ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

馬醉木の花

2018年03月27日 | 俳句

 今日も晴れマーク、気温も20度以上に上がり、あれだけ固かった桜の蕾が一気に綻び始めました。午後が休診なので、今日は午前中に義母といつもの病院へ。その途中に桜並木があるのですが、〝アッ!咲いてるよ、おばあちゃん〟と言うと、車の窓を開けて〝ああ~ホント!きれいやね~。帰る時はもっと開いてるかも…〟と。二分咲きでした。この調子だと週末が見頃になりそうです。

 先日の句会の兼題は「馬醉木の花」で、春の季語。ツツジ科の常緑低木で我が国の固有種。三、四月頃、清楚で品のある白い壺形の小花を枝先に多数総状に垂らし、葉や茎にはアセボトキシンが含まれていて、牛馬が食べると酔ったようになるので「馬醉木」と書くのです。

  馬醉木咲く金堂の扉にわが触れぬ

  馬醉木より低き門なり浄瑠璃寺

 どちらも水原秋櫻子の代表的な句で、第一句集『葛飾』に所収。特に前句は佐々木綾華の俳誌「破魔弓」を、秋櫻子がこの句に因み「馬醉木」と改題して主宰するに至ったもの。簡素で質素な浄瑠璃寺と楚々とした控えめな馬酔木の花とはどちらも秋櫻子の好むところであったようです。

 句会では〈慎ましき主の庭や花馬醉木〉と〈馬醉木咲く母の眼鏡を磨きけり〉が高点句でした。前句は季語と「慎ましき主」がちょっと付きすぎですが、まあまあかな。後句は切字「けり」を用いながら、上五で切れているのがちょっと問題です。また〝この母は亡くなっているの?〟という質問も。ここはまだ健在のお母さんでしょうから、〈母の眼鏡磨きやりたり花馬醉木〉とすれば、前の問題も一緒にクリアーできますね。因みにお母さん、この花が大好きなんですって。

 ところで、この馬酔木の花を知らない人が何人かいて、兼題の句を作るためあちらこちらを探し歩いたんだそうです…と。へエッ、ビックリ!意外と知られていないんですね。でも句会場に来たらここに咲いていたとは…笑い話です。

 写真は近所の馬酔木の花。真っ盛りでした。我家のは…そうなんです、バッサリ切られて全く花がない!

 

 

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