ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

啓蟄ですよ~

2018年03月06日 | 俳句

 今日の天気はまあまあでしたが、予報通りに寒くなりました。夕方などは風が冷たくて…でも今日は「啓蟄」なんですよ。

 「啓蟄」とは、二十四節気の一つ、陰暦二月の節。それが今日なんです。冬眠していた蟻・地虫・蛇・蛙などの地中の虫がみな動き、戸を啓(ひら)きて初めて出ることをいいます。虫は立春頃から動き始めていましたが、穴を出て表に出てくるのがこの時期。

  啓蟄のいとし児ひとりよちよちと   

 飯田蛇笏の句集『山廬集』に所収の句です。この句集は昭和7年(1932)に発行されていますので、「いとし児ひとり」とは、一体どの子のことを詠んだんでしょう?

 蛇笏には子供は男の子ばかり5人いました。長男が明治45年/大正元年(1912)生まれ、次男大正3年(1914)、三男大正6年(1917)、四男大正9年(1920)、五男が大正12年(1923)生まれだとすれば、どの子にも可能性はありますが、ここはやはり一番末っ子のような気がします。その方が季語の啓蟄が効くと思いませんか?当時とすれば恐らく男の子はみんな丸坊主でしょうから…2,3歳違いの男の子が家の中に5人もいれば、ある程度は想像がつきますよね。きっと賑やかなことだったでしょう。虫たちが活発に動き出し表にぞろぞろと出て来たそんな時に、愛おしい我が子も虫に負けずによとよちと歩き始めた…きっとそんな感じなんだと思うんですよ。かわいらしいやらおかしいやら…。蛇笏はきっと子煩悩だったんでしょうね。でも、そんな可愛い我が子を、後々次男は学業を終えたばかりで病死し、長男と三男は戦死するという、夢にも思わない非常な哀しみを味わったんです。それで四男の龍太が後を継ぐことになったんですがね。

 二,三日は暖かかったので、桜の蕾がもうこんなに…。でもまた寒い日が続きそうなので、梅の花のようにまたこれで止まってしまうでしょうね。ボケてますね~ 

 今日の兼題は「春ショール」でしたが、その話はまた明日にでも。では、おやすみなさ~い。

コメント
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