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「北海道は交通事故が多いそうだから、十分に気をつけてね」

電話口の向こうで心配する母に、「大丈夫大丈夫、いつも安全運転しているから」と笑いながら答えて北海道にやってきたkamokamoです。
借りたレンタカーはとりあえず頑丈そうなMa○○ X、最新のナビも付いているみたいだから、方向音痴のkamokamoでもきっと何とかなると思うのよ。


車を借りた後、少しでも早く車とナビに慣れるため、さっそく施設名で札幌駅周辺の目的地を設定して試運転しました。
ところが、案内に従ってその場所に行ってみても、それらしき建造物は見当たりません。
そこには鬱蒼とした木々に囲まれ、入り口に「立ち入り禁止」のロープが貼られた無人の建物があるばかりです。別の入り口を探しながらグルグルと三回も周囲を回って、ようやく「あれぇ、ここは違う建物かも」と気が付きました。

「このナビ、ひょっとすると少しお馬鹿ちゃんかもしれないわね。でも、地図上で直接目的地を設定すれば問題ないわ」

苦笑いしながら「やれやれ、今日のところはこんなものかな」とホテル駐車場へと向かいました。


「…………」




翌日朝早く、ひと気のない立体駐車場のエレベーターに乗ろうとしたとき、耳元で「ひゃ~~!」という女性の悲鳴が聞こえました。
遠くではありません。「耳元で」です。
思わず振り返って周囲を見回しましたが当然人の気配はなく、あたりは静寂が支配するばかりです。

なんだか背筋がゾクッとしました
空耳にしては妙にリアルだったわ……
どんな風に聞いたら、人の声があんなに間近に聞こえるんだろう?




……やっぱり、ナビの調子がおかしい。

地図を見ると、札幌駅の東にある「札幌インター」へ行くためには、広い道路を東に向かえばいいと素人目にも分かるんだけど、なぜかナビからは左へ右へと頻繁に指示を出します。どうしてこんな細い道をくねくねと走らなければならないのだろう? 札幌は一方通行が多いと聞くけれど、こんな路地のような細い道を走らなければ辿り着けないくらい込み入った場所に「札幌インター」はあるのだろうか? 
でもまぁ道を知らないものの弱みよね、ナビの指示に従うしか選択肢はないんだから。

札幌駅近くの駐車場を出てからおよそ30分、ようやく札幌インターに辿り着きました。



その後、道央自動車道をひたすら走って到着した目的地の神居古潭渓谷は、前日の集中豪雨にともなう濁流でほとんど水没状態、散策路は落石で通行禁止です。
「昨日までは水も少なく透明できれいだったんですけどね。今日は水が茶色に濁って水かさも多くて……こんなに水が多いのは見たことないですね。 甌穴? 多分水の下ですよ、折角来たのに残念ね」
土産物屋のお姉さんがつぶやきました。

う~~~ん、どうしてこうなっちゃうんだろう、マッタク…
(土産物屋で売っていたサクランボは、安くておいしかったけれど。)

仕方なく留萌あたりの日本海沿岸に出て、海を見ながら札幌に帰ることにしました。

途中、ひなびた温泉場の大衆食堂で「みそラーメン」を頂きました。
お値段の割には薄くて小さいチャーシューが1枚、載っているわずかな野菜はほとんど生、味はいまいち。 そのかわり、どんぶりは大きく、麺は1.5人前ほどありました。

その後、漁師町を通過するたびに「ウニ丼」「海水ウニ」の文字が・・
しまったぁぁ……
さっきの「みそラーメン」でお腹いっぱいだから食べられない……

ふたたびナビの指示で迷走しながら札幌に戻りました。



夕刻、小樽の寿司店で口直しすることになりました。
目指すは札樽自動車道「札幌北インター」
これはもう一目瞭然、札幌駅からまっすぐ北、一本道です。

ところが、ここでもナビは迷走を指示します。
「まもなく北○△西×○、北○×西△×を右方向です」

「えぇぇ~~、どう考えてもここはまっすぐで、次が左折よね」
「このナビ、何を言ってるんだかサッパリ分からん」

高速道路では、インターが近付くたびに「まもなくインター出口です、その先一般道です」と叫びます。 一般道優先で設定しているわけではなく、青い案内ルートは確かに高速道路を選択しているにもかかわらず…です。

こうなっては、もうナビの指示に従うことはできません。



指示を無視して走っていると、今度はナビはものを言わなくなりました。

「あれ?このインターで降りるんだよね」
「えっ、もうひとつ向こうまで行った方がいいんじゃないの?」


小樽市街地に入り、これからナビ機能の本領発揮……というところで
「目的地周辺です。音声案内を終了します」
と一方的に案内が終わってしまいました。

目的地まではまだ遠く、込み入った曲り角がいくつも残っていたのに…です

……………


「このナビ、なんだか相当ご機嫌ナナメだね」


つづく

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