厳島神社、五重塔周辺
















     厳島神社、本社本殿の横、小高い丘の上に聳える、朱色鮮やかな五重塔。
     室町時代前期1407年の建立。(現存する五重塔としては、古い方から数えて、
     10番目、中国地方では福山、明王院五重塔に次ぐ。)神社本殿の陰に隠れて
     注目度は高くはないようですが、分厚い桧皮葺きの屋根、その軒先の反りの
     大きさ・・特徴のある見事な塔なのです。禅宗様に和様を加えた様式と言われ
     ます。細かく見れば、初期禅宗様の特徴、木鼻に明王院と共通の渦巻き模様が
     見られたりします。国重文指定。
     神社に五重塔・・?と思いますけれど、明治初年の神仏分離令までは、長らく、
     神仏習合にならい、他の神社と同様、厳島神社の境内にも多くの仏教建築が
     建っていたのです。
     五重塔の隣にある、通称千畳閣。1587年豊臣秀吉の発願により着工、未完の
     ままとなった大経堂なのです。ここも明治以来、仏像を寺に遷し、厳島神社末社、
     豊国神社となっています。板敷きの大広間、夥しい数の奉納絵馬が目を引きます。
     丘の上から、樹の枝を通して、厳島神社の回廊が見えてきます。
     ここでは、神の使い、鹿さんが餌をねだって、すりよってくるのをかわし、焼蛎と
     もみじ万頭の匂いに耐えて、参道を歩くのです。
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