鴨着く島

大隅の風土と歴史を紹介していきます

一極集中は収まらず

2024-06-12 10:37:17 | 日本の時事風景
2014年に人口減による消滅の危機が叫ばれた地方の自治体のうち、約4割の自治体で2020年度の人口予想を上回ったという。

一概に喜んでいいのか分からない。たしかに予想された危機的な減少は免れたのは評価すべきだが、絶対的な減少は続いているのだ。

予想されたような危機的な減少にならなかったのは主に都市部からの人口流入、つまり移住に負っているという。それ自体悪いことではないが、危機的だった自治体が人口回復するには焼け石に水だろう。

岸田政権下ではその対策として「デジタル田園都市国家構想」を打ち上げた。

の主旨は「地方にいてもデジタル化を進めれば都市部に引けを取らない生活ができるから、生まれたふるさとから離れないで欲しい」というものだが、大都市に大学や専門教育機関が集中し、大きな企業もあるので、高卒後の若者がそちらに流れてしまう歯止めにはなっていない。

結局、大都市部への人口集中は相変わらず続く。

その限界値というようなものがあるのかと言えば、自由主義社会では想定できない。ひとりひとりの自己判断、自己責任に任せるしかない。

それを待っていたのでは遅すぎる。究極の対策は首都分散だろう。

東京への一極集中が地方自治体消滅すなわち「超過疎化」の最大の原因と考える必要があり、地方から学びに出てきた若者たちの自己判断に任せている現状は生ぬるい。

東京へのこれ以上の集中は首都直下型地震や相模湾トラフ、東南海トラフ由来の大規模な震災に対してあまりにも危険である。特に地方から上京して来た若者たちはまさに「飛んで火に入る夏の虫」の如くなってしまう。

東京から各省庁や大企業の本社機能を、地質的に安全な地方へ移転すべきだろう。文化庁の京都移転くらいでは話にならない。

岸田内閣はアメリカの極東防衛策に乗っかり、組閣早々「5年間で43兆円の予算を付ける」と宣言したが、そんな金があればまず「身の安全」を先行させた方がよい。

日本の「防災田園国家」化のために、首都分散を最優先にする時に来ている。アメリカに対しても、日本が首都圏を中心に壊滅的な被害が出たら極東防衛もクソもないぞと言ってやればよい。