医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

黒川元検事長に「起訴相当」 審査会「規範意識が鈍麻」 賭けマージャン

2020-12-24 19:51:44 | 法曹界
 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言中に新聞記者らと賭けマージャンをしたとして、賭博容疑で告発された黒川弘務・元東京高検検事長(63)に対する東京地検の不起訴処分(起訴猶予)について、東京第6検察審査会は24日、「起訴相当」と議決したと公表した。審査会は「緊急事態宣言中にあえて賭けマージャンに及んでおり、規範意識が鈍麻している」と厳しく批判した。

 議決は8日付。一緒にマージャンをした産経新聞記者2人と朝日新聞社員1人の3人は「不起訴不当」とした。地検は今後、4人を再捜査して起訴、不起訴を改めて判断する。黒川氏は再び不起訴になっても、審査会が2度目の起訴すべきだとの議決を出せば、検察官役に指定された弁護士が強制起訴することになる。

 議決によると、黒川氏は4月13日~5月14日に計4回、産経新聞記者の自宅で1000点を100円に換算する「点ピン」で賭けマージャンをした。審査会は黒川氏について、違法行為を自制・抑止すべき立場だったのに漫然と賭けマージャンを続けたとし、「動機や経緯に酌むべき点はない」と指摘した。

 地検は7月に4人を不起訴とし、理由について賭け金は多額とは言えず、黒川氏は辞職して社会的制裁を受けているとした。しかし、議決は「ギャンブル性が低いとは言えない。辞職は当然に予期できるもので、有利に評価することは相当ではない」と退けた。その上で、検事長という重責がありながら社会の信頼を裏切った黒川氏の責任は他の3人より重いとした。

 記者ら3人は、どのような動機や事情から黒川氏と長時間にわたる賭けマージャンを定期的にしたかが判然としないとし、さらなる捜査を地検に求めた。

 山元裕史・東京地検次席検事は「議決を真摯(しんし)に受け止め、所要の捜査を行った上、適切に対処したい」とコメントした。【志村一也、二村祐士朗、国本愛】

2020年12月24日19:43配信 毎日新聞
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