医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

千葉県警、殺人容疑で准看護師を再逮捕 印西・睡眠剤混入事件 被害者6人に

2017-08-02 22:29:12 | 医療界
 印西市の老人ホームの睡眠導入剤混入事件で、佐倉署特別捜査班は1日、車同士の正面衝突事故で死亡した同僚の会社員、山岡恵子さん=当時(60)佐倉市江原=が車で帰ることを知りながら睡眠導入剤を飲ませ、事故により殺害したとして、殺人の疑いで准看護師、波田野愛子容疑者(71)=殺人未遂容疑などで逮捕=を再逮捕した。山岡さんの車と衝突した対向車の20代男性に対する殺人未遂容疑でも逮捕した。波田野容疑者によるとされる3事件の被害者数は、施設職員や事故相手ら計6人となった。

 再逮捕容疑は2月5日、山岡さんが軽乗用車で帰宅することを知りながら、老人ホーム事務室内で、山岡さんに睡眠導入剤入りの飲み物を飲ませて運転を誤らせ、印西市山田の県道で対向するワゴン車と正面衝突する事故を起こさせて胸部大動脈損傷などにより殺害したほか、対向車の会社員男性(28)を殺害しようとして全治10日間の左胸部打撲のけがを負わせた疑い。

 波田野容疑者は飲み物に睡眠導入剤を入れたことを認め「山岡さんや事故の相手を殺そうと思ったことはありません」と、殺意を否認している。特捜班では山岡さんとの間でのトラブルの有無なども含め、動機などを慎重に調べる。

 事故は同日午後5時半ごろ、印西市内の県道で山岡さんの軽乗用車が中央線をはみ出し、対向車と正面衝突した。現場は片側1車線のほぼ直線。県警交通捜査課によると、当時、山岡さんの遺体の検視は行ったが、司法解剖や薬物検査は行われなかった。同課では「山岡さんは当時、夜勤で24時間を超える勤務をして疲れがあったと判断した」と説明。

 捜査関係者によると、山岡さんが事故時に着ていた衣服に付着していた血液から睡眠導入剤の成分を検出。波田野容疑者宅などから押収した睡眠導入剤の成分と一致したという。

 特捜班によると、山岡さんは当日、車で施設を出た約100メートル先で柵にぶつかる物損事故を起こしており、波田野容疑者も事故を知っていたという。特捜班は「運転を継続すればさらなる事故を起こし、死亡事故を起こすかもしれないのにあえて制止しなかった」との未必の殺意があったとみて追及している。

 波田野容疑者は、別の同僚らに睡眠導入剤入りの飲み物を飲ませて交通事故に遭わせたなどとして、既に計4人への殺人未遂や傷害容疑で逮捕されている。千葉地検は1日、3人に対する殺人未遂容疑についての処分を保留した。

2017年8月2日05:00 千葉日報