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教育百年の計

2014年10月24日 | 時事
「40人学級は国を誤る」 下村文科相、財務省方針に反論
少しでも予算の欲しい文科省と、予算を減らしたい財務省との間で激しい折衝があった模様です。

まあ、これは別に珍しいことでなく、この手の綱引きは最早毎年のことですね。自分のブログを見返してみると、去年も「全学年35人学級」の目論みが崩されていますし、給与面ですが9年前にも同じ事をしているようでした。今回の槍玉に挙がったのは学級定員ですけど、財務省がぶっちゃけ言いたいのは「教員の人件費を減らせ」と言うことでしょう。ちなみに財務省は35人学級にした2年間と、導入前5年間のいじめと不登校の平均を見て「変わっていないじゃないか」と指摘していますが、国がお金を出す前に、少なくとも10年ぐらい前から県や市町村レベルで独自に35人学級を取り入れている所も多いわけで、この議論は完全に的を外れています。そもそも件数として上がってきているものの、1年生にできるいじめレベルなんて高が知れていますし、不登校にはいじめでなく母子分離不安と言うケースも多いでしょう。むしろ「目が行き届くようになって早期発見できるようになった」というプラス要素として捉えるべきものではないでしょうか。いじめや不登校は学年が上がるほど増加、深刻化するわけで、35人だったのがその後40人に戻ったことによる弊害も問題にするべきですし、結果が変わらないのだとしたら「まだ圧倒的に足りない」と言う可能性もあるわけで、むしろもっと予算をつけるべきなのではないでしょうか。何度も言っているように、教育は国家百年の計であり、国が最も力を入れるべき分野なわけです。「教育こそが世界を変える」・・・財務省はあのマララさんの演説をどう聞いたのでしょうか。

実際、現場はどうなのかと言うと、もしいじめや不登校などの問題解決に担任が乗り出すと、それに関与していない9割の子どもの対応が疎かになってしまい、フォロー体制がないとなし崩しに学級崩壊に陥る危険性が常に存在しています。特にいじめと不登校は二律背反でなく、関連して起きたり同時に複数件起きたりしますから、被害者側と加害者側の双方の橋渡しをしつつ、通常授業もしっかり進めるというのは、35人になろうが30人になろうが身一つの担任の負担は変わらず重いのです。学級数が増えると「一緒にしてはまずい児童」を別クラスに分ける選択肢が増えるのでありがたいですが、起きてしまった後に改善できる体制にはなっていません。個人的には、定数法で機械的に教員数を決めるのでなく、例えばうちは40人学級にして、1人浮いた先生を補助につけますよとか、単純に加配して副担任制度とか、少人数指導兼任で良いので、フリーに動ける人が学年に1人余分いると非常に心強いと思います。

そういえば思い出したので追記しますけど、昨日の朝日新聞、「機械的に統廃合すれば教員を1.8万人減らせる」という財務省の全く脈絡のない夢物語を紹介していました。地域の心情や文化・伝統を無視する暴論であり、おそらく他紙では記事にする価値がないと判断されたのでしょう。さらに話は飛びますが同時に載っていた道徳の教科化について、そんな話し合いは全く出ていないのに、いきなり「特定の思想を生徒に押し付ける」と決め付け、さらに天声人語では「教師を内心バカにすべし」と言う書き出しから同じ暴論を吐く最悪の内容でした。道徳の教科化については思う所もあるのでいずれ別記事にまとめるかもしれませんけど、こんな悪意ある文を世に出しておいてよく恥ずかしげもなくNIEとか「学校で書き写せ」とか言いますよね。朝日の「特定の思想」を押し付けるのは本当やめていただきたい。

つーか、もう4~5年放っておけば団塊世代が大量退職して平均年齢が若くなり、人件費にかかる歳出は確実に減るわけですから、わざわざ40人学級にしてまで減らさせようとする必要はないと思いますけどね。

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