ビールを飲むぞ

酒の感想ばかり

サントリープレミアムモルツ 秋<香る>エール2019

2019-09-08 18:18:36 | ビール

昨年はこれ

エールらしい濃いめの褐色。泡まで褐色。

芳醇でフルーティとあるが、焦げっぽさが主体ではないかと思うくらい。

この色からフルーティさが出るのだろうか?

香りは、やはり焦げっぽさがある。フルーティーさは感じられるが焦げっぽさに紛れる。

注ぎ終えて眺めるごとに、エールだと思う。

飲む。ホップの醤油らしさ、しかし焦げは感じられず、クリーミーで地ビールのような風味が感じられる。

何より焦げっぽさがないのがいい。

適度に濃さがあり、濃淳。モルツらしい吟醸を基礎とした味で、低音側ではやや焦げっぽさを感じさせる。現に後味は焦げ感が一番最後に残る。

中高音側は少しクリーミーにして、焦げ感を加えた、しかしプレモルの風味。

前回よりはいい印象だったかもしれない。


サッポロ富良野の薫り2019

2019-09-07 14:40:15 | ビール

2019年限定らしく、富良野産ホップと北海道産大麦麦芽を使用。サブタイトルはゆるやかエール。という事でエールタイプなのか。

実は昨年もあった。

色は薄め。香りはほとんどない。エールっぽさも何もない。

飲むと、これはうまい。飲み口はフルーティーでいてクリーミーでまろやか。トゲはなく、本当に丸みのある味。

逆に麦芽の風味はない。

後味は青っぽい風味。しかし悪いわけではない。

北海道というイメージの青い涼やかな印象。そこにサッポロらしいまろやかさ 加えた味。

これはいい。


「吉野葛・盲目物語」 谷崎潤一郎

2019-09-04 23:02:33 | 読書
 
「吉野葛」
日本最古の寿司屋、釣瓶鮨屋。主人公はそれを思い出したが、友人の津村は静御前の初音の鼓、これを家宝として所蔵する家が、菜摘の里にありそれを見たいという。大谷家である。
上市から宮瀧まで、紅葉を目にする。春の桜もいいが、紅葉の黄色を主体としたそれぞれが微妙に色調を変えるさまが、春に劣らず秋もいい。
さて鼓を見せてもらおうと大谷家に押し掛けるも、当人は心底そう信じているが、根拠に乏しく、主人公はそっとしておいた方が互いのためではないかという気持ちになる。帰り際「ずくし」を召し上がって帰ってくれと主人から言われる熟柿(じゅくし)のことであったが、これが店で売っているものとは違って極めてうまい、と結局柿の印象しか残していない。余談だが、津村は主人公と同じ一高の同窓だが、大学へ入るときに家の都合で進学しなかった。学業を廃した。学という職業を畳んだという。そうか、当時は学問も仕事も生業であり、それを畳むといった感覚だったのだ。
津田の過去が語られる。大阪の質屋のぼんち(お坊ちゃん)で、父母を早くに亡くし祖母に育てられた。父親もそうだが、母親の記憶がなく、記憶の中の女性が母親と思っていたのが実は祖母だったと言うくらい幼いときの記憶だ。母親の記憶がないため、より理想の高い母親像を造り上げており、遊郭など通って、純粋に遊び人なのではなく、母親の面影を求めていると言うのが真相だ。
津田は国栖の村へ行き、母の旧家である(珍しい名字である)昆布の家を探すが、そこは意外にも多くの昆布姓の家があり探すのに難儀する。紙漉きをしている家でやっと母の姉である、おりと婆さん(つまり津田の伯母)の家を見つける。子供の頃に色町に売られた津田の母を恥としたのか、あるいは記憶が曖昧なためか、あまり情報は得られなかった。印画と琴が母の物として残っていた。津田はそれが縁で、昆布家のはなれを増築したり、紙漉きの仕事場を広げたり援助を始めた。
おりとにはおえいという姉がいて、その娘がおもとで市田という家に嫁いでできた娘がお和佐という、初めておりとを訪ねたときに縁側で紙漉きの手伝いをしていた17、8歳の娘だった。津田は紙漉きをしてあかぎれた指をしたその娘に母の面影を見いだし、嫁に貰おうと考える。それが目的で私を同行させたのだ。ただ、説得するのに自分がいるのは邪魔だと思い、自分は自分で小説の題材探しに、吉野の山奥へ5、6日の計画で別行動することにした。五色温泉に泊まったと作者は書いているがこの温泉には宿泊施設は皆無らしく、谷崎が想像で書いたのだろうと言われている。物語のほうだが、南朝巡りは意外とハードなようでネタは色々得たようだが、ネタ負けしてしまい結局小説にすることは叶わなかった。最後、津田が女性をつれて自分に声をかけてくる。その女性はもちろんお和佐だ。よくこんな年の差ですんなりとうまく収まったものかと呆れるくらいの展開だ。この旅行は自分より、むしろ、今はお和佐を夫人とした津田のためのものだったとあっけらかんとしている。
そんなわけで、谷崎潤一郎ときいて想像していたドロドロしたものではなく、少しユーモアさえ見られる、カラッとした小説だった。これが谷崎と思ってはいけないかもしれない。
歴史紀行風で自分がそこを歩いていること、いつか歩くことを想像しながら読むと面白そうなのだが、いかんせん固有名詞が多く。地名とその位置関係だけでなく、歌舞伎や浄瑠璃の演目等々、知らないことが多い。注解が付いているが多すぎて内容に集中できないのが難点。
河内や南海電車など大阪ローカルな固有名詞が出てくる。それに注解がついているが、大阪出身の自分には他愛もない。大方の小説が東京を舞台にしていて、固有名詞が出て来ても全くイメージできず、作者の伝えたいところが掴みにくいと思っているので、この小説に関しては優越感を感じる。
花田清輝が批評していたが、風景など嘘や作り話が多いということだが、これは歴史小説ではないのだから、フィクションでこれはこれでいいと思う。
 
「盲目物語」
主人公は4、5歳の時に視力を失う。親も11歳の時に他界し、あんまなど覚えて生きていた。ある時何かの縁でお城に仕えることになった。浅井長政の妻であるお市の奥だ。男は戦で忙しいが奥は気が滅入らぬようにと、時には催し物をしたりしてそれなりに明るく生活していたようだ。その際に、あんまではなく、音感が鋭く師につくこともなく独学で覚えた三味線など引いて楽しませていた。
浅井長政。歴史が語るごとく、妻のお市の兄である織田信長から再三味方につくよう使いが来る。朝倉に恩があるため織田には付けな
い。こうなっては城もろとも自害しようと決める浅井長政。お市もそれに従うべきだが、子供もいるのでためらう。主人公はあんまをしながらそんなお市の葛藤を聞く。
淀どの日記と異なり、帰って来た市に対して冷酷ではなく、戦国の時代同じ時代を生きるものとして、浅井の事が理解できるという信長。
やがて浅井長政は織田と戦となるが、敗北し自害する。戦後、お市のもとに兄の信長が来て、息子がたしかいた筈だから、特別に取り立ててやるから差し出せという。不信を抱くお市は居場所を教えなかったが、信長は自分が敵と思っているのは浅井長政だけで、息子の方は逆に憐れに思っているという説得に安心し、万福丸を差し出す。信長の前に連れていった木下藤吉郎だが、即座に、その子を斬り、首を串刺しにしろと命令を受ける。さすがに躊躇した藤吉郎だが、逆に叱責され信長の言うとおりにした。それにしても肉親の情けを借りて、お市を欺く信長に軽蔑する主人公。そうやって多方に恨みを持たれた結果、本能寺で討たれたと考える。
浅井三姉妹の3女は小督(こごう)としている。さらに弟がいて、万ぷく丸は非業の死を受けたが、この末弟は信長に知らせずどこかで生き延びているようだ。
お市に会いに来た秀吉だが、娘たちに対してもやけに愛想がいい。お市に何か下心があるように見える。と同時に、茶々に対しても馴れ馴れしく、将来の伏線がここにあるようにも思われる。
本能寺の変後について、柴田勝家と秀吉は事あるごとに対立する。というのも、双方お市をめぐって下心があるのだ。信長の息子である三七(織田信孝)と北畠(織田信雄)は出自を巡って対立していて(201909時点では対立していたという明確な資料はないらしく、あくまでも俗説。だが、この小説のかかれた頃はそれが真実と思われていたのだろうか)、それぞれ柴田、秀吉に肩入れした。結果お市をものにしたのは柴田勝家だった。
三七のぶたか公とひらがなで書かれるが、その見た目にドキッとする。三七の、豚公に一瞬見える。
<小説にはない→。京極高次は信長に仕えていた。そもそも父親は足利義昭に仕えていたが義昭が信長に破れたあと信長に仕えた。その高次は本能寺で信長を倒した光秀に武田元明とともに肩入れした。ところがこれも山崎の戦いで光秀と元明が死んだあと、流れ者となっていた。←>ある時京極高次が伯母(京極高次の母マリアは浅井長政の姉なのでお市はマリアの義理の妹になるかあ高次の叔母と思うが?)を頼って、お市の元にやって来る。信長を裏切った光秀になびいたのだから本当なら殺されてもしかるべきところ、勝家は快く庇護した。(実際は勝家が滅ぼされた後らしいが、この小説では)京極高次はお初と結婚する。高次は本当は茶々を嫁にしたかったが、浪人者は嫌だと断られ、仕方なく妹の初をもらったという。高次はその事を恨みに思っていたかいなかったか、関ヶ原の折りには茶々(淀どの)を嫌って家康に靡いたらしい。柴田勝家に一時庇護されていたが勝家滅亡後は倒した張本人である秀吉に仕えている。妹の竜子が秀吉の側室となっていてその口添えがあったらしい。そして秀吉の死後は家康に仕えたのだから、なんと世渡りのうまい人物なのかと驚嘆する。
いよいよ賤ヶ岳の戦い。初めは佐久間玄蕃が北之庄で秀吉側の中川清秀を討ち取ったという事で喜んでいた勝家だが、玄蕃が指示に従わなかったため敗色が濃くなってきた。覚悟を決めて城に籠城しそこで腹を切ろうと決める。部下人質構わず、逃れるものは引き留めず落ちるよう指示する。一方、侍から、僧から町人まで勝家を慕って、最後を共にすると集まってくる。意外と慕われていたのだ。
 
310ページある文庫分だが、3分の1は注釈だ。そしてその中身は、こんな単語まで注釈をつけなくても、というくらい細かい。小学生なら必要かもしれないが、そこまで注釈と行ったり来たりしなくてもいいと思う。
 
吉野葛
20190804読み始め
20190821読了
盲目物語
20190822読み始め
20190904読了

サッポロ麦とホップ「本格仕込・長期熟成」

2019-09-01 17:40:42 | ビール以外

 ←直近のデザイン

マルナカで購入。限定品ではあるがどこでも買えるだろう。

店では、エビスビールと同じホップを使っているので、よりビールに近い味わい、とあった。

と、思っていたら、麦とホップのバージョンアップ版だった。つまり、これからはこの製品が取って代わるのだ。

確かに、落ち着いた、甘ささえ感じるウェッティーな味。発泡酒感が全くない。ホップだけでここまで味がビールに近づくことができるのだろうか。

前のバージョンは比較的あっさりしている。いや、改めて麦とホップを飲んでみるとかなり進化していたのだなと思われる。

どちらも第3らしいエグ味はうまくカバーされている。

新しいほうはより熟成感、落ち着きを感じる。しかし、どちらもドイツビール的なホップのもぐさ感があり、日本離れしている。

重みはあるが、エグ味は少ない。もしかしたらレギュラーになりうる。