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人間失格

2009年12月31日 | 時事
太宰「人間失格」アニメ人気 文庫本イラストが火付け役
何やら映画にもなるそうですね。あの内容で映像化できるのか・・・?

今年が太宰治の生誕100年だと知って、それから半年くらいかけて読みきりました。父親の本なので、昭和44年改定版・定価140円という骨董品ですが、漢字やらカタカナやら表記がやたら難解なことを除けば十分読むことができるのは不思議な感覚ですね。実際、この話が書かれたのは60年以上前のことですから、父親も生まれていません。そうしたものがこうしてふと脚光を浴びるのですから、「不朽の名作」とはよく言ったものです。

しかし、国語の現文の年表に載るような作品には、一種の取っ付き難さがあるのは確かです。高校の頃学習しただけでも、「羅生門」に始まり、「富嶽百景」「城の崎にて」「こころ」・・・後は「檸檬」らしいですが、これに関しては全く覚えていません(笑)「こころ」は、登場人物の自殺の経緯が知りたくて高校生の時に父親蔵書から探し出しで読んだ記憶がありますが、こうした小説へのいざないに乗ったのはこれっきりでした。強いて言えば私立の高校入試の時の問題文だった「友情」くらいかな?本来、こうした“出会い”をきっかけとして、より広くより深くのめりこんで行くものなのでしょうけど、娯楽と呼べるものがそうなかった昔とは違って、今は余暇を潰す策はいくらでもありますし、このようないつでも読める「時の止まった作品」より、より新しい作品や現在進行形の作品に手に汗握る展開を期待するのは、常に進歩を夢見てきた人類の心理でもあるでしょう。昔の作品を振り返る時は、進歩が止まり、現在に魅力がなくなった時・・・ああそうか、だから今なのかも?

今「人間失格」のタイトルを手に取る人は、少なからず「自分のことかも・・・」と思っていることでしょう。ですが、そんな人にこそ是非コレを読んで、反面教師にしてもらいたいものです。良いお年を。
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