鴨着く島

大隅の風土と歴史を紹介していきます

ウクライナ情勢

2022-02-25 23:16:13 | 日本の時事風景
2月24日、ついにプーチンロシアはウクライナに侵攻した。

南部のクリミア、東部のドンバス地域、そして北部のベラルーシから3か所の国境を越えてロシア軍は侵入した。

侵入の直前に、南東部に位置するドンバス地方で、親ロシア派武装勢力が支配するルバンスクとドネツクにそれぞれ「人民共和国」が急遽設立され、その間隙を縫い、それら人民共和国からの要請を受けて軍隊を派遣したのだそうだ。

何とも茶番というべき経緯である。

2014年にクリミア半島がロシアによって奪われ、今度は東部のドンバスがロシアの支配領域に入った。

ウクライナは旧ソ連の穀倉地帯だと習った記憶がある。日本の面積の1.6倍もあり、人口は3分の1の4千万ほどである。

ウクライナは第1次世界大戦の頃、旧ソ連と戦争をしたことがあり、ソ連とは一線を画していたが、第2次大戦後にはソ連邦の一員となった。そして1991年、ソ連邦が解体されると、ウクライナは独立を果たした。

しかし旧ソ連のKGBの一員であったプーチンにとっては、ロシアを中心とする連邦体制を解体した欧米、とくにアメリカが憎いのであり、その心情はずっと変わらないでいる。

ウクライナと同じように独立を果たしたベラルーシは、結局ロシア側の言い成りの国家になり、実質上、旧ソ連邦の一員に戻ってしまった。

ウクライナはその豊かさでロシアとは一線を画したいのだろうが、国民の20パーセント近くいるロシア系住民の保護を口実にプーチンは軍を出動させた。あまつさえドネツク・ルバンスクという傀儡というもおこがましい架空に近い「人民共和国」をでっち上げ、今度はその2国からの要請で軍隊を送ったという建前にしてしまった。

しかも2014年に併合した、これも住民の要請に応えたという理由で併合したクリミア半島からも軍の出動があり、北部ではあの爆発事故を起こしたチェルノブイリ原発周辺を包囲したという。原発を抑えたという意味はよく分からないが、しいて言えばロシア侵入軍の安全確保のためか?

昨夜のテレビで見たのだが、ウクライナのゼレンスキー大統領は自ら「プーチンの狙いは私(の首)だ。そして私の家族もだ」とカメラの前でかなりラフな格好(おそらく退避壕の中)で語っていたが、そうであれば痛ましい限りだ。そして「誰も救援に来てくれない。孤立無援だ」とも。

ウクライナがNATO(北大西洋条約機構)に加盟することがプーチンにとって最大の懸念であり、それを推し進めようとしているゼレンスキー大統領は不倶戴天の敵なのだ。

NATOもそれを軍事的に援助しているアメリカも今のところ軍事的コミットは避けているが、ウクライナの首都キエフが制圧されたらどう出るか分からない。

日本を含む欧米諸国の経済制裁がどんなに厳しいものでも、その効果が表れるには時間がかかり、制裁の効果が表れた頃にはすでにキエフが陥落し、ゼレンスキー大統領がロシア側に拘束されるか、最悪の場合大統領の命が奪われるという事態になった時が問題だ。

かつての社会主義国では「民衆主義革命」となると、そこの指導者が他国へ亡命することがよくあったが、ウクライナのゼレンスキー大統領の場合、もし彼が亡命するようなことがあったら真逆のケースになる。

しかしそうしないであくまでも自国にとどまり、ウクライナの自由を守って欲しいものだ。

NATOが臨時総会を開き、急遽ウクライナの加盟を認めるという手は出せないものか。そうしたらウクライナに軍事出動が可能になる。

プーチンもNATOという「多国籍軍」を相手にはしたくないだろう。しかもその後ろ盾には忌み嫌う米軍がいるのだから。

「ロシアには強力な核兵器がある」とプーチンはよく言うが、実戦に使うことはあるまい。そうしたら全世界を敵に回すことになる。

ウクライナに平和を!

最新の画像もっと見る

コメントを投稿