風に誘われて

あの山から、あの海から、私を呼ぶ声が聞こえます。
風が「行こう!」と誘います。
風に誘われて、さあ立ち上がろう!!

納経所でのご縁

2011-11-23 | 四国遍路 (2011)


参拝を済ませた最後に納経帳に墨書きと朱印をいただくのだが、
この納経所も、お寺によって本当にいろいろ・・・

納経帳に朱印を押して貰わなくても、納経したと言う事実だけでもいいとは思うものの、
やはり、その証を残しておきたいと思うのが万人の常か、
ほとんどの人が納経所を訪れているようだ。

この納経所が空いている時はいいが、団体さんと重なった時には自分の順番が来るまでじっと我慢で待つしかない。
「待つのも修業・・」と言い聞かせつつ。

で、因みにこの納経帳の代金は300円。
夫婦で一冊ずつお願いすると600円。
これに駐車場料金などを払っていると、1000円近くになってしまう。
これが88ヶ所+高野山となると・・・
う~ん、決して侮れない金額ではある。

その納経所で、驚きと憤りを経験したことがある。
何処とは言わないが、ある足摺岬の立派な札所でのこと。
中年の女性が、何とガムを噛みながら墨書きをし朱印を押してくれたのだ。

傍からみると、この行為は特に咎めることではない些細な事かもしれないが、
遍路する身にとっては、許しがたい行為として映った。
何度「戻って一言言おうか・・」と足を止めたかしれないが、
「意見して解る相手なら、最初からあんなことはしない」と、ぐっと我慢した。

それから数日後、愛媛の札所の納経所でこの話をしたら、
「それは、悪いお手本を見せてもらったと感謝すればいいのですよ」との言葉。
そう!確かに。その通り。
この言葉でいっぺんに私の心は雪解けに。
人の言葉も態度も見方を変えるだけで違ったものになり、場合によっては自分の心の糧になる。
有難いことなのかもしれない。

更に、私に納得の言葉を下さったご住職(かな?)は、
私の納経帳に名前が書いていないのを見て、名前まで書いてくださった。
「つい前だったら団体さんが続いて、こんな話も出来なかったはず」
「こうしてゆっくり話せるのも、ご縁ですよ」と。

確かに、ご縁かもしれない。
ほんの数分違いで、こうしてゆっくり話せたことも、
数日前の心のつかえが私の口からポロリと出たことも。

私の憤りの気持ちが感謝に変わった、この出会いに心からの感謝。


高知の札所でよく見かけた、黄色の彼岸花

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