョウジザクラの清楚な白色の花。それぞれが、春を待ちきれなかったように元気に顔をのぞかせ始めた。

 

     

     

     

 

     

チョウジザクラのうつむき加減な花たちにクロマルハナバチがやってきて、一花一花丁寧に蜜を探り当てていた。いろんな花の蜜を味わって人生を終えるハナバチやチョウたちは、短い命ではあるが、幸せ者なのかもしれない。

     

カタクリの葉になにものか卵を産みつけたのか。黄色い粒々の.刻印のように見える。カタクリの葉はすぐに地中に融けて消えてしまうので、その後どうなるだろう。不思議なことばかり。

 

     

 

     

ルリタテハやミヤマセセリ♂が地面で翅を広げて体を温めていた。このミヤマセセリは、図鑑で調べると成虫でいられるのはこの一月ばかり見たいだ。ヒメギフさんたちばかり日の目を見ているが、このミヤマセセリのような地味だがスプリングエフェメラルたちは、まだまだいる。もっと出会えるといいな。

 

     

きょうも自然観察の森でヒメギフさん(たぶん♀)にあう。この場所は、彼ら彼女に出会う機会が多いことが分かったので、来週にかけてそのほかの場所、蔵王山麓や泉ヶ岳周辺を観察してみよう。どんどん暖かくなり、あまりノンビリもしていられない。そろそろ山菜シーズンなのでそっちも気にかかる。

 

 

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