医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

植松死刑囚の再審請求棄却 弁護人が即時抗告 相模原殺傷 横浜地裁

2023-04-25 19:36:13 | 帝京大学
 2016年に相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が殺害された事件で、殺人罪などで死刑が確定した植松聖(さとし)死刑囚(33)が求めた再審請求について、横浜地裁が棄却する決定を出したことが24日、植松死刑囚の弁護人への取材で判明した。18日付。弁護人は24日、棄却の決定を不服として即時抗告した。

 弁護人によると、植松死刑囚は22年4月、「外部の人と面会したい」などとして自ら再審を請求。地裁は棄却の理由について、「独自の見解であって、再審の理由に当たらない」としている。弁護人が今月21日に植松死刑囚に面会して請求棄却を伝えると「あり得ない。失望した」などと不満を示したという。

 弁護人によると、植松死刑囚は当初、請求の理由について「(現在は制限されている)外部の人との面会ができるようになると思った。再審で新たに主張したいことはない」などと説明していた。しかしその後は「1審の裁判は責任能力の問題に縛られて、(障害者に対する)自分の考えについて受け止めてもらえなかった。事件後も社会は変わっていない。死刑になることは怖くないが、裁判をやり直して改めて(持論を)主張したい」などと話しているという。

 事件を巡っては、横浜地裁が20年3月、植松被告(当時)に死刑判決を言い渡した。弁護人は判決を不服として控訴したものの、被告が控訴期限前に自ら取り下げて判決が確定した。

 確定判決によると、16年7月26日未明、津久井やまゆり園に侵入し、包丁などで10~70代の利用者だった男性9人、女性10人の首や胸を刺して殺害。職員も含めた26人に重軽傷を負わせた。【園部仁史】

2023年4月24日 毎日新聞