医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

メディファーマが治験123件で違反行為…血圧数値改ざんなど、創業以来の組織ぐるみか

2023-10-18 20:40:47 | 医療界

 厚生労働省は17日、治験支援会社メディファーマ(東京都)が、医療機関から業務を委託された123件の治験で、データの改ざんなど医薬品医療機器法(薬機法)の違反行為を行っていたと発表した。承認済みの薬と医療機器計25製品での治験が含まれている。厚労省は創業後約10年にわたり組織ぐるみで違反を繰り返していたとみており、今後処分を検討している。

 厚労省によると、新薬の有効性や安全性を確かめる治験のデータを改ざんしていたのは、治験参加者の血圧の数値や、薬の投与と採血の時間など。このほか、医療機関の医師らと別々に管理しなければならない治験データの閲覧用のパスワードを共有し、治験に使う薬の温度管理を守らなかったことを製薬会社に報告していなかった。治験を適正に実施するため医療従事者に受講が義務づけられている講座では、社員が代理で参加していた。

 厚労省は情報提供を受け、同社に対し、8月29日~9月4日に3回の立ち入り検査を行い、違反行為を確認した。製造販売の承認を受けていた25製品については、改ざんされたデータを省いたとしても、有効性や安全性は確認できるとして、承認の取り消しは行わない方針だ。現時点で健康被害の報告はないという。

 治験は薬機法で定める省令で厳格に手順が決められている。同社は業務の効率化を優先し、必要な手順を省くなどしていたとみられる。医療機関側も違反に関わっていた可能性があり、調査を進める。厚労省の担当者は「前例のない非常に悪質な行為だ」と指摘している。

 メディファーマの担当者は読売新聞の取材に対し、「企業として問題点があった。関係する全ての方々に深くおわびする。内部体制の刷新などを進め、信頼回復に努めたい」と話した。

2023年10月17日 読売新聞

この記事についてブログを書く
« 「胸を触ったことある可能性... | トップ | ドコモの顧客情報約7万件流出... »

医療界」カテゴリの最新記事