これも数年前に買い、途中でギブアップしていた本だ。「真空のからくり」 山田克哉を読んだその後にもしかして理解できるのではないかと、読んでみた。
確かに以前よりははるかに理解することができた。しかし、後半は理解が難しかった。相対性理論や量子論はかなり読んできたのでその積み重ねもあって理解も深いが、超ひも理論となるとまだ知識が浅いからだ。量子論もそうだが、この超ひも理論がなぜ理解しづらいかというと、想像できない世界、ということに尽きる。頭でイメージできて理解できるのが通常の流れだ。しかし、数式によって表現される世界は想像できないのだ。
この本によると、宇宙は無から始まったものではなく、本当の意味での無ではなく、何もないように見えて実はエネルギーはあったという。ならばそのエネルギーはどこから生じたのか?無と有の境目が知りたいわけなのだが。結局いたちごっこになる。因みに、エネルギーに満たされた、それでいて無に見えるという始まりがあって、どのように有を生じたのかというと、トンネル効果と言って、通常はある壁を超えないと転じて有にならないわけだが、ある偶然的な確率的なタイミングで、本来登らなければならない壁を、突き抜けることができた。それが有の始まりという。始まりに近い姿はわかったが、本当の始まりは何だかごまかされてしまった気がする。
しかし無と有が別々であるという観念がそもそも間違っているのだろうか。無と有は同じと考えて見てはどうか。
また、初めも終わりもない。初めとは何なのか?初めの定義とは?何もないところから何か発する、変化し出す事が初めと思ってはいないだろうか?それは人間が後から勝手に決めつけた概念に他ならない。はじめという物がなければはじめを追及する必要もなくなる。
はじめての〈超ひも理論〉 (講談社現代新書) 価格:¥ 864(税込) 発売日:2005-12-17 |
20140722ごろ、読み始め
20140809読了