風に誘われて

あの山から、あの海から、私を呼ぶ声が聞こえます。
風が「行こう!」と誘います。
風に誘われて、さあ立ち上がろう!!

石段を一歩ずつ、人生も一歩ずつ

2011-11-26 | 四国遍路 (2011)

36番札所「青龍寺」

車遍路といえども、どこの札所も本堂のそばまで車で行けることは稀で、
駐車場から結構な距離を歩く場合が多い。
特に石段が多く、左膝の痛みを抱えている私にとっては辛い道のり。
(幸い今回は、強い痛みは出なかったけれど)



初日の最後に打った10番札所「切幡寺」の333段の石段もきつかった。



歩き遍路で行った高知の25・26番札所「津照寺」と「金剛頂寺」の石段もきつかったけれど、
同じく歩き遍路で行った35番札所「清滝寺」も大変だった。



納経所が閉まる3分前に駆けのぼった41番札所「龍光寺」の長い石段も苦しかった。
心臓がパクパクと口から飛び出しそうな感覚を、久し振りに味わった。



愛媛・久万高原にある45番札所「岩屋寺」の250段の石段もきつかった。



だが何と言っても、香川にある71番札所「弥谷寺」(いやだにじ)の、
555段(駐車場からの階段も足して)の石段には相当堪えた。


その「弥谷寺」の中盤に現れる、この108段と言われる急階段。
途中で何度休んだかは・・・秘密。


今回は「苦しい」「辛い」「きつい」と嘆きながらも、よく歩きよく上ったものだが、
毎日のように石段を上っているうちに、私なりのコツを見つけた。
それは、階段の先を見ては駄目。
足元を見て、一段一段と上って行くのだ。

はるか先を見ると、あまりの距離に気持ちが萎えてしまって力が抜けてしまう。
一歩一歩、自分の足元だけを見つめて足を運んでいるうちに、何とか上って行けることを掴んだ。
そして、これは人が生きることにもつながるのではないかと思った。

生きるのが苦しい時は、とにかく今日を生きる。
先を見ては気持ちが萎える。

今日を何とか生きる。
そしてまた明日、一日を何とか生きる。
そうしているうちに、1週間が過ぎ、1ヶ月が過ぎ、1年が過ぎ、
それを繰り返していくうちに、やがて数年が過ぎてくれる。

階段を上がる自分の足元を見ながら、そんなことを考えた。

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