★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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街のカラス(24)

2009年09月26日 | 短編小説「街のカラス」
 オイラは、しばらく3人の様子を見ていたが、なにやら声が小さく、ただしゃべっているだけでつまらなくなってきたので、本来の目的である鉄塔の確認にいくことにした。今回は、女性スタッフのすっとんきょうな奇声を聞かないで飛び上がれるので、なんとなくうれしい。
 さて、オイラのお気に入りの鉄塔は・・おっ、遠目に見るとネットが無い。やっと工事が終わったのか。あれ?近づいてみると、鉄骨が格子に組まれた見慣れた鉄塔はどこにもなく、同じ場所に太い鉄柱の鉄塔が建っている。鉄塔の立替え工事だったのだ。
 鉄塔の上の方には、円形の踊り場のような箇所があり、手すりがついている。オイラは、その手すりに止まって具合をみることにした。
 手すりにつかまってみると、この場所独特の風と景色が全身を包み込みなつかしさでいっぱいになった。手すりのつかまり具合は前の鉄骨ほどではないが、まあ仕方ない。多分オイラは、この場所の雰囲気と高さ具合が気に入っているんだと思う。


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